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金木犀の許嫁

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第十六話 節度のある人その五

「もうね」
「最初からってことね」
「恋愛なんてしない」
「そう思うのね」
「無茶苦茶酷い話だからね」
 真昼は眉を曇らせて言った。
「自分があんな目に遭ったら」
「絶対にトラウマになるわよね」
「ただ振られただけじゃないから」
「降られ方も酷かったけれど」
「告白言った友達と思っていた人達はすぐに縁切って」
「周りから失恋のこと言われて」
「絶対にトラウマになるから」
 真昼もこう言った。
「それじゃあね」
「絶対によね」
「あんな目に遭いたくないわよね」
「それなら最初から恋愛なんかしない」
「そうすることね」
「遭ったら二度とね」
 それこそというのだ。
「したくないわ」
「そうよね」
「まあ振った人って性格最悪でね」
「周りも」
「滅茶苦茶嫌われてるし、今」
「縁切ったけしかけた人達もね」
「けしかけた人達陸上部にいるけれど」
 それでもとだ、真昼は話した。
「時々部活してるの見るけれど」
「私も見たわ、嫌われてるわね」
「人裏切った奴ってわかってるしね」
「誰も信頼しないわよね」
「好きにもならないわ」
「ええ、陸上部の人達も」
 同じ部の人達もというのだ。
「嫌ってるしね」
「誰も挨拶しないで無視してるわよ」
 陸上部にいる娘が言ってきた。
「そうしてるわ」
「そうなのね」
「ええ」 
 実際にというのだ。
「最低な連中だってね」
「皆知ってるから」
「自分達がけしかけてよ」
 告白する様にというのだ。
「それで自分達が言われそうになってね」
「それですぐに縁切るなら」
「友達をそうする人達ならね」
「好きになれないわね」
「自分も裏切られるしね」
「相手の都合が悪くなったら」
「友達だと思っても」
 それでもというのだ。
「そうしてくるから」
「それじゃあね」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「信頼しないし」
「嫌うわね」
「だから陸上部でもね」
「皆から嫌われてるのね」
「挨拶も去れないし無視してるわ」
「そうよね、見ていてもね」 
 それこそとだ、真昼も答えた。
「そんな感じだし」
「ええ、学年でもね」
「嫌われてるわね」
「人を平気で裏切るなら」
「信頼されないし」
「嫌われるわ」
 そうなるとだ、陸上部の娘は魔櫃に答えた。そして真昼はその話を聞いてクラスメイト達にあらためて話した。 
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