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オズのヘンリーおじさん

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第十一幕その十一

「お醤油は欠かせないです」
「そういえば君は特にお醤油使うな」
「和食以外でもね」
「そうして食べてるな」
「そうね」
「それが一番美味しいので」
 恵梨香にとってです。
「そうさせてもらいます」
「恵梨香はそうね、私もお醤油嫌いじゃないけれど」
 それでもと言うドロシーでした。
「恵梨香の場合はね」
「欠かせないです」
「そうよね」
「お味噌もそうですが」
「そのお味噌よりもね」
「お醤油ですね」
 恵梨香も答えます。
「イタリアやスペインやギリシアの人達がオリーブオイルを使うよりも」
「日本人はお醤油を使っていて」
「欠かせなくなっています」
「それでお刺身にもお寿司にもね」
「お醤油です」
 絶対にという口調でした。
「ないとお話にならない位です」
「そうよね」
「港町にもお醤油がふんだんにありますね」
「和食のお店も多いからね」
「嬉しいです」
 何といってもというのです。
「本当に」
「そうなのね」
「はい、ただ」
「ただ?どうしたの?」
「私普通のお醤油は何でもないですが」
 恵梨香はドロシーにお話しました。
「しょっつるは中々慣れませんでした」
「そうだったの」
「最近まであの匂いが」
 どうしてもというのです。
「抵抗がありました」
「そうだったのね」
「はい」 
 こうドロシーに言うのでした。
「私は」
「しょっつる?何だいそれは」 
 おじさんは恵梨香とドロシーのお話にアヒージョの中の蛸を食べてから尋ねました、興味深そうにそうしました。
「はじめて聞くが」
「確かあれよ」
 おばさんがそのおじさんに横から言いました。
「ナムプラーと同じでね」
「ああ、魚から作るか」
「そのお醤油よ」
「そちらか」
「お醤油は大抵は大豆から作るけれど」
「お味噌と同じだな」
「けれどね」
 それがというのです。
「匂いがきついらしいのよ」
「そうなのか」
「だから恵梨香ちゃんもね」
「その匂いが駄目だったか」
「そうじゃないかしら」
「はい、そうなんです」
 恵梨香もその通りだと答えました。
「本当に」
「そうだったか」
「最近までそうだったのね」
「今は美味しいことがわかって」 
 それでというのです。 
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