夢幻水滸伝
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第三百三十六話 アリゾナのカウボーイその十
「まさにな」
「そうされて下さい、ただ」
ホワイトバファローは主の言葉に頷きつつこうも言った。
「ご主人様、ビールもいいですが」
「おいら今日はビールの気分やが」
「冷えますので」
それでというのだ。
「間もなくです」
「トイレ近くなるな」
「そこはお気をつけよ」
「それな、わかってるわ」
ホイットマンは笑顔で応えた。
「ビールは好きやが」
「どうしても冷えますね」
「そうしたお酒や」
「左様ですね」
「そのことを頭に入れてな」
そうしつつというのだ。
「飲んでるわ」
「それならいいです」
ホワイトバファローにしてもだ。
「飲まれて下さい」
「そうするな、あとな」
「あと、といいますと」
「お酒の飲み過ぎはよおないが」
このことはこの世界でも変わらない、アルコールというものがそうした性質のものであるので当然と言えば当然だ。
「ビールもで痛風がな」
「心配ですか」
「そや、これがな」
どうしてもというのだ。
「あるさかいな」
「それで、ですね」
「気を付けてな」
そのうえでというのだ。
「飲まんとな」
「いつも飲んではいけないですね」
「お酒自体がそやけどな」
「ビールも然りであって」
「肝臓にもよおないし」
「痛風もありますね」
「その痛風がな」
何と言ってもというのだ。
「怖いしな」
「痛風になっては何かと問題が出ます」
「あれやろ、足の親指の付け根がめっちゃ痛むんやろ」
「そこからはじまるそうですね」
「そよ風が当たってもな」
身体にだ。
「滅茶苦茶痛いそうで」
「苦しいそうですね」
「起きた世界の叔父さん、ファーザーの弟さんがなってな」
「苦しんでおられますか」
「ビールとソーセージと卵と生クリームが好きでな」
それでというのだ。
「特にビールでな」
「それで、ですか」
「おいらこの人の影響でビール好きになったけど」
「その方は痛風になられて」
「それで苦しんでるわ、アリゾナで肉屋やってるけど」
起きた世界のというのだ。
「兎に角今は痛風でな」
「苦しんでおられるのですね」
「泣く泣くビール止めてな」
そうしてというのだ。
「ワインを飲んでるわ」
「そちらですか」
「野菜もよおさん食べる様になって」
そうもしてというのだ。
「今はヘルシーにやってるわ」
「そうなのですね」
「そこも気を付けんとな」
ビールについてはというのだ。
「ほんまな」
「駄目ですね」
「ああ、ただ誰もがビールを好きなだけ飲める」
ここでホイットマンはこうも言った。
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