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世界の礎

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第二話その四

「叛乱等起こさせない様にする、塩も同じだ」
「塩もですか」
「国の専売としてな」
「統制しますか」
「銅も鉄も国に必要で誰にとってもだ」
「必要なものとなり」
「人は塩がないとだ」
 そうでなければというのだ。
「生きられない、その塩もだ」
「国の専売とし」
「国で統制する、しかしだ」 
 義青はこうも言った。
「間違っても高く売るな」
「安くですか」
「こうしたものは必要だからだ」 
 それが故にというのだ。
「必ず売れる、そして国の利になるからな」
「利になるなら高くでは」
「違う、安く売れても必要ならそれだけで大きな利になるのだ」
「なら安くてもいいですか」
「ここで高くすればだ」
 鉄や塩をというのだ。
「民は苦しむ、民を苦しませると結果として国も苦しむものだし私は悪政を敷くつもりはない」
「世界の礎を築かれるのですね」
「その為にこの世界にいるからな」 
 だからだというのだ。
「そうしたものはだ」
「安く売る」
「そうでなければ」
 場にコムは気付いた顔になって言った、それは政に携わる者として当然のことでありそれに基づいて言うのだった。
「必ず国に逆らいです」
「そうしたものを密かに売りだ」
「利を得るものが出ますね」
「闇商人がな」
「そしてその闇商人が力を得て」
「裏の勢力となりな」
「国を脅かしますね」
「実際にあった」
 中国唐代末期のことをだ、義青は話した。
「国が塩を高く売りな」
「利を得てですね」
「民は苦しんだがそこでだ」
「塩の闇商人が生まれたのですね」
「これを塩賊といった」
 まさにその塩の密売で利益を得ていたからだ。
「多少高く売ろうとも国の値段より遥かに安くな」
「利を得られたのですね」
「それは莫大なものでな」
 そうであってというのだ。
「叛乱を起こすだけのものになった」
「叛乱ですか」
「それも国全体を巻き込むな」
 黄巣の乱である、中国の歴史上最大の民衆叛乱と言われからの命脈を完全に絶っただけでなく中国社会も一変させたと言われている。
「大叛乱となった」
「そこまでになるので」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「断じてだ」
「高くは売りませんか」
「そうする、ではな」
「これからはですね」
「そうしたことも行いな」
 鉄や塩に対する政もというのだ。
「ことを進める」
「そうしますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「国を豊かにし力もだ」
「つけていきますね」
「そうする」
 こう言ってだった。
 義青は鉄器、製鉄したそれを大々的に用いるだけでなく国の専売にもして統制してだった。塩もそうして。 
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