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世界の礎

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第二話その十一

「みるみるうちにです」
「国が大きくなっているな」
「はい、このままいきますと」
「チグリス=ユーフラテス川流域を掌握するな」
「この一帯を」
「それを狙ったいたしな」
 義青はカニに確かな声で答えた。
「この流れはだ」
「望ましいですね」
「非常にな、このままだ」
 義青はさらに言った。
「二つの川の流域を完全にだ」
「義青様のものとしますか」
「そうする、それとだ」
「それと?」
「皆下はズボンになっているな」
「馬を乗る時に義青様が出してくれた」
「あの服をな」
 カニに述べた。
「そうだな」
「随分と動きやすいです」
 カニはそのズボンについて述べた、彼も今穿いている。
「足が」
「そうだな、馬に乗るにはだ」
「ズボンですね」
「そうだ、そして普段もな」
「動きやすいので」
「ズボンも穿くことだ」
「これからは」
「そしてだ」
 さらに言った。
「より働く、それと車輪も出すか」
「車輪ですか」
「そうだ、戦車の車をだ」
 これをというのだ。
「より広めたい」
「あれをですか」
「農具でも一輪のものをな」
「出して下さいますか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「より便利にする」
「そうされますか」
「ものを運ぶにもだ」
 それにもというのだ。
「馬車を造る」
「戦車だけでなく」
「幸い私が来た時にはもう車輪があった」
 この技術がというのだ。
「ならそれを大々的にだ」
「用いるのですか」
「あと桶もよくし」
 この道具もというのだ。
「樽も出す」
「樽といいますと」
「見ればわかる、もの特に酒の保存に役立つ」
「酒のですか」
「麦の酒もそうで葡萄の酒もな」
「よく保存出来ますか」
「それが可能だ、また酒から酢が出来るが」
 この食材の話もした。
「野菜を漬けるのだ」
「酢にですか」
「そうすれば長持ちし」
 保存出来てというのだ。
「栄養も損なわれない」
「そうなのですね」
「だから酢漬けを造ってな」
 そうしていきというのだ。
「何もない時に食べるのだ」
「飢饉等の時でも」
「今は欲し肉や干し魚位しかないが」
 保存食はというのだ。 
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