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夢幻水滸伝

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第三百七十一話 内政の充実その十二

「こうしてね」
「楽しむんじゃな」
「そうしましょう、ただ五人共お酒強いわね」
「ああ、いける口じゃ」
 碧は実際に飲みつつ答えた。
「日本酒もワインもじゃ」
「飲めるわね」
「ボトル三本は飲めるけえ」
「結構なものね」
「しかし綾乃ちゃんはもっとじゃ」
 彼女はというのだ。
「それこそ幾らでもじゃ」
「あの娘はまた別格ね」
「底なしじゃ」
 そこまで飲むというのだ。
「わらわなぞ比べものにならんのう」
「あたいもよ。あの娘はまた別格よ」
「あとエカテリーナちゃんものう」
「そうよね」
「上には上がおるんじゃ」
 碧はこうも言った。
「お酒以外のことでもじゃ」
「何でもね」
「上には上がおってのう」 
 それでというのだ。
「何でも自分が一番とはじゃ」
「思ってもね」
「まだ上がおるんじゃ、世界一になったと思ってもじゃ」
「さらに上の人がいるものよ」
「そういうものじゃ」
「その通りよね」
「間違っても自分がこの世で一番偉いと思うと」
 その時はというと。
「もうそれでじゃ」
「未来はないわね」
「そこで終わりじゃ」
「成長なんてせえへんわ」
「そうじゃ、人は無限に成長出来るが」 
 しかしというのだ。
「そう思うとじゃ」
「そこまでよ」
「そうじゃ、だからわらわもじゃ」
「努力してるわね」
「そのつもりじゃ。あと人の努力を認めん奴ものう」
 結果だけを見てだ、所謂結果主義でありこれを取り入れた企業はすべからく傾いてしまっているという。
「それまでじゃな」
「そういえばそうですね」
 雅美がまさにと応えた。
「そうした考えの人ってあきませんね」
「人には偉そうに結果出せって言いますけど」 
 紗枝もそれでもと話した。
「自分はどうか」
「大したどころやないどころか駄目駄目で」 
 由香はそうした有様でと話した。
「人としても、ってなってますね」
「何なんでしょうね」
 瑠璃子は首を傾げさせた。
「そうしたことを言う人があかんって」
「努力を認めん奴は努力せんのじゃ」
 碧は四人にこう答えた。
「結果出すのもズルやインチキばかり使ってじゃ」
「それで出すんで」
「過程の努力がないから成長せえへんで」
「モラルもなくて」
「人としてもあかんのですね」
「そうじゃ、そんな奴は相手にせんでええ」
 結果だけを言う輩はというのだ。
「そのうちばれてじゃ」
「あかん様になりますか」
「そうなりますか」
「そやからですか」
「相手にせんでええですか」
「そうじゃ、努力は実を結ぶんじゃ」
 碧は大きな鶏肉を食べながら言った。 
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