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新オズの臆病ライオン

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第十一幕その九

「甘いものは外せないですね」
「甘いものも飲んで」
 ナターシャはクレープを食べています。
「そして食べないと足りないって思う位です」
「だから僕達もいただいています」
 カルロスはりんご飴を楽しんでいます。
「こうして」
「ええ、私も後で甘いお菓子いただくわ」
 ドロシーは五人にも答えました。
「そうさせてもらうわ」
「そうですか」
「じゃあ一緒に食べましょう」
「甘い食べものも」
「色々ありますけれど」
「その中から選んで」
「そうさせてもらうわ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「私も飲んでいるわ」
 ポリクロームは冷やしあめを飲みながら言いました。
「というか私は飲むだけだけれど」
「それでもなのね」
「ええ、飲んでね」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しんでいるわね」
「そうしているわ。色々な甘いものをね」
「今は冷やしあめを飲んでいるし」
「さっきはコーラを飲んでいたの」
 こちらの飲みものをというのです。
「コーラも好きだから」
「確かに美味しいわね」
「オズの国が外の世界に知られる様になった時はなかったわね」
 ポリクロームはドロシーに言いました。
「コーラは」
「そうだったわね」
 ドロシーも確かにと頷きました。
「あの頃は」
「そうだったわね」
「コーラとハンバーガーなんてね」
 そうした組み合わせはというのです。
「なかったわね」
「そうだったわね」
「そうしたことも変わったわね」
「オズの国もね」
「このテーマパークだって」 
 臆病ライオンはドロシーに周りを見回しつつ言いました。
「あの頃は夢にもね」
「こうした場所で楽しめるなんてね」
「思わなかったね」
「そうよね」
「テーマパークってそれ自体がね」
「お伽の国よね」
「お伽の国の中のお伽の国よね」
 笑顔で、です。臆病ライオンは言いました。
「テーマパークって」
「ええ、そう思える場所だから」
 ドロシーはそれでと答えました。
「私もね」
「好きなんだね」
「そうなの」
 こう言うのでした。
「実はね」
「そうなんだね」
「ただね」
「ただ?」
「いえ、このテーマパークは前も来たことがあったけれど」
 それでもというのです。
「前よりも奇麗で楽しいね」
「そうした場所になっているんだね」
「そうなっているわ」 
 実際にというのです。
「前に来たのは七年前だったかしら」
「その時僕も一緒だったね」
 足元のトトが言ってきました。 
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