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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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92話 Aqoursの全知の目

「お前は………!」


壊れた滅から俺たちを引き剥がした悪女————歩実。群青のシニオンの女。


「まさか————500年後でも会うなんて私はつくづくツイてないわ。」
「俺も会いたくなかったよ……お前みたいな性悪女にはな。」
「ふん……」


歩実はコアを取り出された滅のボディをゴソゴソと漁り………抜き出す。

取り出したブツは————特殊な形状の十字架。ちょうどエジプト十字のような感じ。


「全く……ヘマしあがって———この機械じかけが。」
「————何だそれ……」
「教えないわよ。あなたに喋りすぎたことが500年前の失敗を起こしてるんだから。」


馬鹿の一つ覚えだが……この点に関しては少し秀逸か。


「まさか成長してるとはな……」
「私は何万年と生きてるんだから化ける力くらいあるわよ。全く……ナムロド様に死ぬ時も迷惑をかけるなんてとんだボロ機械ね。」
「なんだと……貴様
『命をなんだと思ってるの!!!』


響く怒声………それは————後ろにいた千歌の声。彼女を見た歩実は目を見開く……彼女もまた瓜二つの人物を見たことがあるからだ。


「お前……そうか。《《アイツ》》の子孫か。」
「その滅って《《人》》も生きてたんだよ……自分の大事な人を守ろうとする人に愛がないわけないでしょ!?」


その千歌を見て、同期するように曜と梨子も歩実に怒りをぶつける。


「愛があるなら誰でも人になれる……!人が道具のように扱われるなんて———!」
「そんなこと誰一人許されないわ!!!」
「人だって死んだら無意味よ。それがただの道具になるのは当然でしょ?それに————コイツを殺したのはそこにいる伊口才よ?」


俺はつい目を背ける………それに関しては弁解の余地なく俺だからだ。命は蘇らせられる————しかしその命と死んだ命は別物。そういう意味では蘇らせることはできない。

滅を殺したのは、俺だ。


だが千歌たちは怯むことなく言い放つ。



「才くんが《《破壊》》する人なら————」
「「「私たちは……!!」」」



















『《《創造》》する。』











彼女たちの体が強烈な白い虹光を放つ。


その光に俺とて目を覆うほど………まるで全てを放出する光そのもの。



その光は徐々に……高まる。そして《《集まる9つの光》》————







俺は瞬きする。






目を開いたその時—————1人。



プリズムのような白に虹がかった髪の……素晴らしき《《女神》》が1人。





『私が………創造する—————!』









彼女の名は——————大いなる海にして輝きの主…………






















———————※———————




「私も……加えてもらおうか。」


巨大なファルコンに乗ってやってきたサウザー……クウガが《《わざと》》吹き飛ばされたほんの数十秒後である。


「お前……!来てくれたか!」
「勘違いするな!お前たちに謝るつもりもなければ、従う気もない……ただ、間違いを訂正するだけだ。私の戦う意味———それは小原家を守るためだ!!それは一貫して変わらない!!」


厚かましいことこの上ないが……この際そんな細かいことを言っていられる状況でもない。

サウザーはサウザンドジャッカーからの稲妻を仮面ライダーアークに浴びせ、ノブナガ魂で複製したジャッカーからレールガンを発射する。

たまらずアークは後退りする。


「私は小原家を———それを継ぐ鞠莉と魁を助けるのもまた、私の戦う意味さ。」
「よく言った!まずは俺たち大人が———虎太郎の時間を稼ぐぞ!!」
「「ああ!!」」


ウォズとサウザーは意気のいい返事をする。その返事と共にミッション開始。

まずは先鋒にフューチャーリングシノビが仮面ライダーアークに正々堂々、正面からジカンデスピアの鎌を振り下ろそうとする。無論アークもそれを拳で撃ち落とそうと—————ところがそれはダミー。

空振りしたアークを狙い打ち、ニュートン魂のデータを使ってアークの体を万有引力で縛り付ける。その隙にタイタンフォームとロボットフルボトルの力を具現化させた、巨大なエネルギー刃をその巨体に打ち付ける。

その一撃は一瞬であるが、海水を割る。

クローズマグマは溶岩を放出して、アークに放つ。海水に浴びることで溶岩は硬質化してアークの身動きを取れなくさせる—————そして。


【最高発光!】【月影居合!】


日月の剣がプリズムと闇の斬撃をアークに向かって放つ。


だが………


『グォォォォ!』
「マジか……それも吸い込むのか———」


胸部装甲の奥に秘めているブラックホールが封印の斬撃すら飲み込んでしまう。

先ほどから強力な攻撃は全て飲み込まれてしまっている………そこでサウザーは一計を案じる。


「ならば……これでどうだ!」
『!!』


【JACKING BREAK!】


サウザーはジャッカーから重力波を胸部装甲に発射する………アークはそれを開閉できないようになる。


「今だ!この重力波が途切れないうちに有効打を与えろ!!」
「よし……!」


クローズはビルドドライバーのレバーを回す……回す。久々に放つキック必殺技。しかも……日月の剣のバフ機能付きの。


【Ready go!】

【ボルケニックフィニッシュ!】


日月の剣を投げ、自律機能を起動させる。自律的に動き出した2本は自身の持てる力を吐き出して、巨大なクロス斬撃を形成する。そしてクローズはその斬撃をキックする形でアークにぶつける————

その威力は先ほどとは比べ物にならず、巨体を通過した斬撃はその背後に異空間への入口を形成し、クローズのキックはその巨体をそのまま異空間へと押し込める————仮面ライダーアークは異空間へと追放される。


「よし……!」
「やったね竜介君。」
「いや……アイツは出てくる———時間稼ぎくらいにしかならんだろう。」


少し安堵するウォズに水を差すように警告するサウザー……おそらくその意見は正しい。その言葉を受けた2人は気を抜かぬよう、辺りを見回す——————







虹色のねじれた衝撃波が飛んでくる。





突然の意味不明な事態に困惑する3人—————しかしその影響はすぐに現れる………









ドゴオオオオオン!!!!!










雷鳴のような黒いエネルギーが柱のように海中から飛び出す。



「あれは……虎太郎!?」
「一体何が————!」
「2人とも、《《こっちだけではない》》ようだ!!」
「「!?!?」」


ウォズの呼びかけでクローズとサウザーは辺りを見回すと、水色のエネルギー柱も遠くの方で立っている………さらにアクシデントはそれだけにとどまらない。


ゴゴゴゴゴゴ………!


「地震……?それもかなりでかいぞ!?」
「津波が発生するかもしれない————対策はしておこう。」


【JACKING BREAK!】


サウザーは冷凍ビームで東京湾……ひいてはその力をフルに使って、水平線の彼方まで凍らせてしまう。



エネルギー柱に、突如として起こる地震……………一体何が起こっているのか?






———————※———————




『私が————創造する!』


突如として現れた———虹がかった美しい白の髪の若々しい女性。光のように……透けるようで七色に光る、女神の如きショートドレス。瞳は———赤。

そして同時に————千歌、梨子、曜が全くいなくなってしまう。まさに神隠しのよう………この意味がわかるか?


「お前は……!」
『————やっ!』


女性の見本のような美しい手……そこから人差し指を曖昧な範囲で歩実を指す————すると驚くことに、プリズムの衝撃が歩実を吹き飛ばしてしまう。

………明らかに人間のできる技ではない。

追撃をすると思った俺は次の彼女の行動に度肝を抜かれる。


『ごめんなさい!もうちょっと手加減するつもりだったのだけど……痛くしすぎたわ———』
「えぇ……」


まるで歌声も如く重なったエコーがかった声で発した言葉に、思わず拍子抜けた声が出てしまう俺……甘すぎる。ものすごく甘すぎる。その一言に尽きる。

吹き飛ばされた歩実は驚きつつも憎しみは決して捨てることはない。


「まさか…《《お前も》》この世界にいるとはね———」
「お前も……?」
「《《勘違い》》してたみたい———やっぱり、お前みたいな鬼のような男には蛇のような女がお似合いってわけね!!」


歩実はテレポートのようなもので何処かへ消えてしまう。追いたい気持ちも少しはあるが……俺にはこっちの方が問題だ。

その光の女性に少し尋ねようと近寄る————そんなところで携帯が鳴る。流石に迷ったが、電話を優先した。


「魁か……もしもし?」
『おい才!聞いて驚くなよ!?今姉さんが———


魁の話は途中から入ってこなかった————理由はただ1つ。

光のような女性は……臓器部を分解されたアンドロイド 滅に優しく手をかざし、美しくも温かい光をそれに与える———


すると……みるみるうちにその機械の肉体は本来の姿———いや、それ以上の姿へと創造されていく。もはや唯一取り柄であったヘッドモジュールもなくなり……人間の如く。


もはや人間という範疇を超えている。


そして役目を終えた彼女は…………9つの光へと姿を変える。



俺の目に入ってきたのは———千歌、梨子、果南、ダイヤ、曜、善子、花丸、鞠莉、ルビィ。











「一体何が起きてんだ——————」













————————※———————



「距離を取るつもりでぶん殴られたが……気絶したか————?」


内心悔しがる虎太郎………自分から黒いエネルギーの柱が出ているとは知る由もない。


『今だ————!』
「あ……?誰だ?」


精神の中……アークに操られた時閉じ込められていた場所よりも深い心の中———場所ですらない、夢の中。

ただ内なる声だけが………


『お二人が現世に降臨なされた……私も使命を果たす時が来た。』
「使命………?」
『今こそ—————私……













初代クウガにして原初の天使の現世降臨の時だ。』





















ドガァァァァァァン!!!!!









「虎太郎……!?」


困惑を発声するクローズ及び他の2人。

激しさを増す漆黒のエネルギー………それどころか雷すら纏い始める。



そして。

黒いエネルギー柱から現れる……黄金の鎧に《《赤き》》正義の瞳————究極を超えた存在。





1つ目の黒い柱が………今、降臨する。



「俺……いや、私こそ————《《原点にして頂点》》のクウガだ。」



漆黒の雷神………いや、それ以上の上位存在か。ともかくそれは人間では決してたどり着けぬような神秘的な姿である。まさしく闇も光も持ちつつ、邪を祓い、悪をこの世から滅せんとする。



仮面ライダークウガ ライジングアルティメットフォーム……!





「すげぇ……!」
「あれはアークと同期した時の…いや目の色が違うか。」
「だがその時とは比べ物にならないオーラじゃないか……!」


ウォズの言うことは大正解だった————アレは、まさに未来の姿を《《ほんの少し》》借りたわけである。


「さて厄介者を引っ張り出そうか。」


クウガが円を描く……すると先ほど閉じた異空間が開き、その中に一時的に封じられた仮面ライダーアークが引き摺り出される。

突如として現世に戻ったアークは自分の上に浮遊するライジングアルティメットクウガを怒りのままに、自身の胸部のブラックホールで吸い込もうとする————が、引力が発生しない。


「その空間は……《《抹消》》した。」
『グ、グゴォォォォ!!』
「もう十分暴れただろう。裁きを受けろ。」


ライアルクウガは神秘的な文字が描かれた拳を握る———突如、仮面ライダーアークの腕や四肢が分解され始め……それどころではなく、彼の体そのものが縮小されていく。

断末魔も聞こえない———まさに天使の殺し方か。



そして。



「あのバケモノを……跡形もなく消しちまった———」
「これがクウガの真の力だというのか……!?」


驚く一同……しかしライアルクウガはその3人に声をかける。


「まだだ……3人とも。」
「「「————?」」」
「……相当苦しんでるみたいだな。」


その言葉の意味はすぐに理解させられた………







がぁ……はぁ……アアァァァ!!!!






ウオォォォォォォォォォォ!!!ゆるさんぞォォォォォ!!!!







痛々しくも、醜く怒る怒声がこの星に響く。






———————※———————




「オイ才どうなってんだよ!!姉さんが突然光になってどっか行ったと思ったら、お前のところに居るって………」
「俺が聞きてぇよ。」


質問する魁に俺は全く答えない。答えてもどうせ理解などできないからだ。

端的に言おう————千歌と曜と梨子が言葉がシンクロかと思うと、突如として白い光を放つと9つの光が集まり、1人のプリズムの少女を作ったと…………本当に未知の領域ゆえ俺も説明できない。

そして今、Aqoursの9人は芝生ですやすやと眠っている……ちょっとかわいい。


「……で、電話で説明した通りなら———その少女をが滅を限りなく人間のように修復したっていうのか?」
「ああ。少し調べてみたんだが……おそらくデータを読み込めば、自律思考のできる汎用エネルギー型のアンドロイドになった。臓器以外は全て人間……おそらく人間と同じように食事もできる。」
「——————」


正直千歌には特異な力がある可能性は考えてはいた……しかしAqours全員とは考えてもみなかった。

これからどう対応していけばいいんだ……?

そんな中、Aqoursのメンバーが次々に起き始める。

最初の声は鞠莉だった。


「うぅ〜ん。疲れもばっちり解消!」
「姉さん!」
「あら魁?あなたもこっちに………」
「……?」


鞠莉…ルビィ…ダイヤ…果南…梨子…花丸…善子…曜…千歌。目覚めのたびに俺の顔を睨む………哀れみも。

そして9人を代表するように千歌が立ち上がり、俺に近づく。











パチン!!





頬がじんわり痛む……おそらく、ここ数週間で1番痛かった。

俺にビンタした千歌が《《涙目》》になりつつ、俺の制服の襟を掴む。


「嘘つき……!」
「……!?」
「そんなに————嘘までついて私たちを守りたいの!?」


嘘………俺の中でそれを聞いた瞬間から、俺にはどの隠し事かを探し始めた。

しかしその態度すら見通す千歌たちには好ましくなかったようだ。


「稜くんが消息不明のこと……」
「千歌それは!」
「そして!———


千歌を静止した魁………だがもうそれも終わってしまう。次の一言で。









私たちの前世のこと……何で教えてくれなかったの?」





血のようにベタ塗りされた千歌の瞳に一瞬恐怖を感じる。おそらく俺が恐れる人物は後にも先にも彼女たちしかいない………そんな予感がする。

しかし俺は何とか話を繋げようとする。


「お前たちの心はラブライブへの気概に表れる。心をショックに動かせば悪い方向へと流れる。俺の目的はお前らを守ることだ……女の心を守れずして何が男だ。」
『もう…隠し事はやめてくれる?』
「————なるべく。」
『それでいて心も体も守ってくれる?』
「もちろん。」


シンクロする9人に言われるがまま交わした新たな誓い………そして最後に一言。血をかける。


『一緒に———未来を照らしましょう……?』







———————※———————




仮面ライダーアークを無事討伐した4人。

天地に響く怒声を聞いたライアルクウガは……意外にも変身を解除する。残る3人は不思議に思いながらもそれに続いて変身を解く。


しかし—————



「虎太郎……!?お前本当に虎太郎なのか!?」
「———そうだ。《《人間名》》はな。」


竜介たちの前に立ったのは………燃え盛る炎のような赤い翼の主————身にまとう衣装も、天界からの使いらしい白い布へと変化した。

あまりの変容、そして何よりその口ぶりが明らかに以前とは異なっている。竜介はさらに問い詰める。


「人間名…?どういうことだ?」
「我が神名は……《《アトエル》》。全次元…全並行世界の最高原理たる神に仕える存在だ。」
「アトエル……?君は虎太郎君の体を借りて現世に降り立ったというわけかい?」


祝はアトエルなる天使に尋ねる———彼は得意の無表情で答える。


「少し違う……私は人間としては矢澤虎太郎である。そして天使としてアトエル———」
「ああ……?もっとわかりやすく言ってくれ。」
「理解のない奴だな竜介……では君たちの知っている単語で纏めるなら————













矢澤虎太郎は50代目にして、初代クウガである。」







わかりやすくまとめた結果………とんでもない答えになって帰ってきた。


以前、虎太郎は人工知能ルーが歴代クウガの情報を教えてくれると言った……初代を除いて。

知る由もない。なぜなら《《自分こそ初代なのだから》》。


「じゃあナムロドを一回倒したってのは……」
「ああ、私だ———矢澤虎太郎にとっては《《未来》》だがな。」


徐々に見えてくる全貌……いや、あった「はず」の真実か。

そして半分神憑り状態の虎太郎はまず最初に語気を強めて、3人に向かって発言する。


「まず———アマテルなる神の化身が、高神千陽というスクールアイドルの元型となった女だと言ったな。」
「あぁ……」
「畏れ多い……アマテルと人間に呼ばれる女神は彼女より下位の存在。彼女に宿る魂はもっと畏れ多きも最上の神のモノである。お前たち人間が口を出すのが、憚られるほどのな。」
「「!!!」」


厳粛な態度かつ上位存在のような雰囲気を醸し出す虎太郎。単純に言えば………人間の勘違いにお叱りをされていると言ったところか。

しかし竜介はそんな敬意や威厳など知ったことではないかの如く、あっさりと回答を求め続ける。


「じゃあその最上の神って奴は誰なんだ!?」
「虎太郎の知る通り敬意の知らぬ奴だな……いいだろう。この多次元宇宙の最高原理にして、宇宙そのものである《《0から世界を生み出した》》創造神………


















ハイパーロード/Aqours様だ。」








 
 

 
後書き

ヤバい回でしたね……

まず、仄めかされていた女神 Aqoursの誕生。その誕生方法は何とシンプルかつ大胆なメンバー9人の融合。外見は千歌ちゃんがプリズム色の髪になってる感じなんですが、髪が彼女より長くAqours全員の髪型にすることができるって感じですかね。

そして驚くべきはその創造能力。滅を自律型ヒューマギアよりも高位な存在へと創造する力————しかし、才君も言っていた通り非常に甘い性格。そうでなければ嘘つきを易々と許したりはしません。しかし邪悪を絶対に許さない彼が言うのもおかしな気もしますが………


そして、矢澤虎太郎とは50代目にして初代クウガだった件。


 
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