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夢幻水滸伝

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第三百六十七話 アメリカから南半球へその十二

「ほんまな」
「うち等が軍を率いて戦場に出て戦う」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「ほんまな」
「民の人等にはそのまま働いてもらう」
「学校に通ってな」
「暮らしてもらうね」
「何も変わらんとな」
「そやな、戦うのは軍人だけでええ」
 中里も言うことだった。
「民を巻き込むのはな」
「あかんわ」
「敵の領土尾を占領してもや」
「そこの民には何もせん」
「一切な」
 それこそというのだ。
「そのまま暮らしてもらってな」
「働いてもらえばええ」
「そやな」
「そこを間違えるとな」
 芥川は中里にも話した。
「あかんわ」
「絶対にな」
「今敵の領土でもな」
「後で自分達の領土になるかも知れんしな」
「そこの産業やインフラもな」
 そうしたものもというのだ。
「戦の後はや」
「自分等のもんになるかも知れんな」
「勿論民もな」
「自国民になるわ」
「それで攻撃したり圧政を敷くとかな」 
 そうしたことを行うことはというのだ。
「アホの極みや」
「ほんまにそやな」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「絶対にや」
「そうしたことはせんことやな」
「そや」
 何があろうともというのだ。
「占領した地域もな」
「他の地域と同じ様に治めてくな」
「それが一番や、攻めるにしても漢の高祖みたいにや」
 劉邦、彼の様にというのだ。
「穏健にや」
「攻めるべきやな」
「降ればよしで占領地にも寛大でな」
「そうして攻めてくべきやな」
「実際その方が支持を得てな」
 民達からというのだ。
「進軍も速かった」
「そやったな」
「別の方面から進撃してた西楚の覇王は強かった」
 項羽はというのだ。
「史記や資治通鑑でも最強やったかもな」
「兎に角強かったな」
「しかし敵は容赦なく攻めてな」
「殲滅してたな」
「それで高祖の軍は降れば許すからどんどん降ったが」 
 敵である秦軍もというのだ。
「覇王の方か降っても死ぬからな」
「必死で戦ってな」
「その分抵抗が激しくてや」
「進軍が遅かったな」 
 項羽の用兵は迅速で知られそのことも武器であったがだ、敵が抵抗すればする程進軍が遅れるのは道理である。
「そやったな」
「そや、それでや」
 その為にというのだ。
「戦も政でな」
「民は攻めんで占領地も普通に治める」
「それがええ」
「そやな」
「それでや」
 さらに言うのだった。 
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