夢幻水滸伝
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第三百三十五話 ソルトレークシチー攻防戦その十三
「自分等もわかるな」
「ええ、広く先を見て」
スタインベックは大きな牛肉にかぶりつき食い千切りそのうえで噛んで味わいながらトウェインに答えた。
「よお意見を聞いて」
「全体を考えるんや」
「そうして行うものですね、政は」
「そや、変な爺さんが五月蠅いとか言うて公園閉鎖したらな」
「周りが困りますね」
「その爺さんがこんな大事になるとはとか言うてもな」
そうしてもというのだ。
「爺さんのせいでや」
「皆が困りますね」
「こんな爺さんどうなろうと知ったことやないけどな」
「皆を考えてですね」
「夜騒ぐんは論外でもや」
「昼はええですね」
「そや、ほんま一人の暴論をや」
そうとしか言えないものをというのだ。
「認めたらあかんしな」
「一人の反対でせえへんというのも」
「あかん、やっぱり多数決でな」
それで以てというのだ。
「ことを進めるべきや」
「私達もそうですね」
ヘミングウェーは赤ワインを飲みつつ応えた。
「ほんまです」
「一人が反対してもな」
「他の人がええと言ったら」
「それでや」
「いいとしますね」
「何度も言うが満場一致とか一人でも反対したらとかな」
「それでいくとはですね」
「やったらあかん、百人おったら百人の考えがあって」
そうしてというのだ。
「利害関係もそれぞれや」
「それが世の中ですさかい」
「しかも何でも反対とか悪意持ってる奴とかもおる」
「そうした人の反対で全てが止まるとなると」
「何もよおならん」
「そうですね」
「そやから一人でも反対したらっていうのはな」
トウェインは言うのだった、彼は知らなかったがかつて東京の都知事であった美濃部亮吉がこんなことを言っていた、尚彼の都政で東京都は大赤字となった。
「具論の極みや」
「やるものやないですね」
「まともに政考えてるんやったら絶対にや」
何があろうともというのだ。
「やったらあかん」
「そうしたものですね」
「そや、ほんまな」
トウェインは強い声で言った、そしてだった。
バーベキューを楽しみ酒も飲んでデザートの果物に入った、そこでトウェインはホイットマン達に尋ねた。
「自分等戦になるまでどうやったんや」
「何をしていたかですか」
「この世界でな」
こうホイットマンに返した。
「どないしてたんや」
「そのことをお話すればええですか」
「三人のそれをな」
バーボンの残りを飲みつつ答えた。
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