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オズのヘンリーおじさん

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第十一幕その一

                第十一幕  珊瑚礁を見て
 夜空を列車で見た次の日は、でした。
「今日は海の底か」
「そこに行くのね」
「そう、そうしてね」
 ドロシーはおじさんとおばさんに答えました。
「そこの景色を観て楽しむのよ」
「そうするんだな」
「潜水艇に乗って」
「海の底が三百六十度球形で観られるから」
 その潜水艇の中ではというのです。
「だからね」
「もう見渡す限りか」
「景色も楽しめるのね」
「そうなの、潜水艇の中からね」 
 乗ったままでというです。
「それが出来るから」
「海の底なんてな」 
 おじさんはしみじみと思いました。
「観られるなんてな」
「夢みたいよ」
 おばさんも言いました。
「本当にね」
「全くだな」
「ええ、あんな場所はね」 
「行ける場所じゃなかったな」
「とてもね」
「浅い場所なら兎も角な」
「結構深い場所にも行くから」
 ドロシーはこう答えました。
「楽しみにしていてね。何ならね」
「何なら?」
「どうしたの?」
「深海にも行けるわよ」
 そちらにもというのです。
「潜水艇に乗ってね」
「深海か」
「そこまで行けるの」
「ええ、それでね」 
 そのうえでというのです。
「深海の生きものも観られるわ」
「凄いよ、深海の生きものって」
 トトもお二人に言いました。
「普通じゃ考えられないものばかりだから」
「オズの国でもか」
「そう言えるものなのね」
「そうだよ、よかったら行くよ」 
 その深海にもというのです。
「どうかな」
「それじゃあな」
「まずはね」 
 お二人もそれならと頷いてでした。
 まずは深海にと答えました、そうして実際に潜水艇に乗って深海に行きました。丁度港から出てすぐでした。
 深海に行く海のクレパスがあってそこを潜っていきますと。
「ああ、本当にな」
「凄い生きもの達が沢山いるわ」
 お二人は深海魚や他の深海の生きもの達を観て声をあげました。
「蟹や他の生きものも独特の形で」
「凄いな」
「トトの言う通りね」
「凄いものだな」
「そうでしょ、これが深海なの」
 まさにというのでした、ドロシーも。
「こうしてね」
「普通の海と違うか」
「そうなのね」
「そう、海であってもね」
 それでもというのです。
「場所が違うとね」
「こうした生きもの達がいてか」
「見どころがあるのね」
「そうなのよ、それで鮟鱇もね」
 前に食べたこのお魚もというのです。 
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