夢幻水滸伝
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第三百三十五話 ソルトレークシチー攻防戦その十二
「どないや」
「ほんま皆が迷惑しますね」
「世の中色々な奴がおるが」
「中には性悪もいますね」
「そうやさかいな」
こうしたことも考えられるからだというのだ。
「ほんまな」
「一人でも反対したらせえへんとかいうのはあきませんね」
ミニーがそれはと返した。
「絶対に」
「そや、あとな」
「あと?」
「皆が言うてる、全員同じ考えとかな」
「そう言う人もですね」
「気を付けるんや、他人の考えが完全にわかるか」
こう言うのだった。
「ちゃうやろ」
「それも大勢になると」
「そう言って自分の主張を押し通そうとする奴はな」
それこそというのだ。
「これはこれでな」
「要注意ですね」
「こうした奴の意見も警戒せんとな」
「政はやれへんですね」
「そや、しかしほんま一人が反対したらせえへんとか言ったらな」
「政は動かへんですね」
「絶対にな、あと一人のおかしな意見をや」
そう言っていい様な主張をというのだ。
「聞くこともな」
「あきませんね」
「教会の鐘の音が五月蠅いから鳴らすな」
トウェインは嫌悪と侮蔑に満ちた顔と目で語った。
「どっかのアホが言うてな」
「鐘が鳴らなくなったら」
「それが観光の名物やったり時間知らせるもんやったらな」
「困りますね」
「一人のアホの意見で皆が困る」
「最悪の状況ですね」
「少数派の意見を聞いて尊重するのも大事やが」
このことは事実であるがというのだ。
「しかしな」
「一人でも反対したらせえへんとか暴論を通すことはですね」
「ちゃうわ、全体を考えてや」
そのうえでというのだ。
「ほんまな」
「ことを進めるべきですね」
「そうせんとな」
「ええ政はできへんですね」
「ちょっと周り見てみるんや」
トウェインはこうも述べた、述べるその表情には今も嫌悪と軽蔑がある。そういった悪感情を見せて述べるのだった。
「めっちゃ性格悪い奴は一人はおるやろ」
「そうした奴は一人はいますね」
スタインベックがまさにと答えた。
「何処でも」
「起きた世界でもな」
「陸上部のあの二人とか」
「そや、それで皆を困らせる為にな」
「反対もですね」
「するんや、自分しかない奴もおるしな」
自己中心的な人物もというのだ。
「ほんまな」
「一人が反対したらせえへんとかいうのは」
「それでいったらあかんわ」
「あくまで全体を考えることですね」
「そや、まあそれがわからんとな」
そうでないと、というのだ。
「政はな」
「できへんですね」
「そうやろ」
バーボンのロックを飲みつつ言った。
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