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ギャルサンタ

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第三章

「せめて岡田監督並になれとな」
「というか辞任要求っすね」
「ファンとしてはか」
「それで落合監督カムバックっす」
「ゼネラルマネージャーでいいだろ」
「そっちでは駄目だったっすから」
 それでというのだ。
「お金カットフロントに言われて真面目にやっただけっすから」
「それでああなったか」
「そうっす、それでお話戻すっすが」
 何時の間にかサンタの帽子ではなくドラゴンズの帽子を被って言うのだった。似合う似合わないは意識していなかった。
「この服魔法がかけられているっすから」
「サンタの服はな」
 サンタ自身もそれはと頷いた。
「そうであるな」
「そうっすからこれでもめっちゃあったかいっす」
 こう言うのだった。
「だから問題なしっす」
「そうなのか」
「生足で下ブラとショーツだけっすが」
 それでもというのだ。
「全くっす」
「寒くないか」
「はい、ストッキングも穿いてないっすが」
 見れば完璧な生足である。
「平気っすよ」
「ならよいがな」
「じゃあ行って来るっす」 
 友美はサンタに話が一段落したと見て言った。
「お仕事は忘れないっすよ」
「うむ、ではな」
「それで帰ったら熱い味噌煮込みうどんと熱燗で乾杯っす」
「待て、クラスメイト達と食ったのではないのか」
「チキンナゲットとケーキっすね」
「もう充分ではないのか」
「いや、二次会やるっすから」
 それでというのだ。
「その娘達と」
「クラスメイト達とか」
「その時はっす」
「味噌煮込みうどんか」
「それと熱燗っす」
「十八歳だと思うが飲むか」
「内緒っすよ、名古屋のお酒美味しいっす」
 サンタにあまりというか全くやる気がなさそうな顔で言った。
「だからっすよ」
「クリスマスでもワインではないか」
「ワインもいいっすが味噌煮込みうどんっすから」
「日本酒か」
「そうっす、それとバイト代楽しみに行って来るっす」
「ではな」
 憮然とした顔でだ。
 サンタは友美を送り出した、そして自分も行く準備に入ってからそのうえでトナカイに対して言った。
「鶏肉とケーキ以外はな」
「クリスマス要素ないですね」
「もっと言えばその二つもな」
「本来はなかったですからね」
「クリスマスにはな」
 古来のそれを言うのだった。
「鶏肉ではなく七面鳥だしな」
「アメリカでは今もそうですね」
「日本ではそうだがな、しかしな」
「それでもですね」
「あの名古屋娘の何処にクリスマス要素がある」
「ほぼないですね」
 トナカイが見てもだった。 
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