真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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第40話 今後の旅の方針
「正宗様。今後どうしますの」
麗羽は今後どうするか聞いてきました。
「今居る斉郡から北海郡を通り、東莱郡の黄県に向かうつもりだ」
「そこに太史慈という人物が居るのですね」
揚羽は真剣な表情で言いました。
「これで人材集めも一応目処がつく。榮奈のことは予想外だったが嬉しい誤算だった」
私達は青州に入ると野宿をしながら、現在滞在しているこの街に着きました。
旅や先日の戦闘などで、私も含めみんな疲れが溜まっているので、この街で暫く骨休めをすることにしました。
この街に逗留して数日が立ち、みんなも鋭気を養うことが出来たと思います。
私は現在、逗留している宿の一室います。
麗羽と揚羽を含めた3人で今後の行動について話し合っています。
凪達は今、街に出て旅の準備をしています。
凪に金を渡しているので大丈夫と思います。
「太史慈という人物を探して仕官させた後は洛陽に帰られますの?」
「どうせエン州を通って洛陽に戻るのは面倒だろうから、幽州まで足を運んで洛陽に戻ろうと思う。太史慈の仕官が上手くいけば、私の人材探しも一息着くだろうから、今度は麗羽の人材も探そうと思う」
「私の人材ですの?」
「将来の麗羽の陣営は軍師の人数は問題ないと思う。ただ、武官の人数が少ないと思う。だから武官の人材を探して行こうと思う」
「分りましたわ。人材探しは正宗様にお任せしますわ」
麗羽は私に人材探しは任せると微笑みました。
「本音を言えば荊州を勧める処なのですが、地理的に遠いですし今回は諦めるしかありませんね。」
揚羽の言う通り、荊州は有能な人材が多いです。
私も向かいたい処ですが、人材探しにばかり精を出しても仕方ないです。
少なくとも黄巾の乱が起こる前に、どこぞの大守、欲を言えば州牧になりたいと思っています。
その為には朝廷である程度出世しなくてはいけません。
「それと揚羽だけだと、今後、負担が大きくなると思うんだ。良い軍師候補は居ないかな」
「それでしたら姉の司馬朗と妹の司馬孚はどうでしょう。二人とも優秀です」
「初耳ですわ。揚羽さんには姉妹が居ましたのね。そう言えば私の従姉妹の美羽さんは元気にしているかしら」
麗羽は揚羽に姉妹が居ることに驚いていました。
私は史実の司馬懿の兄弟は司馬八達で有名なので知っていました。
揚羽から姉妹を紹介してくれるのは願ったりです。
「揚羽。是非2人を紹介してくれないかな」
「それは構いません。多分仕官の話しは問題ないと思います。洛陽に帰りましたら、直ぐにでも話を進めます」
「ありがとう。揚羽のお陰に私の陣営の軍師不足は解消しそうだ」
麗羽が袁術の話を出してきて思い出したことがあります。
確か袁術は孫策に命こそ奪われ無かったですが無一文で追い出されていました。
麗羽の従兄弟ですし、フォローして上げないと可哀想だと思いました。
袁術はアホですが、根は悪人ではないので導き方を誤らなければ有能とは言わずともまともな人物になると思います。
「麗羽。先程言っていた従兄妹は袁術のことかな?」
「ええ。そうですわ。正宗様は美羽さんのことを何故知っていますの?」
「未来の知識で知っているだけだ。袁術は孫策に倒されて無一文なるんだ。袁術の場合、自業自得だけど・・・・・・。だからと言って麗羽の従姉妹を見捨てるのも気が引ける。できれば袁術を正しい方向に導いてあげたいんだ」
その後、私は袁術の今後の未来について詳細を二人に話しました。
「何て事ですの!その孫策という野蛮人は無礼極まりないですわ!正宗様だけに空き足らず、美羽さんにまで酷い目に遭わせるなんて、もう許せませんわ!」
麗羽は孫策に対し以前にも増して憤っていました。
「それにしても美羽さんも美羽さんですわね。蜂蜜欲しさに領民に重税を課すなんて従姉妹として情けないですわ」
話が従姉妹の未来での所業に移ると一転して額に手を当て落ち込んでいました。
「麗羽殿。深刻に悩まずとも良いと思います。正宗様の話はあくまで未来の話です。現時点で袁術殿が被害を被っている訳でも問題を起こしている訳でもありません。そうならない様にすれば良いのです」
揚羽は麗羽に淡々と的確な助言をしていました。
「私もそうだと思う。何もしなければ、私の知っている未来になると思う。この旅が終わったら袁術に会う機会を作ってくれないかな」
「正宗様と揚羽さんの言う通りですわね。正宗様。美羽さんと会う機会は必ず作りますわ。揚羽さんも美羽さんのことくれぐれもよろしく頼みますわ」
麗羽は殊勝な態度で私と揚羽に軽く頭を下げていました。
「麗羽の従姉妹なら私にとっても大事な家族だ。心配しなくても良い」
「麗羽殿。私達3人で力を会わせれば袁術殿のことは問題ないです」
私と揚羽はそれぞれ麗羽を力づけました。
「2人とも心強いですわ」
麗羽は嬉しそうな表情で応えました。
私と麗羽と揚羽は今後の方針について話が纏まると、何気ない話をしていました。
「正宗様。大変なのーーーーーー!」
歓談を楽しむ時間は沙和によって破られました。
沙和は意気絶え絶えの様子で部屋の戸を乱暴に開けて入ってきました。
「沙和さん。騒がしいですわね。何かありましたの?」
麗羽は沙和の態度を見て訝しい表情をしています。
沙和はこの街に逗留して以来、欲しい物を見つけると今回のように慌ただしくしていました。
私達はまた欲しい物を見つけてきたのだと思いました。
「沙和。何か欲しい物でも見つけたのか?」
私が最初に口を開きました。
「違うのーーーーーー!凪ちゃんが大変なのーーーーーー!危ない奴が私達に声を掛けてきたの。話をしていたらそいつがいきなり凪ちゃんに襲いかかってきて、凪ちゃんは今そいつと戦っているのーーーーーー」
沙和は能天気な声で物騒な話をしました。
「凪が危ない奴に襲われている?どんな奴なんだ?」
今になって泰山大守の追手が現れたのではと思いました。
「正宗様。泰山大守の追手ではないと思います。こんな日が高いのに堂々と襲う馬鹿はいません」
「考えるよりその場所に行った方が良いと思いますわ。正宗様。早く行きましょう。沙和さん案内をお願いしますわ」
麗羽は沙和に凪達の場所に案内するように言いました。
「麗羽の言う通りだ。凪のことだから問題はないと思うが、早く現場に行こう」
「正宗様。分ったのーーーーーー!」
沙和は気合いの入った声で言いました。
私達は沙和の案内で凪達のいる場所へ急ぎました。
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