世界の礎
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第二話その三
「そうしてだ」
「そのうえで、ですか」
「炭も作る、炭も必要だ」
「そうしたものもですか」
「火が強くなるからな」
こう言って薪を増やし炭も作らせた。そうしてだった。
植林も行いそちらでも国をよくした、国はさらに豊かになり是非入れて欲しいという街や村が増えたがそれでもだ。
その勢力拡大を警戒する周辺国が出て来てしかも賊やモンスターの討伐のことが問題になった。するとだった。
義青は宰相に任じたコム、彫のある顔で長い顎鬚を持つ彼に言った。
「技術のことだが」
「そちらですか」
「今は木や銅のものが多いが」
「はい、農具も武具も」
「しかしそれをだ」
コムに強い声で言った。
「鉄も入れる」
「鉄ですか」
「鉄鉱山の場所もわかっている」
この世界への知識の中でだ。
「近くにあるからな」
「その山からですか」
「鉄を掘り出してだ」
「その鉄で、ですか」
「農具や武具を作るのだ」
「これからは」
「鉄は強い」
義青は言い切った。
「その為用いるとな」
「よいのですね」
「非常に役立つ、だからな」
そうであるからだというのだ。
「これからな」
「鉄の農具を用いて」
「耕すしだ」
田畑をというのだ。
「武具もな」
「鉄のものにしますか」
「周りの国は革や銅の武具ばかりだが」
その中でというのだ。
「鉄の武具にする、それでだ」
「周りの国を圧倒し」
「そして賊やモンスター達もな」
彼等もというのだ。
「倒していく」
「そうする、これからは鉄をだ」
この鉱物をというのだ。
「大々的に用いる、そして銅も用いるが」
「それでもですか」
「軍では鉄の方を多くする」
「そうするのですね」
「そうする、そして銅は貨幣に用いる」
こちらにというのだ。
「それを造るのにな」
「そうされますか」
「そして貨幣には一つ一つ彫りものを入れるが」
そうするがというのだ。
「ウルの紋章を入れる、即ちだ」
「ウルの貨幣である」
「そのことを知らしめる」
紋章を彫り入れることによってというのだ。
「そうする、そうして銅も用いていく」
「軍で用いることが少なくなろうとも」
「銅山の場所もわかっているしな、そして鉄や銅は国の専売とする」
「大きな力になるからですね」
「国で統制してな」
力の原因になるものをというのだ。
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