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オズのヘンリーおじさん

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第四幕その十

「皆はいつもね」
「幸せと感じるからなのね」
「幸せなのよ」
 そうだというのです。
「それでね」
「だからこそなのね」
「ええ、私もオズの国に最初からいる人達は不平不満は知らないけれど」
「かつてのラゲドーさんなんか凄かったわね」
「みたいね、私達はね」
「知らないから」
「どんなものか理解出来ないけれど」
 不平や不満がどういったものかです。
「あの人はね」
「もう不平不満ばかりだったわ」
「どうしてあそこまでね」
 まさにというのです。
「ああして嫌そうだったのか」
「わからなくて」
「ああだとね」
「幸せじゃないわね」
「そうでしょ」
「ええ、ノームの人達自体がね」
 ドロシーはかつての地下の人達のことを言いました。
「もうね」
「不平不満ばかりで」
「幸せにはね」
「思えなかったわね」
「とてもね」
「外の世界ですと」
 恵梨香が言ってきました。
「何があっても不平不満ばかりで」
「幸せじゃない人がいるのね」
「はい」
 オズマに答えました。
「どんなものを食べてもどんな本を読んでも何があっても」
「不平不満ばかりなの」
「文句と悪口ばかり言って」
 そしてというのです。
「幾ら好き勝手してもです」
「そんなことばかり言って」
「もう全然です」
 それこそというのです。
「幸せにはです」
「見えない人がいたのね」
「それで人相も」
 それもというのです。
「子供の頃のお写真見たら」
「今とは全然違うの」
「物凄く険しくて嫌そうな」
 そうしたというのです。
「人相にです」
「なっているのね」
「そんな人がいます」
「幸せを感じられない人ね」
「何があっても」
「自分が幸せだって感じられたら」
 オズマは恵梨香にも言いました。
「その人はね」
「幸せで」
「お二人もね」 
 おじさんもおばさんもというのです。
「凄くね」
「幸せな人達なんですね」
「いつもそう思えているから」
 だからだというのです。
「凄くね」
「そうですか」
「オズの国の中でもね」
「幸せと感じられたら幸せ、ですか」
 恵梨香は茹で卵を食べてです。
 それからカツとルーがかかったご飯を食べてそれで言いました。
「確かに私も今です」
「美味しいものを食べられてよね」
「はい」
 それでというのです。 
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