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スーパーヒーロー戦記

作者:sibugaki
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第1話 不思議な出会い

詳しい時代は分かっていないが、少なくとも今からそう遠くない未来のお話をしよう。


其処は今私たちが住んでいる星と全く同じ星。
その星の名は太陽系第3惑星、地球と言います。


え? 何処が違うんだ! ですって?


確かに星は一緒です。
ですが、その星で起こる出来事は恐らく、決して私達の世界では起きない出来事だからです。
いうなれば、このお話はフィクションなのです。
ですので、そのお話を楽しむのは結構ですが、間違っても本気にして世間様にご迷惑になるような行為はお控え下さい。
そんな事をしても私は一切責任を持ちませんので。


長々と失礼しました。
それでは、お話をするとしましょう。





     ***





地球には、今一つの組織が誕生した。
その組織の名は「国際平和連合」
この組織の誕生により人類は平和への一歩を踏み出したのだ。
誰もが永遠に続くと思った平和。
しかし、その思いは脆くも崩れ去ろうとしていました。
そう、宇宙は広いのです。
その宇宙の中には、私達を脅かす脅威も存在しています。
ですが、皆さんご安心下さい。
人類は無力では御座いません。
ご覧下さい。
あそこに見える光景を。


今、一つの巨大な脅威に対し多くの希望達が敢然と戦いを挑んでいます。
その希望達は皆様々な姿をしていました。


ある物はビルよりも大きな体を持ち様々な光線を腕から発し敵を打ち砕く光輝く巨人。


ある物は全身を鋼の鎧で身を包み、内には数多くの武器を内臓した鋼の巨人。


ある物は人の中に眠る潜在的力を駆使し、自分の何倍もの大きさの脅威に敢然と立ち向かう若き少年少女達。


それらが力を合わせて巨大な脅威と戦いを挑んでいるのです。
さて、この戦いの結末なのですが…その前に皆様にはお話しましょう。


この希望達が出会うまでの経緯を―――




     ***




夜の湖、人の姿は無く、水辺には止められたボートが波に揺られて静かに揺れている。
周囲に木々は風に揺られて葉のこすれる音を発している。
そして、空には満点の星の数々と巨大な満月が辺りを照らしている。とても静かな夜だった。
だが、そんな静けさを壊すかの様に激しい音が発せられました。湖の岸辺では一人の少年が居ました。
その少年の目の前では人ならざる者が赤い目をギラつかせて少年を見ていました。
「お前は此処に居ちゃいけない存在なんだ!」
少年がそう言い懐から赤い玉を取り出しました。何かを呟きだす少年。
すると赤い玉から眩い光が発せられた。
その光は目の前の人ならざる者に辺りその体を引き裂いていく。
その中から現れたのは蒼く光り輝く一つの結晶石であった。
月夜に照らされて尚一層蒼い光を発する結晶石。
 しかし、その直後、周囲に散らばった人ならざる者の体が青い結晶石を覆い尽くすように纏っていき、再び人ならざる者となった。
「だ、駄目だ…僕じゃ、これを扱いきれない」
 傷ついた肩口を抑えて荒い息を立てながら少年は悔しそうに呟いた。
 それでも再び赤い玉を使おうと手を翳したその時、人ならざる者が動いた。
 突如自分の体を細かく分裂させて弾丸の如く少年に向けてぶつけてきたのだ。少年は必死にそれを避ける。
 その度に岸辺には巨大な穴が開き、止まっていたボートは貫通され、建物は破壊されていった。
 少年は木々の方へ向かい駆け出す。
 そんな少年を追いかけて先ほどの弾丸が一つに纏まり先ほどの姿となって追いかける。
 どれくらいか走った辺りで少年は再び赤い玉を翳した。
 そして、先ほどのと同じように呟きまた光を発する。だが、今度はその光で人ならざる者は分裂せず、そのまま突っ込んできた。
 少年は跳ね飛ばされた。幼いその体が風に舞い上がった木の葉の如く宙を舞い、やがて地面に激突した。
 倒れて動かなくなった少年を見て人ならざる者は満足したのかその場を去っていく。
 その光景を少年は薄れ行く意識の中見ていた。
「に、逃げられた…お、追いかけ…ないと」
 それを最後に少年の意識は途絶えた。少年の体を淡い光が包み込み、やがてその姿を変えていく。
 光が晴れた時、其処に居たのは一匹の小動物であった。
 姿からしてフェレットだと思われる。
 そのフェレットのすぐ横には例の赤い玉が落ちていた。
【誰か…誰か、助けて下さい…誰か、僕の声を…】
 動けない体のまま少年は声にならない叫びを発する。
 しかし、その声に応える者など居らず、無数の木々が唯風に揺らめくだけであった。




     ***




 朝日が差し込む中、高町なのはは鳴り響く携帯の音に目覚める。
 おぼつかない手の動きで携帯を掴みスイッチを切る。
 掛け布団を押しのけて体を起こし両手を天井に向けて突き上げる。
「何か、変な夢…見たなぁ」
 ふと、誰も居ない部屋でそう呟く。
 どうやら余程変な夢でも見たのだろう。
 どんな内容かは残念ながらプライベートなので読者一同には分からないのだが。
 少なくとも良い夢でない事は彼女のその発言から分かると思われる。
「…起きよう」
 幾ら考えても答えなど出る筈もない。とりあえず起きる事にした。
 ベットから身を乗り出し、洗面所で顔を洗い、寝巻きを洗濯籠に入れて制服を着る。
 鏡の前でニッコリ笑顔を作り準備を終え、なのはは家族の待つ居間へ向かった。
「おはよう」
 部屋に入るなりなのはがそう言う。
 部屋には今、父の士郎と母の桃子が居た。
 父の士郎は新聞を読みながら机に座っており、母の桃子はいそいそと朝食の支度をしている。
「あ、おはよう、なのは。一人で起きられたんだね」
 母の桃子がなのはに笑顔でそう言う。
「おはよう。一人で起きられたな。偉いぞ」
 新聞紙を目の前から退けて父の士郎もなのはに笑顔で言う。
 そんな二人に笑顔でなのはは返し席につく。
「そう言えば、お兄ちゃんとお姉ちゃんは?」
「恭也と美由紀なら道場で稽古中だ。多分もう戻って来る頃だろうな―――」
 そう士郎が呟いていた時だった。噂をすればその二人がやってきた。
 兄の恭也と姉の美由紀の二人だ。二人とも首にタオルを巻き流れ出る汗を拭っている。相当鍛錬をしていたのだろう。
 そんな二人が同じように席につく。
 目の前には母桃子が用意したであろう朝食が用意されていた。ボールに入れられた色取り豊かなサラダにトースト。そしてカリカリに焼かれたベーコンと目玉焼きと朝を始めるには丁度よい内容でもあった。
「いただきます」
 一同は手を合わせてそう言い、食事を始める。
 その間、兄の恭也が姉の美由紀の制服のリボンを直したり。前では父の士郎と母の桃子が互いに笑い会っている。
 なのはは、何故か家族の中で自分だけが浮いた存在なのでは…と苦笑いでその光景を見ていたのでだった。




     ***




 朝食を終え、何時もの用に通学バスに乗り、何時もの様に友達と何気ない会話や将来の話をしたり、何時もの様に学校の授業を受ける。代わり映えの無い毎日が行われていた。
 そして、なのは自身もそんな代わり映えの無い毎日で終わるだろう。
 そう思っていた。その時だった。
【助けて…誰か、助けて…】
(今の声…夢の声と同じ!)
 声が聞こえた。夢で聞こえた声と同じ声だった。
 隣に居る友人であるアリサ・バニングスと月村すずかの顔色を伺ったのだが二人とも声が聞こえたようには見えない。恐らく聞こえたのは自分だけなのだろう。
 だが、何故?
 何故自分だけ聞こえるのか?
「どうして、私だけに聞こえたんだろう」
 誰にも聞こえない声で呟いた。
 そんな時だった。
【お願いします…助けて下さい】
 まただ、またあの声が聞こえてきた。
 声色や内容からして誰かが私に助けを求めてきている。だとしたら放って置く訳にはいかない。声のしたのは恐らくこの近くだ。なのはは急ぎ林の奥へ駆け込んでいく。
「ちょっと、どうしたよのなのはぁ!」
 友達のアリサが声を荒立てる。三人はこの後塾に向かう途中であった。
 しかも空は夕暮れ。急がないと遅刻確実だ。
「どうしたんだろう? なのは」
「しょうがないわねぇ」
 心配になるすずかに溜息をつきながらもアリサは頷き、すずかと共になのはの元に行く。林を抜けた場所は草地であった。
 その中になのはがしゃがみこんでいる。近づいてみてみると、其処には一匹の小動物と小さな赤い玉が落ちていた。
「怪我してるの?」
「どうしよう?」
 フェレットを抱かかえながら今にも泣き出しそうな顔でなのはは尋ねる。様子からしてかなり弱っているのが分かる。だが、自分達ではどうする事も出来ないのは事実だ。
 となればとるべき方法は一つだけだろう。
「とりあえず動物病院に連れて行きましょう。この近くにあった筈よ」
 アリサの言葉に二人は頷きこのフェレットを動物病院に連れて行く事にした。その間もフェレットは酷くグッタリしていた。
 フェレットを抱えて走る間、なのははフェレットの身を案じながら先ほど聞こえた声に異様な不安感と不思議な感覚を感じていた。




     ***




 フェレットを動物病院に連れて行った結果、どうやら命に別状はないとの事であった。それに安堵した三人だがその後別の問題が浮上した。
 それはそのフェレットをこれから誰が世話するかの事だ。
 塾の間相談していたのだが、生憎友人のアリサもすずかも家に犬や猫を飼っており、小動物であるフェレットを飼うのは難しいとの事であった。
 となると残りはなのはだけなのだが生憎なのはの家は喫茶店、即ち飲食業だ。この手の仕事は衛生管理に特に五月蝿い。
 もしかしたら駄目とか言われそうな気がした。
 だが、思っていたのとは裏腹に返答は良い返答であった。家族にそのフェレットの事を話したのだが思いの他好印象の様で、特に母や姉に居たっては大喜びであった。
 やはり女性は可愛い動物は好きなようだ。とりあえず一安心したなのはは自室に戻りベットの上に座った。
 これで安心、後は翌朝そのフェレットを引き取りに行けば良い。
 そう思っていた。
 その時だった。
【お願いです、助けて下さい…もう時間がありません!】
 また声が聞こえてきた。かなり焦っているようだ。
 何か危険な事に巻き込まれたのか?
 もしそうなら放っておけない。急ぎ部屋を出て玄関へ向かう。
 その間家族に見つかれば何を言われるか分かった物じゃない。出来る限り慎重に家を出た。
 夜の道を街頭の薄明かりが照らす中、なのはは必死に動物病院へ向かって走った。その間も助けを呼ぶ声がする。しかもその他に何か怪物のうめき声に似た声が聞こえてくる。これは尋常ならざる事態だ。
 急がなければ。





     ***




 動物病院に着いたなのはは己の目を疑った。
 目の前に広がっている光景はそれは現実では起こらない現象なのだ。
 目の前では巨大な毛むくじゃらの人ならざる物が助けたフェレットを追い回している。明らかにその人ならざる者からは不気味な気配が感じられる。
 大きさからして成人男性の約倍はある。鋭い眼光を放ち体を分裂させて弾丸の如くフェレット目掛けて飛ばしてくる。それを必死に避けて行くフェレット。そしてそのフェレットはなのはの元へ飛び込んできた。
「だ、大丈夫?」
「来てくれたんですね! 良かった…」
「え…」
 一瞬戸惑った後、なのはは驚愕した。フェレットが言葉を発している。普通ならありえないことだ。
 だが、その声には聞き覚えがあった。そうだ、夢で聞いたあの声だ。
「もしかして、私を呼んだのって…君なの?」
「僕の声が聞けたんですね。君には素質があるんだ」
「素質? 素質って一体なんなの?」
 訳が分からなかった。声が聞けた。素質がある。一体何の素質があるんだ?
 そう思っていた時だ、また人ならざる者が自身の体を分裂させてまた放ってきた。コンクリートの床や壁をぶちぬき、電柱を倒してしまう。
 余り時間はなさそうだ。
「お願いです。僕に力を貸して下さい! お礼は何時か必ずしますから!」
「お礼って言われても…どうすれば良いの?」
「これを…これを使って下さい」
 そう言ってフェレットが差し出したのは以前フェレットと一緒に落ちていた赤い玉であった。それをなのはの手元に置く。
「こ、これで…どうすれば良いの?」
「僕の言う通りに言葉を発して!」
 フェレットが言う。なのはも一語一句間違えないようにそれに集中する。
「いくよ。我、使命をうけしものなり」
「我、使命をうけしものなり」
 フェレットに続いてなのはが詠唱を行う。
『契約のもとその力を解き放て』
『風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に』
『この手に魔法を! レイジングハートセットアップ!』
 詠唱を終えて赤い玉を掲げる。すると赤い玉から眩い光が発せられなのはを包み込む。
「な、何これ!」
「落ち着いて! それは君に力を与えてくれるんだ。イメージして。君の、戦う姿を」
 フェレットの言うままになのはは自分の戦う姿を思い浮かべる。
 すると、光がなのはの体に纏わり、その衣服を変えていく。白を基調とした服、バリアジャケットに身を包み赤い玉は長い杖にその姿を変えていた。
「え? えええぇぇぇぇぇぇぇ! 何これぇ!」
「落ち着いて! その姿の君ならあれと互角以上に戦えるから」
「そ、そんな事言ったってえええええ!」
 目の前には無数の弾丸状になった人ならざる者が迫ってくる。とてもそれで落ち着いてなど居られる筈がない。
【マスター、落ち着いて下さい。貴方が負ける事はありません】
「へ?」
【貴方の魔力は彼より遥かに上です。決して負けません。私がサポートしますので共に戦いましょう】
 声はなのはが持っている杖からした。まさか杖に自我があるとは。正直驚きだった。
 だが、今はそんな事気にしてられない。
「よ、よろしくお願いします」
【分かりました。まずは相手の動きをよく見て下さい。必ず一つに纏まる時が来ます。その時になったら私を奴らに向けて引き金を引いて下さい】
「は、はい!」
 杖に言われるがまま、とにかくなのはは避けまくった。弾丸の如く人ならざる者が迫ってきているのだが不思議と全く当たらないのだ。
 それにはなのは自身も大層驚かされた。
 やがて、人ならざる者は業を煮やしたのか辺りに散らばった体を一箇所に集めて一つの集合体になる。杖が待っていたのは正にその瞬間だった。
【今です!】
「いっけええええええええ!」
 叫び杖に設置された引き金を引いた。すると杖の穂先から桜色の光が発せられる。
 反動でなのはは吹っ飛んでしまうが光はまっすぐにその人ならざる者へと向かった。人ならざる者は合体の直後だった為に避けられずその光に直撃する。
 するとその体はバラバラに四散した後霧の如く消え去ってしまった。後に残ったのはその場に落ちていた蒼い結晶体だけである。
「か……勝ったの?」
【おめでとうございます。貴方はすばらしい素質があります】
「そ、そうかなぁ?」
【ですが、戦闘技能などはからっきしです。これでは見てて危なっかしい限りです】
「あ、あうぅ~」
 いい気分だったのが一気に下に突き落とされる感覚だった。
【ご安心を。貴方の戦闘技能は私がレクチャー致します。貴方に教わる意志がおありでしたら私がみっちり教えします】
「本当!? だったら、お願いします」
 杖に向かい頭を下げるなのは。其処へ先ほどのフェレットがやってきた。
「有難う。君のお陰で被害をどうにか抑える事が出来たよ」
「抑えたって……これで抑えたって言えるの?」
 辺りを見てなのはが呟く。辺りの光景はそれは悲惨な物であった。
 コンクリートの壁は穴だらけになり電柱は倒れており床には巨大なクレーターが出来上がっており病院に至ってはほぼ半壊状態だったりする。
 これで被害を抑えたと言えるのだろうか甚だ疑問でもあった。
「仕方ないんだ。あれを放っておいたらそれこそもっと酷い被害になってた筈なんだから」
「ね、ねぇ……あの毛むくじゃらは何だったの?」
「あれはロストロギアの一種なんだ。詳しいことは後で話すから、それよりも今はあれを」
「あれ―――」
 フェレットが見る方向には先ほどの人ならざる者の中にあったと思われる蒼い結晶体が落ちていた。それになのはは近づく。
 とても綺麗な青い宝石のようであった。思わず手に取りたくなったが、それをフェレットが遮った。
「手で触らないで! とても危険な物だから」
「わっ、そうなの?」
 慌てたようにフェレットが言う。
 そんなものだからなのはもかなり驚いてしまった。しかしそれほどまでにこれは危険な物なのだろうか?一見すると唯の綺麗な石にしか見えないのだが。
「どうすれば良いの?」
「レイジングハートで触れてみて」
 言われるがままにレイジングハートでその蒼い結晶体に触れてみる。
 すると、その結晶体は光の球となりレイジングハートの中に吸い込まれていく。
「これで一安心だよ」
「そ、そうなんだ」
 とりあえず一安心のようだ。だが、一難去ってまた一難とは今のような時に使われるようだ。
 先ほどの戦闘を聞きつけて救急隊やらパトカーやらがこちらに駆けつけてくるのが見える。恐らくこのまま此処に居てはかなり不味い事になりそうだ。そう悟ったなのははフェレットを連れて一目散にその場を後にした。
 何処へ向かったかは覚えていない。気がついたら近くの公園に来ていた。
「と、とりあえず……一安心だね」
「本当にごめんなさい……僕のせいで迷惑掛けてしまって」
「ねぇ、あれは一体何なの?」
「あの蒼い結晶体はジュエルシードと言ってロストロギアの一種なんだ」
 フェレットが説明してくれたのだが、やはり分からない。
 ジュエルシード? ロストロギア?
 聞いた事のない言葉ばかりが耳に入ってくる。それに、疑問はまだあった。あの時自分が使ったあの赤い球は一体何なのか?
 そして、何故あれを手にした途端自分はあの人ならざる者と戦えるようになったのだろうか?
「実は、あのジュエルシードがこの世界に来てしまったのは僕のせいなんだ」
「貴方のせい?」
「僕は元々遺跡は探索する一族の一人だったんだ。其処である遺跡の中で僕はあれを見つけたんだ。だけど護送中に輸送船が謎の爆発を起こして、そのせいで世界各地に散らばってしまったんだ」
 その後もそのフェレットからは様々な説明が行われた。
 とある遺跡で見つけた21個のジュエルシードを護送中に事故が発生し、それらが全てこの地球に散らばってしまったと言うのだ。その内2個は彼が回収したと言うが、今回で1個回収し、それでも残りはまだ18個もあると言う。
 気の遠くなる話だ。
「ねぇ、それじゃこの赤い球は何?」
【赤い球ではありません。私にはレイジングハートと言う名前があります】
「わ!」
 やはり驚く。何せいきなり赤い球が言葉を発するのだから。
 驚かない方がおかしいと言ったところだ。
「そ、それで……レイジングハート。貴方もあのロストロギアなの?」
【いえ、私はロストロギアではなくデバイスです。種別としてはインテリジェントデバイスに分類されます】
 また知らない言葉が発せられた。
 インテリジェントデバイス?
 一体何の事だろうか。
【私達デバイスはマスターである貴方のサポートを行う為に作られた物です。貴方に害は与えません】
「そ、そうだったよね。あの時も私の事助けてくれたし」
「でも、凄いよ君は。凄まじい魔力を持っているんだから」
【ですが、前にも言いましたが戦闘技能に関しては素人同然です】
「あうぅ、板ばさみって辛いよ~」
 片や彼女を褒めて、片や彼女を叱る。何とも忙しい板ばさみであった。
「君には本当に迷惑だと思える。だけど、1週間……嫌、三日だけで良いんだ。僕の魔力が回復し切るまでの間だけで良いんだ」
「でも、君一人じゃ大変でしょ? だったら私も手伝ってあげるよ」
「そ、そんな!」
「大丈夫。任せて! 二人で一緒に集めればきっと全部集められるよ」
 笑顔で言うなのは。
 そんななのはの笑顔を見てフェレットは少し頬を染め出した。何故小動物のフェレットが頬を染めるのかは疑問だったが此処は逢えて突っ込まないで置く。
「そう言えばまだ自己紹介してなかったね。私はなおのは。高町なのはって言うの」
「僕はユーノ・スクライア。スクライアは部族名だからユーノが名前になるんだ」
【私はレイジングハートと申します。これからマスターの技能向上に努めていきます】
 夜の公園の中二人と一機はそれぞれ自己紹介をした。
 だが、其処でなのははある事に気づく。それは、今が真夜中である事だ。
「あ、帰らないと!」
 急ぎユーノとレイジングハートを手に一路家路に向かうなのは。
 だが、この時彼女は知る由もない。この魔法との出会いが彼女の後々に訪れるとてつもない戦いの序章に過ぎないと言う事を―――




     つづく 
 

 
後書き
次回予告


魔法との出会いにより少女は戦いに身を投じていく。
その戦いに一人の少年と一体の魔神が加わる事になる。


次回「脅威のロボット誕生!」


お楽しみに 
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