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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその十二

「だからな」
「あちらからの侵入もですね」
「出来ない」
 そうだというのだ。
「出来るにしてもだ」
「かなり難しいですね」
「マウリアから入ることもな」
「入国チェックで、ですね」
「マウリア側の協力を密かに取り付けてもな」
 それでもというのだ。
「あの国にそれなりの数を送り込むことはな」
「工作員を」
「非常に難しい」 
 こちらもというのだ。
「マウリア人を工作員に仕掛ける方法もあるが」
「それもですね」
「これもな」
 どうしてもというのだ。
「完全に信頼を置けるか」
「そう考えますと」
「非常に難しいな」
「はい」
 由良もこう答えた。
「それは」
「連合の者でも相当な技量の工作員でも難しい」
 敵国で行動をさせることはというのだ。
「完全に信頼を置くことはな」
「その訓練の内容と技量を見ていても」
「敵国深くで単独行動をさせるにはな」
「それなのにですね」
「他国のそれも素人かも知れないだ」
「そうした人に任せることは」
「非常にと言うしかない」
 難しいと、というのだ。
「現実としてな」
「そしてプロの工作員は」
 マウリアのというのだ。
「正規の軍人かそうでなくても政府の所属だったりするので」
「まずだ」
 それこそというのだ。
「動かすことは出来ない」
「買収しても」
「若しことが露見すればリスクも大きい」
「連合がマウリアの者を買収して働かせていて」
「エウロパに対しての工作を行っていたなぞとわかれば」
 その時はというのだ。
「マウリアとの関係が決定的に悪化する」
「下手をすれば国交断絶ですね」
「そうなる」
 まさにというのだ。
「だからだ」
「このことはですね」
「やはり難しい」
 それも非常にというのだ。
「実際に社会に凄腕であらゆる仕事を受けるスナイパーはいない」
「あの漫画の様に」
「今もシリーズとして続いているが」 
 この作品もというのだ、二十世紀にはじまりこの時代においては連合中で描かれている作品の一つになっている。
「あの主人公の様な人物はな」
「実在しませんか」
「少なくとも私は知らない」
 八条は言い切った。
「中央政府国防長官でもな」
「国政の中心におられると言っていいですね」
「その立場にあるとしてもだ」
 それでもというのだ。
「その様な人物がいるとはな」
「聞いていないですね」
「いればだ」
 そのスナイパーの様な人物がというのだ。 
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