夢幻水滸伝
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第三百六十八話 ブラジルにてその十八
「災害対策の意味でもね」
「ただ他の勢力を攻めたり街や村を守ったり賊やモンスターを退治したりするだけではないのですね」
「そう、災害もね」
こちらのこともというのだ。
「どうにかしていくわ」
「軍隊を用いて」
「起こることは防げなくても」
それでもというのだ。
「起こった時の対処と復興はね」
「出来ますね」
「そやからね」
「そちらからもですね」
「軍隊は整えるわ、その為にもね」
「今は確かな勢力となり」
「予算もね」
最も重要なそれもというのだ。
「確保するわ、ええわね」
「わかりました、それでは」
市長は笑顔で応えた。
「その様にして下さい」
「政策としてええのね」
「まさか軍隊を災害に使われるとは」
「このことは起きた世界で学んだのよ」
「そうなのですか」
「日本でね」
「日本といいますと」
市長はこの世界の者としてアレンカールに答えた。
「災害が多いですね」
「この世界でもそうね」
「まるで世界中の災害が揃っている様な」
「そんな国ね」
「このことは起きられた世界でもですか」
「あたい達がね」
「同じなのですね」
「そうなの、もう何から何までね」
それこそという口調での返事だった。
「災害が揃っていて起こる件数もね」
「多いのですね」
「そうしたお国柄なのでね」
その為にというのだ。
「あっちの世界の日本は戦はなくても」
「災害が多いので」
「救助と復興によ」
「軍は多忙ですね」
「あっちの世界の日本の軍隊は自衛隊というけれどね」
「名前が違うだけですね」
「そう思ってええわ」
アレンカールは自分の見方から答えた。
「やってることと中身は同じやから」
「そうなのですね」
「それでね」
アレンカールはさらに話した。
「あっちの世界でもね」
「日本は災害が多く」
「軍隊をそっちに用いているから」
「アレンカール様もですね」
「軍隊を用いて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「災害対策をしていかれますね」
「そうするわ、普段から防災を徹底させて」
内政においてというのだ。
「災害が起こってもね」
「被害を少なくしますね」
「そうするわ。例えばスラム街な粗末な木造のバラックが多いけれど」
「火事にも地震にも台風にも弱いです」
「そやから煉瓦のお家にもよ」
「していかれますか」
「河川には堤防を築くし」
そうもするというのだ。
「禿山があれば植林もするわ」
「植林もですか」
「そうするわ、海岸にも防波堤を置くしね」
「色々お考えですね」
「災害はそれだけ危険やからね」
「あらゆる災害にですね」
「対策をしていくわ」
市長に話した。
「それでええかしら」
「是非そうされて下さい」
市長は声を震わせていた、その声には明らかに感情があった。
「そしてです」
「民の人達を災害から守って欲しいのね」
「そうして下さい」
「ええ、そうしていくわね」
アレンカールは微笑んで答えた、そうしてだった。
彼は災害への政も進めていくことにした、はじまったばかりの統治は環境や災害のことも考慮され進められていくのだった。
第三百六十八話 完
2024・9・1
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