| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十六話 節度のある人その六

「恋愛って怖いわよね」
「そうした一面あるわね」
「その人のお話聞いてたら」
「幸い絶対に離れないお友達がいて」
「彼女さんも出来てね」
「それで助かったけれど」
 それでもというのだ。
「そんな目に遭うと思ったら」
「絶対に嫌ね」
「恋愛したくないわね」
「そう思うわよね」
「そうしたお話もあるし」
 真昼はそれでと強い声で言った。
「だからね」
「恋愛はいいのね」
「今は」
「そうなのね」
「そうも思うの。今はいいわ」 
 恋愛、それはというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「じゃあ今の生活を満喫するのね」
「暫くは」
「そうするのね」
「そうしてくわ」
 こう言うのだった、そしてだった。
 真昼は実際に自分の今の生活を満喫していこうと決意した、それを家でも言ったが夜空は真昼にこう返した。
「お姉ちゃんにも許嫁のお話が来ないかしら」
「来るの?」
「来たらどうするの?」
「夜空ちゃんに来たし」
「それならね」
 自分に来たならというのだ。
「お姉ちゃんにもね。むしろ妹の私に来て」
「姉の私になの」
「来ないなんて」
「おかしいっていうの」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「何かあるんじゃない?」
「何かって」
「だからお姉ちゃんにもね」
 真昼にもというのだ。
「こうしたお話が。私よりも色々ある」
「色々って」
「お相手の人が凄い人とかね」
「凄い人ね」
「そうじゃない?」
「凄い人って」
「具体的にはわからないけれど」
 それでもというのだ。
「立派な人がね」
「私の許嫁になるの」
「そうじゃないかしら」
「若しそうだとしたら」
 妹の言葉を受けてだ、真昼は考える顔になって応えた。
「その人は誰か」
「気になるわね」
「性格がね」 
 これがというのだ。
「いい人ならね」
「お姉ちゃんはいいわね」
「ええ」
 そうだと答えた。
「何と言ってもね」
「性格よね」
「お顔はね」
 これはというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧