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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその十一

「いいからな」
「問題は踏破することですね」
「時間をかけてな、そしてその先にある新天地からだ」
「富を得て」
「彼等の力とするつもりだ」
「まさに大航海時代ですね」
「そして移住先もな」
 これもというのだ。
「将来のそれもだ」
「手に入れられますね」
「それも可能だ、まさに彼等にとってはな」
「暗黒宙域の踏破は大航海時代ですね」
「そうなる、大航海時代から欧州は発展し」
「エウロパもですね」
「そうなるだろうが」
 それでもとだ、八条は言った。
「我々はな」
「その彼等以上にですね」
「発展する、そして彼等を見ることもだ」
 このこともというのだ。
「忘れない」
「そうなのですね」
「そうすることだ、我々はもう二度と支配されない」
 八条は言い切った。
「植民地にもならなければだ」
「奴隷にもですね」
「ならない、エウロパは植民地とした土地の文化を破壊してだ」
「そこにいた人達を奴隷にしました」
「そうした多くの惨劇を生み出しましたが」
「もう二度とだ」
 そのことはというのだ。
「しない」
「左様ですね」
「その為に発展しながらな」
「エウロパを見て」
「その動向に注意してな」
「何かあればですね」
「手を打っていく」 
 その様にしていくというのだ。
「我々はな」
「そして二度と植民地にはならない」
「そうしていけばいい、しかし最近だ」
 八条はここでだった。
 由良に共に食べる様に目で言って彼を自分の向かいの席に座らせて共に無花果を食べる様にした。そして共に食べつつ話した。
「ギルフォード総統を失脚させるかだ」
「若しくはですか」
「暗殺をですか」
「言う人がいるな」
「ネット等で」
「それは無理だ」
 不可能だというのだ。
「連合ではな」
「それはですね」
「そうだ」
 由良にどうかという顔で話した。
「幾ら何でもな」
「国交がなく連合から見れば鎖国のあの国に人を送ることは」
「無理だ、エウロパがそうした様にバチカンルードで入ろうにもな」
「あの国は非常に入国チェックが厳しいです」
「アタチュルク星系から侵入させるにしても」
 かつてエウロパがニーベルング星系と呼んでいた要塞であるこの星系はというのだ。
「どうしてもな」
「あの星系との境も監視が厳重です」
「国境のそれがな」
「非武装地帯ですが」
「監視まで禁止は出来ない」
 これは無理だというのだ。 
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