わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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7-6
「おはよう みゅん 今日も 頑張ろうな ウチ ラグビーの本 買った 勉強せんならんからな」
「へぇー へぇー 泉希 本当にありがとうな 一緒にやってくれて」
「なんやー いつも 一緒やでー」
「うん あのなー みゅうみゅんは 半分はたっ君を追いかけてきたってゆうたやろー? 違ったんやなー 神様がここに泉希が居るよって 後押ししてくれたんやなー 結び付けてくれたんやーな きっと」
「みゅん 朝から そんな泣くようなこと言わんとってー あのな すみれも誘ったんやけどなー あの子 ピアノ 怪我したら、でけんよーなるやろぅー? お母さんに猛反対されたって」
「そら そーやろー 無理したら あかん」
「ウチのオカンも おとーぉ も乗り気やー ヤレ ヤレッ って ほんでな 靴の話になって オカンが端切れとかを分けてもらっているとこに スパイクを作っているとこがあるんやてー ちゃんと、サイズ計ってから作るらしいんや 今度、そこに連れてってくれるって」
「へぇー 羨ましいなぁー ウチはもう こぉてもろたしなー」
「ええやん みゅんは靴なんか関係なしに速いねんから」
しばらくして、紅林先生が私達のところに来て
「一応 職員会議にも校長にも承認をもらった。ただ、クラブとして認めるのは先の話だ。まぁ 同好会みたいなもんだ。校長のほうから、教育委員会とかPTAにも了解をもらうと言うことだ。スポーツ保険に入ることと、タックルとか揉み合いの練習する時には、必ず、僕の立ち合いのもとでと、それと、この場所を使うのは、何かここに建てるとかなった場合・・・それまでの間だけという約束だ」
「わぁー 先生ありがとう やっぱり 頼りになるわぁー」
そして、その週の土曜日、サッカー部の連中が、練習を早い目に切り上げて、全員でグラウンドの整備を手伝ってくれていた。そのうち、道弘もこそっと加わっていたのだ。草むしりとか石を取り除いたり、土慣らしをしていてくれて、だけど、私達5人は申し合わせて、お弁当を持ってきていたから、午後からも整備しようと打ち合わせていたのだ。
私達のグラウンドを眺めながら、お弁当を食べていたんだけど、グラウンドの凸凹も無くなっていて、最初の頃の空地とは大違いだった。そして、私達は横に並んで石なんかを取り除きだすと、たっ君、重光君、颯君の3人組が姿を見せて
「僕等も手伝うよ」と、
「えー あんた等 帰ったんちゃうのー」
「あぁ コンビニでちょこちょこ食べた」
「人気No.1の女の子が土と格闘してるのに ほっておける訳ないじゃんか」と、颯君だ。
「誰のこと? みゅうみゅんかぁ?」
「ちゃう その子」 泉希のことだった。
「はぁ やっぱり 泉希かぁー うっ あんた等 動機が不純やねーぇッ!」
「まぁ まぁ 僕の中では みゅうみゅんが一番だけどね なぁ 帯士?」
「うぅー ・・・ まぁ 手伝ってくれるんやろ? ありがとう」
その後も、みんなで整備した後
「なぁ ウチ等 パスしながら、進むから、男子3人で止めてみて? タックルはあかんでー タッチしたら終わり」と、私が言い出したら
「そんなん 5対3 やんか 無理や」
「そしたらー 3対3にするわ あのな わかってるやろけど そっちもボールより前に出たらアカンねでー」
と言う訳で、私達は作戦を練って・・・最初は、栞奈、泉希、朝陽の3人で・・。栞奈がボールを持って、近くに泉希、少し離れて朝陽といった感じで始まった。男の子達もそれに合わせて待ち受けていた。
栞奈がたっ君に近づいた時、くるりと後ろ向いて、泉希にパスをした時、右の方に位置していた朝陽が急に左方向に走って、泉希からのパスを受けて、男の子達の間を走り抜けていた。
「なんやー 重光ぅー 追いつかんのかぁー」と、たっ君が
「だってよー 急に あっちに・・・ 卑怯だよー」
「何 ゆうてんねん 作戦やー」と、私は やったー と思っていた。
じゃぁ もう 一度ねと、今度は私がボールを持って、走り出すと、たっ君に近づいた時、璃々にパスをして、そのままたっ君にぶつかっていって、璃々は横に走ったかと思うと「朝陽!」と、キックしてボールは男の子達の後ろで弾んでいた。私達は3人で追いかけて、朝陽はまっしぐらに走っていて、そのボールを掴まえていた。
「ふふっ やぱり サッカー少年じゃぁー ふがいないか?」と、何回か繰り返していたが、私達はタッチされることが無かったのだ。
「ちくしょう! 今度は、僕達の攻撃 ちょっと 時間くれ パスの練習する」と、重光君は悔しそうに言ってきた。
そして、再開したのだけど、彼等はうまくパスが出来なかったり、横をすり抜けようとするんだけどタッチされたりで、私達の圧勝だった。
「うぅー 完敗だよ お前達 すごいな 短い間なのに・・・ 走るのも速いしー」と、颯君も認めていた。その後、みんなでキックしたりパス回しをして遊んだ後
「なかなか ラグビーもおもろいな 楽しかったよー」と、重光君が帰る時に言っていた。
「今日はありがとうね グラウンドも快適だよ! 凸凹も気にせんと走れるようになったし」と、璃々も丁寧にお礼を言っていた。私達も揃って頭を下げていたのだ。
帰る前に、たっ君が
「少し 会えるか? 駅前で待っているよ」と、たっ君は自転車なんだろうけど、先に着くつもりなんだ。
バスを降りると、たっ君が迎えてくれて、泉希は気を利かせて先に帰って行った。
「みゅうみゅん すごいなー 跳ねるように走ってたじゃぁ無いか のびのびと 楽しいか?」
「うん すごく楽しい みゅうみゅんがやりたかったことなんだとー 今日は ありがとうネ たっ君が言ってくれたんでしょ?」
「違うよ 重光が言い出したんだ お前の彼女が一生懸命なのに 手伝ってやらないのか? って」
「へぇー へっ 重光君? いいお友達だねぇー」
「まぁな でも 颯は違ったみたいだよ あいつは 北川泉希に近づきたかっただけなんだよ」
「ふ~ん でも 泉希はダメだよ 落ちないと思う それとなく言っといて」
「なんだ それ! 彼女には誰か居るのかぁー?」
「ううん そーいうんじゃぁないけど・・・」
「あのなー 最近 みゅうみゅんが羽ばたいていきそうでなー」
「そんなことないよー みゅうみゅんは たっ君と一緒やからー」
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