夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百六十七話 アメリカから南半球へその十一
「あかんわ」
「そや」
シェリルもその通りだと答えた。
「戦をしてもな」
「民は巻き込まん」
「そこは守らんとあかんわ」
「そういうことや、そのことを念頭に置いてな」
「戦っていこな」
「これからもな。しかし」
芥川はシェリルにビールを飲みながら話した。
「戦の間も民は普通にな」
「暮らせる様にするな」
「戦時経済とかにはせんで」
「平時のままでな」
「産業の発展に勤しんで」
そうしてというのだ。
「豊かになってもらうわ」
「戦をするのはあくまで軍と私達で」
「民はな」
「平和に暮らしてもらうな」
「戦は確かに国の総力を挙げて行うもんや」
芥川は十星連合の参謀総長として話した、中里と共に軍を統括する立場にありそれだけに戦のことはよくわかっている。
「しかしな」
「民はそのままやな」
「戦のことは気にすることなくな」
そのうえでというのだ。
「平和に暮らしてもらってな」
「働いて学校に通って」
「そうしてもらってな」
そのうえでというのだ。
「幸せにや」
「暮らしてもらって」
「国を豊かにしてもらう」
「そうしてもらうな」
「戦をするのは勢力の外でな」
十星連合の領土外でというのだ。
「それでや」
「民は領土内で平和にやな」
「これまで通りな」
戦になろうともというのだ。
「暮らしてもらう」
「それが理想やな」
「ああ、国家総動員法とかもな」
「施行せんな」
「総力戦をしてもな」
「戦時経済にはせん」
「戦時経済にしたらね」
綾乃は困った顔で話した。
「軍需産業に重点が置かれて」
「普通の産業が次になってな」
「産業全体に歪み出るさかい」
「そやからな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「戦時経済には移行せんね」
「そや」
そうするというのだ。
「出来る限りな」
「そうしたらええね」
「そや」
まさにというのだ。
「平時のままでな」
「いくね」
「十星連合の国力を考えたら」
他の二勢力を圧倒するそれをというのだ。
「もうな」
「平時経済のままいって」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「普通にやっていった方がな」
「ええね」
「経済も順調に発展してな」
「国力は増強されてくし」
「もう軍事のインフラも整えてるし」
「それに添って動けるし」
「そやからな」
「平時経済でええね」
「有事になったらな」
その際はというのだ。
ページ上へ戻る