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オズのヘンリーおじさん

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第十一幕その十二

「匂いにも慣れて」
「それでか」
「平気になったのね」
「そうなりました」
 こうお二人に答えました。
「私も」
「それは何よりだな」
 おじさんはここまで聞いて頷きました。
「やっぱりな」
「好き嫌いがないとですね」
「それで色々な食べものが楽しめたら」
 それならというのです。
「本当にだよ」
「それが何よりですね」
「そうだよ」 
 恵梨香に優しいお顔で答えました。
「わしもそう思うよ」
「本当にそうですね」
「私もそう思うわ、それにナムプラーとね」
 ドロシーはパンをアヒージョのオリーブオイルに漬けました、そうしてそのパンを食べてからお話しました。
「コリアンダーの組み合わせもね」
「美味しいですよね」
「タイ料理やベトナム料理だと」
「その二つがいいですね」
「どちらもね」
 ナムプラーもコリアンダーもというのです。
「どちらのお料理にも欠かせないわね」
「そうですよね」
「コリアンダーの香りはね」
「食欲をそそりますね」
「臭いって言う人はね」
 どうしてもというのです。
「いるけれど」
「それでも美味しいですね」
「ナムプラーもね」
「臭いって言うならもうね」
 オズマはそれこそと言いました。
「大蒜もチーズもね」
「どちらもよね」
「臭いわ、特にチーズでね」
 この食べものでというのです、皆が好きでよく食べるそれは。
「ウォッシュチーズなんてね」
「物凄い匂いよね」
「けれどね」
 それでもというのです。
「美味しいのよね」
「ウォッシュチーズもね」
「臭くても」
「美味しいのよね」
「これがね」
「わしはあのチーズ好きだよ」
 おじさんが笑顔で言ってきました。
「あの匂いがだよ」
「いいのよね」
「わしにとってはな」
「臭くても」
「その臭さがだよ」
 まさにそれがというのです。
「食欲をそそってな」
「いいのよね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「そう、匂いはね」
 これはと言うドロシーでした。
「その味を知れば」
「それでだね」
「臭いとはね」
 その様にというのです。
「感じないで」
「美味しい匂いと感じるな」
「そうよね、じゃあそのチーズも出す?」
 ウォッシュチーズもというのです。
「そうする?」
「いや、今はいいよ」
 おじさんは笑って断りました。
「今出ているチーズで充分だから」
「それでなのね」
「いいよ」
 こう言うのでした。
「今は」
「そう、じゃあね」
「パエリアとアヒージョをだね」
「チーズとね」
 こちらを言うのは忘れませんでした。
「皆で食べていきましょう」
「潜水艇の中で」
「珊瑚礁を観ながらね」
 こうお話します、そのうえでお食事も楽しみました。このこともおじさんとおばさんそして皆にとって素敵な体験になりました。 
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