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オズのヘンリーおじさん

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第四幕その十一

「幸せです」
「そうよね、じゃあお二人にはもっとね」
「幸せを感じてもらって」
「幸せになってもらうわ」
 にこりと笑って言いました。
「是非ね」
「そうですか」
「幸せには終わりはなくて」
 そしてというのです。
「限度もね」
「ないですね」
「だからね」 
 そうしたものだからだというのです。
「この旅の間はね」
「道中でも港町でも」
「是非ね」
「どんどんですね」
「幸せを感じてもらうわ」
「そうね、それじゃあね」
 それならというのでした。
「ご飯の後はね」
「身体を奇麗にして」
「気持ちよくなってね」
 そうなってというのです。
「それからね」
「あらためてですね」
「ええ、テントの中でね」
「ぐっすりと寝ますね」
「寝られる人はね」 
 そうした身体の人はというのです。
「ぐっすりとね」
「寝ることも幸せですね」
「ぐっすり寝たら気持ちいいでしょ」
「はい」
 恵梨香は素直に答えました。
「本当に」
「だからね」
 それでというのです。
「寝ることもね」
「しますね」
「そして幸せを感じてもらって」
 オズマは言葉を続けました。
「私達自身もね」
「幸せを感じるんですね」
「一人が幸せになるのではなくて」
「皆がですね」
「幸せになってね」
 そうなってこそというのだ。
「オズの国であってね」
「いいことですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「だからですね」
「皆でね」
「お二人と一緒に」
「どんどん幸せになりましょう」
 恵梨香にサラダを食べてから言いました。
「今夜も。そして」
「これからも」
「是非ね」
「二人の昔ながらの質素さには驚くこともあるけれど」
 それでもと言うドロシーでした。
「けれどそれはね」
「悪いことじゃないね」
「ええ」
 トトに答えました。
「別にね」
「そうだよね」
「質素でも」
「それはそれでね」
「いいことだしね」
 それでというのです。 
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