世界の礎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二話その七
「まだ死んだ者も術で復活させる」
「そうするのですか」
「今国で復活させられる術を使えるのは私だけだが」
「義青様ご自身がですか」
「復活させる」
そうするというのだ。
「ここはな」
「そうしますか」
「そして身代金を要求するのだ」
相手国からというのだ。
「いいな」
「若し支払わないなら」
「その時は鉱山にでも送り重労働だ」
その様にするというのだ。
「その国が我々に降るまでな」
「やはり殺さないのですね」
「その国を降せばだ」
義青は相手の軍隊を見て言った。
「それで終わりだからな」
「しないのですね」
「そうだ」
決してというのだ。
「それはな」
「そうなのですね」
「そしてその国の民は全てだ」
「まさか」
「そのまさかだ、我が国に入れる」
降した国の民達もというのだ。
「全てな、そして治めるからな」
「兵もですか」
「無論だ、我が国の兵とする」
「だからですか」
「決して殺さない、いいな」
「わかりました、それでは」
「戦の指揮は任せた」
イシュに確かな声で告げた。
「それではだ」
「これよりですね」
「戦うのだ」
「わかりました」
イシュは頷いた、そうしてだった。
彼は義青の言うままに戦った、すると歩兵の方陣と騎兵、鉄の武具で武装した彼等は銅の武具でまともな陣を組んでいない歩兵だけの敵軍は文字通り一蹴されてだった。
忽ち囲まれた、そこでイシュは彼等に降る様に言ったが。
「降りません」
「では私が術で眠らせる」
義青はそれならと言った。
「そしてだ」
「眠らせた間にですね」
「全員捕虜とする、そしてだ」
「敵国に身代金を要求しますね」
「そうする」
今からというのだ。
「いいな」
「それでは」
イシュは義青の言葉に頷いた、そうして。
義青は術で敵の残った兵達を眠らせてだった、彼等を捕虜とし。
相手国に使者を送り身代金を要求した、すると。
使者に送った外務大臣に任じていたサラ、エルフの金髪で緑の目を持つ彼女が彼のところに戻るとこう言った。
「敵国の王は驚いていました」
「捕虜にした兵を返すと言われてだな」
「身代金を支払えばと言うと」
「そうか、しかし実際にだ」
「身代金を支払えばですね」
「返す」
捕虜とした兵達はというのだ。
「約束は守るものだ」
「だからですね」
「そうする、そしてだ」
義青はさらに話した。
ページ上へ戻る