夢幻水滸伝
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第三百六十八話 ブラジルにてその六
「何かとです」
「やることは多いわね」
「実は中南米は産業革命を果たし」
「それなりに豊かね」
「産業もあります、ですが」
それでもというのだ。
「今以上にです」
「発展させることね」
「そうすべきです」
「そうね、ほなね」
アレンカールは市長の話を聞いて確かな顔と声で述べた。
「勢力を旗揚げしたら」
「勢力の内政もですね」
「していくわ」
そうしていくというのだった。
「積極的にね」
「宜しくお願いします」
「そしてね」
「勢力を豊かで安全にして下さい」
「豊かで安全な社会もね」
「重要ですね」
「貧困とか治安の問題もね」
市長に話した。
「この世界を襲う危機かも知れないし政で困っている人や地域を救えないなら」
「世界を救うことはですね」
「どだい無理ね」
「左様ですね」
「わかったわ、では政もね」
「されますね」
「そうしてまずはね」
アレンカールはさらに話した。
「勢力を旗揚げしてね」
「ブラジルの統一ですね」
「それにかかるわ」
「宜しくお願いします」
「ではここにね」
「勢力の旗揚げをですね」
「宣言するわ」
市長ににこりと笑って答えた、そうしてだった。
アレンカールはその日のうちに勢力の旗揚げを宣言しかつブラジルひいては中南米の統一と平和で豊かな中南米を築くことを掲げた、だが。
そのことを宣言してすぐにだ、彼は困った顔になって言った。
「あたいお家ないわ」
「この世界に来られてすぐなので」
「ええ、それでね」
店長に店で夕食を食べつつ答えた、メニューは南国のフルーツがふんだんに入った甘いサラダに大きな豚肉を豪快に焼いたものだ。
その豚肉にかぶりつきビールを飲みつつだ、彼は言った。
「お家どうしようかしら」
「そのことですね」
「ええ、安い宿屋に泊まろうかしら」
「いえ、お家なら知っていますが」
「そうなの」
「それも家具も揃っています」
そちらもというのだ。
「既に」
「そんなお家あるの」
「実はうちのお隣がです」
「そうなのね」
「うちは下宿もやっていまして」
そちらの商売もというのだ。
「今一階丸々です」
「空いているのね」
「丁度前に契約していた人達が皆さん実家に帰られて」
そうなってというのだ。
「空いています」
「そうなのね」
「もう一階どころかです」
それこそというのだ。
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