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夢幻水滸伝

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第三百七十一話 内政の充実その十三

「必ずのう」
「そやからですね」
「努力を見ることですね」
「結果よりも」
「それが大事ですね」
「何時実を結ぶかはわからへんが」
 それでもというのだ。
「絶対に実を結ぶんじゃ」
「その通りよ、何の努力もしないで」
 アレンカールが牛肉を食べながら言った。
「ふんぞり返っていたり結果だけを言うなら」
「そんな連中はじゃ」
「いなくなるわね」
「そのうちのう」
「居場所がなくなって」
「そうなるものじゃ」
 まさにというのだ。
「そう考えるとアマードちゃんは合格じゃ」
「僕は、ですか」
「言っておくが鈍いとか遅いとかは言わんことじゃ」 
 左でにワイングラスを持ち右手で彼を指差しつつ笑って話した。
「相撲部でも評判じゃけえ」
「起きた世界の」
「いつも地道に稽古をしていて真面目で温厚でじゃ」
 そうであってというのだ。
「強いとのう」
「僕は強いですか」
「実際勝率高いじゃろ」  
 試合のそれもというのだ。
「練習試合ののう」
「そうでしょうか」
「自信はなくとも周りは見ておる」
 そうだというのだ。
「中学から熱心に励んでじゃ」
「僕は強いですか」
「立派な力士じゃ」
 笑って言うのだった。
「角界に入っても上手くやれるぞ」
「日本のですか」
「そうじゃ、それでじゃ」
 碧はさらに話した。
「アマードちゃんの努力はじゃ」
「実を結びますか」
「常に努力しておるからのう」
 だからだというのだ。
「結んでおるわ」
「そうですか」
「結び続けておるとな」
 その様にもというのだ。
「言えるわ」
「そうであるとええですが」
「うむ、それでこっちの世界でもじゃ」
 起きた世界だけでなくというのだ。
「努力しておるな」
「凄いわよ、この子の努力」
 アレンカールは笑って応えた。
「ほんまにね」
「やっぱりそうじゃな」
「ほんまに地道にね」
「努力してじゃな」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「やってくれてるのよ」
「まさに努力が実を結ぶじゃな」
「遅い?そう言って何か言うならまだしも」
 アレンカールは今度はこの上ない侮蔑を以て言った。
「殴る蹴るの暴力を振るうならね」
「ああ、それ日本の学校の先生ですね」
「そんな奴何処でもいますよ」
「日本の学校そうですよ」
「動きが悪い、集まり悪いで殴る蹴るですよ」
「そういう連中こそこう言うのよ」 
 瑠璃子達四人に応えて言った。 
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