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スーパーヒーロー戦記

作者:sibugaki
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第13話 出撃!ゲッターロボ

人類が地上に現れる遥か昔。
地上には恐竜達が我が物顔で歩き回っていた。
その中、発達した頭脳と科学力を持った種族【爬虫人類】が生まれた。
だが、彼等は突如として姿を消した。
宇宙から降り注いだ謎の放射線【ゲッター線】が現れた為である。
ゲッター線を浴びた恐竜は次々と死に絶えていき、爬虫人類は皆マグマの中へと逃げ延びていった。
そして、ゲッター線を浴びた猿人達は今の人類へと進化したといわれている。
それから現代。
遥か地下のマグマ層の中で、今爬虫人類が地上を取り戻そうと虎視眈々と計画を進めていた。

「いよいよ我等恐竜帝国が地上を取り戻し太陽をこの手に掴む時が来た! 思えばあの時ゲッター線が降り注いだが為に我等はこの遥か地下のマグマ層へと追いやられた。それも今日までだ! 地上に巣食う人間共を皆殺しにして我等の帝国を築き上げるのだ!」

玉座に立つ恐竜帝国の帝王ゴールが声を上げる。
それを聞いていた恐竜兵達が一斉に声を上げた。
彼等にとって地上を取り戻すのは悲願だったのだ。
白亜紀の頃より遥か地底に追いやられてから実に数億年。
遂に彼等恐竜帝国が動き出す時が来たのだ。

「帝王ゴール。一大事に御座います!」
「何だ?」
「地球のとある箇所で膨大なゲッター線が感知されました!」
「何? 何処だ其処は!」
「その場所は浅間山にある早乙女研究所であります!」




     ***




浅間山近辺にある学園、浅間山学園。
其処は毎年あらゆるスポーツで県大会、並びに全国大会に出場する部活が多く存在している。
そして、今甲児となのはは浅間山学園の中にあるサッカー部の見学をしていた。

「それにしても以外でしたよ。あの高町コーチに娘さんが居たなんて」
「そう言う達人だって立派なコーチをしてるじゃないか。俺としても鼻が高い限りだ」

浅間山学園サッカー部顧問の早乙女達人の隣でなのはの父士郎が楽しげに話していた。
達人はかつて父高町士郎にサッカーを教わっていた事があったのだ。
その為今でも士郎と達人の間には固い師弟関係が築かれている。
そして、今此処浅間学園でサッカーをしているのは達人が鍛え上げた自慢の生徒達だった。
その中の一人である流竜馬が突如飛翔するとサッカーボールをあさっての方向へと蹴り飛ばしたのだ。

「コラッ! ゴールは其処じゃないだろうが!」

立ち上がって怒鳴る達人。
だが、竜馬は大して気にしてない。
そんな竜馬が放ったボールの向った先には一人の少年が座っていた。
ハーモニカを吹き黄昏にふけっている少年に向かい飛んでいくボール。
誰もがそのボールが少年の後頭部を直撃する物と思えた時だった。
少年は突如宙返りしボールをけり返したのだ。
蹴り飛ばされたボールは真っ直ぐサッカーゴールへと飛んで行き、キーパーを吹き飛ばしてコートをぶち破ってしまったのだ。
その光景に唖然となる一同。
その中、竜馬が達人に近づいて進言した。

「あれが、神隼人です」
「何!? アイツがそうなのか」

驚きながらも達人は隼人を見る。
なのは達も隼人を見た。
だが、その視線を気にせず隼人はその場から立ち去ろうとした。
すると其処へ柔道着を着た生徒達が走ってきた。
浅間学園柔道部である。
そして、その先頭を走っていた一際大柄な少年が隼人の前にやってきた。

「おい隼人! 是非我等柔道部に入部してくれよ! お前が居てくれりゃ我等浅間学園の全国出場も夢じゃねぇんだ!」
「フッ、有象無象が群がって全国だと? ちゃんちゃらおかしいぜ」
「な、何だと!」

隼人のその言葉にその少年は激怒する。
そして、ガツッと隼人の襟首をつかみ挙げる。

「だったら食らって見やがれ! この俺が大雪山で編み出した必殺技! その名も【大雪山おろし】をぉぉ!」

隼人を軽々と持ち上げてそのまま遠心力を利用して振り回し、やがて空高く投げ飛ばしてしまった。
が、その中、隼人は空中で体勢を立て直し遥か上空にあったプールの飛び込み台で着地する。
明らかに人間技ではなかった。
その光景に一同は目から鱗状態だったりする。

「あら? あれは…」

そんな中、達人の妹であるミチルは地面に落ちた十字架を象ったペンダントを見つける。
どうやら隼人が身につけていた物らしい。
それを拾い上げるとミチルは隼人の下へと行く。

「隼人君、これ」

そっと差し出すミチル。
だが、隼人はそれを奪い返すように取り、そのまま何も言わずその場から去ってしまった。

「お礼も言わないなんて…大嫌い!」

隼人の背中に向ってそう言い放つミチル。
その頃、そんな光景を見せられていたなのはと甲児は正しく口をアングリと開けていた。

「し、信じられねぇ。此処は化け物学校か?」
「こ、甲児さん、それは失礼な言い方ですよぉ」

甲児の言い分になのはが異を唱える。
すると先ほどボールを蹴った竜馬が二人に近づいてきた。

「コーチ、この二人ってコーチの知り合いですか?」
「あぁ、彼女は高町なのはって言って、私が学生時代に指導してくれた高町コーチの娘さんだ。そしてその隣に居るのが兜甲児君。高町家とは遠い親戚みたいなものだ」

達人が二人を紹介する。
すると竜馬は眩しい笑顔で二人に手を差し出した。

「流竜馬です。今日はわざわざ遠い所までご苦労様です」
「兜甲児だ。あんた中々やるなぁ」
「高町なのはです。竜馬さんサッカー頑張って下さいね」

3人は互いに挨拶して握手を交わした。
すると、達人は腕時計に目を通す。

「おっと、もうこんな時間かぁ」
「ん? どうしたんだ達人」
「えぇ、実はこの後父さんが長年研究していた成果の実施テストがあるんでしてそれに行かないといけないんですよ」
「おぉ、とうとうあれが完成したんだな!」

士郎は大喜びで達人の肩を叩いた。
達人の父である早乙女博士は地球に降り注いでいる謎の放射線である【ゲッター線】を発見したのだ。
そのゲッター線は太古の昔に恐竜を絶滅させ、猿達を人類に進化させたと言われているのだ。
そして、その放射線を研究した早乙女博士はゲッター線を動力源としたロボットを作ったのだ。
このロボットが完成した暁にはそれを使って宇宙開発に用いるつもりなのだ。
そして、今日はその試験運用の日なのだ。

「そうか、頑張れよ達人。俺も見に行きたいんだが、実はこの後店の仕込みがあってすぐに帰らないといけないんだ」
「そうですか、また後程お見せしますよ」
「あぁ、楽しみにしてる」

士郎と達人は握手を交わす。
そしてその後になのはを見た。

「なのは、父さんはこの後帰るけど、お前はどうする? そのロボットを見て行くか?」
「うん、私見てみたいから残るね」
「分かった、甲児君、悪いけどなのはの送り迎え頼めるかい?」
「任せて下さい」

甲児は笑顔で引き受けてくれた。
それに安堵した士郎が一人急ぎ足で帰って行った。

「さて、そうと決まったら早速移動だ。甲児君、場所は分かるかい?」
「たはは、俺此処に来るのって初めてですからまだ土地勘がなくて…」

頭を搔きながら苦笑いする甲児。

「だったら俺が案内しますよ」

名乗りを上げたのは竜馬だった。
どうやら彼も誘いを受けた口らしい。

「お、そりゃ良いぜ。頼むな」
「あぁ、それじゃバイクを取ってくるよ」

そう言って竜馬は校舎に止めてあるバイクを取りに走っていった。
残った甲児となのはが達人とミチルに質問していた。

「なぁ、そのゲッピー線ってなんだ?」
「甲児さん、ゲッター線ですよぉ」
「そうそう、それそれ」

甲児のボケは毎度の事であった。
そんな甲児に笑いながらも達人が説明する。

「詳しくはまだ分かってないんだ。だけど、あのゲッター線が降り注いだお陰で、恐竜は絶滅して人類が誕生したと言う説があるんだよ」
「へぇ、凄いんだなぁゲッター線って」

心底そう思う甲児だった。
勿論なのはも感心していた。
恐竜の後に人類が誕生したと言うのは知っていたがまさか其処にそんな真相があったとは驚きだった。




     ***




場所は変わり、此処は浅間山山中に建設された早乙女研究所。
その中に甲児となのは、そして竜馬は招かれていた。

「ようこそ、私がゲッター線を研究している早乙女じゃ」

そう言って現れたのはとても研究者とは思えない井出達をした男だった。
無精ひげに水玉模様の派手なネクタイに、膝小僧がギリギリ見える位のズボンに下駄とかなりだらしない格好であった。
それを見た甲児となのはは唖然としていた。

「もう、お父様ったら! ちょっとはちゃんとした格好をして下さいよ。それじゃ良い笑いものだわ!」
「いやぁすまんなぁ。どうしてもこの格好の方が楽でなぁ」

ミチルに怒られながらも豪快に笑い飛ばす早乙女博士。

(ねぇ、甲児さん。弓教授とは大違いですね)
(あ、あぁ…研究者って言うからてっきりお爺ちゃんや先生と同じかと思ってたんだが…世の中って広いんだなぁ)

ヒソヒソと耳打ちしあう甲児となのは。
すると、早乙女博士が二人に目を向ける。
ビクッと肩を震わせる二人。
ばれたか? と思ったがその悩みは稀有であった。

「おぉ、君達かね? 達人が連れてきた客人と言うのは」
「どうも、僕は兜甲児と言います」
「始めまして、高町なのはです」

なのはと甲児は自己紹介した。

「高町? あぁ、あの士郎君の娘かね。確かに桃子さんに良く似てて可愛らしい子じゃないか」
「まぁお父様ったら、ミチルには一言もそんな事言ってくれなかったのに」
「お、おいミチル…」

途端にヘソを曲げだしたミチルに苦笑いを浮かべる早乙女博士。
そして豪快に笑いが飛び交う研究所内。
すると中央のテーブルから発信音が響いた。
早乙女博士が急ぎ其処に向かいマイクを手に取る。
目の前のモニターに映ったのはパイロットスーツを身に纏った達人であった。

「父さん、イーグル号、ジャガー号、ベアー号それぞれ合体準備完了しました」
「よし、直ちにゲッター1、ゲッター2、ゲッター3の三段階変形を開始しなさい」

早乙女博士が命じると達人は頷いた。

「あの早乙女博士。あの三機のマシンは合体するんですか?」
「それだけじゃないよ甲児君。あの三機のマシンは合体する順番を変える事により陸、空、海の三つの場所に応じて作業が出来る三形態に合体変形が出来るんだ」
「すげぇ…」

それが正直な感想であった。
マジンガーの性能ではまだ陸と海位しか行けない。
だが、目の前で飛行している三機のマシンは合体する順序を変えればどんな場所でも適応出来ると言うのだ。
正しくマジンガーZに並ぶスーパーロボットとも呼べた。
そんな中、巨大モニターの映像に映る三機のマシンが縦一列に並び、その後一つに合わさる。
するとその姿は忽ち一体のロボットとなる。
背中にマントを生やし、顔には二本の角を生やした空中戦に特化したゲッター1となったのだ。

「すげぇ! マジでロボットになっちまったぁ!」

目を輝かせてそれを見ている甲児。
其処はまだヤンチャなようだ。
勿論見ていたなのはも同じように目を輝かせていた。
全く凄い科学技術である。
伸縮自在のゲッター合金だからこそ成せる業でもある。

「父さん、ゲッター1の合体訓練完了しました。続いて、ゲッター2の合体訓練に移行します」

達人がそう言うと、ゲッター1は再び三機のマシンに分離した。
続いて、今度はジャガー号、ベアー号、イーグル号の順に一列二次並び、合体した。
細身のボディに右手にドリル、左手にはパワーアームを搭載したゲッター2が完成したのだ。
ゲッター2は右手のドリルを使い地面を豆腐の様に掘り進んでいく。
固い岩盤などもゲッター2に掛かれば問題なく進める。
やがて、地面から飛び出したゲッター2が再び分離する。
今度はベアー号、イーグル号、ジャガー号の順に合体する。
水中戦に特化したゲッター3である。
この形態は他の2体とは違い下半身がキャタピラとなっているのだ。
しかもパワーが段違いに高い。
巨大な岩を軽々と持ち上げて投げ飛ばしてしまった。
その光景を見て研究員達は勿論早乙女博士も満足気であった。

「凄い、これだけのロボットなら早乙女博士の夢の宇宙開発も問題ありませんね!」
「うむ、ワシにとって長年の夢なんじゃ。これが実現すれば、人類は宇宙へと進出出来る。それこそワシの生涯を掛けた夢なんじゃ!」

拳を握り締めて早乙女博士は力説する。
それを見ていた甲児もなのはも圧倒されっぱなしであった。
凄い事を考えていたのだ。
人類が宇宙に進出する。
それは今まで夢物語とばかりに思っていた。
だが、それが今此処に実現し掛けている。
これが実現すればきっともっと多くの可能性が現れる筈だ。
皆の胸に壮大な期待が膨れ上がる。
その時だった。

「は、博士! 巨大な怪獣がゲッターロボに!」
「何じゃと!」

研究員の言葉に驚いた早乙女博士がモニターを見る。
其処にはゲッター3を押し倒して殴り続けている怪獣の姿があった。
機械獣ではない。
勿論ウルトラマンが倒してきた怪獣とも違う。
その外観はまるで恐竜であった。
白亜紀の頃に地上を練り歩いていた巨大な爬虫類の怪物。
その恐竜の体の各所には機械のパーツらしき物が埋め込まれておりその恐竜を更にパワーアップさせている。
その恐竜がゲッターロボを押し倒していたのだ。

「な、何だよアイツは!」
「いかん、達人! すぐに逃げろ!」

甲児は怒りの感情むき出しとなり、早乙女博士が焦った感情でマイクを握り締める。
このままではあのゲッターロボが危ない。

「こうしちゃ居られないぜ! すぐにマジンガーZで追っ払ってやらぁ!」
「あ、私も行きます!」
「え? ちょっと、なのはちゃん!」

呼び止めるミチルの声も聞かず、甲児となのはは走り出した。
そして研究所の外に出ると甲児はアースラに通信を送りパイルダーを呼び出す。
そのパイルダーに飛び乗ると直ちに現場へと急行した。
其処ではゲッターロボが成す術もなく倒されている場面があった。

「駄目だ! ここはゲッター1になって空中に逃げるしかない!」

達人はそう言って直ちに分離して上空でゲッター1に合体しようとする。
だが、其処へ怪獣の口から放たれたミサイルが命中した。
ジャガー号とベアー号は爆散し、イーグル号もまた爆炎を巻き上げながら地面に激突し、その後爆発してしまった。

「そ、そんな…達人さん…」
「野郎…もう許せねぇ!」

なのはは涙を流し、甲児は激怒した。
そして、Zを呼び出し合体する。
なのはもレイジングハートを起動させてバリアジャケットを身に纏い戦闘態勢を取る。
怪獣がZを見ると両手を振り上げて雄叫びを挙げる。
それに張り合うかの様にZもまた両手を振り上げた。

「来やがれ怪獣野郎! てめぇ何ざこのマジンガーZが叩き潰してやらぁ!」

怒りを動力源に甲児とマジンガーZは大地を駆ける。
目の前に居る怪獣目掛けて鉄拳を叩き込んだ。
顔面を殴られた怪獣は数歩よたつく。
が、すぐに持ち直しカウンターにと爪を突き出してきた。

「食らうか!」

それを片手で払いのけた後柔らかい胴体目掛けて膝蹴りを叩き込んだ。
鳩尾に決まったのか苦しそうに腹を押さえる。
そんな怪獣に向かい拳を叩き込もうとした。
が、其処へ飛び込んできたのは太い尻尾の一撃であった。

「ぐあっ!」

横っ腹に諸にそれを食らったZが地面に転がる。
其処へ怪獣が牙を突き出して来た。
だが、そんな怪獣の背中に何かが当たり爆発した。
放ったのはなのはのアクセルシューターであった。

「甲児さん! 今の内に!」
「サンキューなのは!」

倒れたままの状態でZは怪獣の方を向く。
胸の放熱板が真っ赤に光りだす。

「食らいやがれ怪獣野郎! 達人さんの仇だぁぁ!」

叫びと共にブレストファイヤーが放たれた。
ブレストファイヤーを浴びた怪獣は忽ちドロドロに溶けてしまいその後液状となり二度と起き上がる事はなくなった。

「へっ、ざまぁ見やがれ!」
「やりましたね、甲児さん!」

怪獣を葬りホッとなる二人。
だが、その直後Zの周囲から更に2体の怪獣が現れた。
トリケラトプスの怪獣とブロントサウルスの怪獣が現れた。

「まだ来るのかよ!」

1対2と言う状況に追い込まれるZ。

「甲児さん! 今援護します!」

上空に居たなのはが砲撃しようとした時、突如上空から奇声が聞こえてきた。
見ると上空には更にプテラノドンの姿をした怪獣が現れたのだ。
プテラノドンの怪獣はなのはを標的と定めたのか鋭い嘴を突き出してくる。
人間サイズが怪獣の嘴など食らえばひとたまりも無い。
例えバリアジャケットを纏っていたとしてもそれごと引き千切られてしまうからだ。

「畜生! 3体一気に来やがったのかよ!」

愚痴る甲児を前に二体の怪獣が殺気の混じった目線をぶつけていた。




     ***




マジンガーZとなのはの苦戦している映像は早乙女研究所からも見られていた。

「お父様、このままじゃ甲児君となのはちゃんがやられてしまうわ!」
「じゃが、わし等にはどうする事もできん…悔しい事じゃが」

ミチルの声を聞きながらも早乙女博士は苦しそうに唸る事しか出来なかった。

「博士、ゲッターロボはあの1体だけなんですか?」
「嫌、実はもう一体ある。開発用ではなく、戦闘用に改良したゲッターロボが」
「それだ! それを使いましょう!」
「じゃが、乗り手がおらん。唯一居た乗り手も皆死んでしまった」

ロボットが居てもパイロットが居なくては意味がない。
それは何時の時代も同じ事であった。

「後二人居れば良いんですね? だったらすぐに連れてきますよ」
「後二人じゃと? まさか竜馬君」
「乗ります! コーチを殺した奴等を倒さないと俺の気が納まらないんです!」
「無理じゃ! ゲッターロボの操縦はかなりの難易度を誇るんじゃ! 達人でさえマスターするのに1ヶ月掛かったんじゃぞ! 素人の君に出来る筈がない!」
「やってみなければ分かりませんよ! すぐに乗り手を集めましょう!」


ダンと机を叩く竜馬の気迫に押されたのか早乙女博士は力なく頷く。
それを見た竜馬が直ちに部屋を出ようとした時、扉の前に二人の男の姿があった。

「お、お前たち!」
「よぉ、何処行く気なんだ?」
「こっちは準備万端だぜぇ!」
「隼人! 武蔵! どうしてお前たちが?」

其処にいたのは自前のパイロットスーツを着込んだ隼人と剣道の防具と工事用ヘルメットを被った武蔵が居た。

「早乙女研究所とミチルちゃんのピンチなんだ! 男巴武蔵が行かなくてどうするってんだ!」
「フッ、俺はボインちゃんが大好きなのさ」
「お前等…よし、行こう!」

3人は直ちに格納されていたゲットマシンに乗り込む。
赤いイーグル号には竜馬が。
白いジャガー号には隼人が。
黄色いベアー号には武蔵が。
それぞれ乗り込む。

「良いか隼人、武蔵、まずはゲッター1で空中の敵を片付ける! その後に残りの二体を倒すぞ!」
「分かったぜ」
「任せろぃ!」

満場一致した後、三機のマシンのエンジンに火が灯る。

「ゲットマシン、発進!」

竜馬の声と共に三機のマシンが発進する。
研究所内に設置された滑走路を高速で駆け抜けて外へと飛び出す。
三機のマシンが今大空へと羽ばたいていく。

「隼人、武蔵、ゲッター1に合体するぞ!」
「了解だ」
「えぇっと、まぁ良いか。了解だぜぇ!」
「行くぞ、チェンジ! ゲッター1、スウィィッチオォォン!」

雄叫びと共に三機のマシンが合体し一体のロボットとなった。
空中戦用のゲッター1である。

「行くぞ、ゲッターウィング!」

背中のマントを展開させて空を駆ける。
見えてきたのは二体の怪獣に苦戦するマジンガーZとプテラノドン型の怪獣に追い回されているなのはであった。

「なのはちゃん、すぐ助けるぞ! ゲッタートマホーク!」

肩の突起から現れた一本の斧を手に取り怪獣へと切りかかった。
なのはにだけ神経が行っていた為突如現れたゲッターへの対応が一瞬遅れてしまい、その為脳天から真っ二つに切り裂かれてしまった。
切り裂かれた怪獣が爆発する。

「大丈夫かい? なのはちゃん」
「その声、竜馬さんなんですか?」
「そうだよ、俺達は今戦闘用のゲッターロボに乗ってるんだ。さぁ、あいつ等を叩きのめそう! コーチの敵討ちだ」
「うん!」

頷き、なのはは眼下に映る二体の怪獣を見た。

「リョウ、地上なら俺に任せろ!」
「分かった。オープンゲット!」

ゲッター1から三機のマシンへと分離する。
そしてまた一つに合わさりに行く。

「チェンジゲッター2! スイッチオン!」

隼人の掛け声と共に三機のマシンが合体し、地上戦用のゲッター2となる。
ゲッター2はトリケラトプス型の怪獣目掛けてドリルを突き出す。
回転するドリルは怪獣のどてっぱらを貫き爆発させる。

「フッ、大した事ない奴等だぜ」
「油断するのはまだ早いぞ隼人! 武蔵、次はお前がやれ」
「えぇぇ! お、俺がやるのかよぉぉぉ!」

いきなり弱気になりだす武蔵。
一体どうしたのかと疑問に感じる二人が居た。

「一体どうしたんだよ武蔵?」
「おおお、俺トカゲが苦手なんだよぉぉ! おおお、降ろしてくれぇぇぇ!」
「はぁ? 何言ってるんだよ」

まさかの事実であった。
が、今更そんな事言ってられない。

「しょうがねぇなぁ。お前は其処で震えてろ。隼人、俺達だけでやるぞ」
「リョウ、どうやらその必要は無さそうだぜ」

隼人が見る前では残り一体となったブロントサウルスの怪獣の首を引き千切るZの姿があった。
首のなくなった怪獣に向かいロケットパンチを叩き込む。
胴体に風穴を開けられ、この怪獣もまた爆発してしまった。
辺りには爆発した怪獣の残骸が散らばる。

「ふぅ、どうにか勝ったぜ」

額の汗を拭いながら甲児は言う。
だが、素直に喜べない勝利であった。

「コーチ…仇は…取りましたよ」

竜馬の目の前には達人の乗っていたプロトイーグル号の残骸が散らばっていた。
それを見て竜馬は涙を流していた。
恩師との別れである。

「達人さん…」
「畜生…胸糞悪いぜ」

なのはもまた同じように涙を流していた。
幼い少女にとって人の死はとても重くその心に突き刺さるのであった。




     ***




「え? 一緒に行けないんですか?」

戦闘が終わった後、ゲッターチームをアースラへと導こうとしたなのはだったが、その提案は以外な理由で先送りとなった。

「悪いな、なのはちゃん。武蔵がトカゲが嫌いみたいなんだ。それを克服しないとこれから先あのメカザウルスと戦う事になった時に足手まといになっちまう」
「メカザウルス?」
「さっき戦った怪獣の事さ。メカが混じった怪獣だからメカザウルスさ」

成る程、確かに的を射ている。
そうなのはは思えた。
かくして、なのはと甲児はゲッターチームに分かれを告げ、一足先にアースラへと帰還するのであった。





     つづく 
 

 
後書き

次回予告

少女は湖で運命的な再会を果たす。
青年は大切な物を奪われてしまった。
お互いの思惑を胸に湖へと集う。
しかし其処にもまた遥か彼方から飛来してきた悪の目があった。

次回【湖の秘密】

お楽しみに 
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