| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ギャルサンタ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「最早」
「しかもドラゴンズの帽子被って言ったぞ」
「本人はいいみたいですが」
「あんなサンタもおるのか」
「今はそうみたいですね」
「世の中は変わったのか」
 サンタは今真剣に考え込んだ、そのうえでの言葉だ。
「それでか」
「多様化の時代ですからね」
「それでか」
「ああしたサンタさんもいるってことですよ」
「そうなのか」
「はい、ミニスカートで仏教徒の」
「味噌煮込みうどんが好きでか」
 それでというのだ。
「熱燗を飲む」
「ホットワインでなく」
「そんなサンタもおるか」
「今はそうだってことですね」
「全く。訳がわからぬ」
 サンタは腕を組み難しい顔になって述べた。
「わしの常識は古いのか」
「古いとかじゃなく多様性ですよ」
「それか」
「はい、ですから」
「受け入れるしかないか」
「少なくとも根は真面目みたいですし」
 外見や口調からは想像出来ないがというのだ。
「期待しましょう」
「来年のドラゴンズより期待出来るか」
「何だかんだでサンタさんもご存知ですね」
「カルフォルニア生まれでな」
 サンタは自分のことを話した。
「今ロスで話題の日本人がおってな」
「日本の野球にも興味がおありですか」
「大谷翔平さんと言うが」
 サンタはその日本人の名前も言った。
「これが桁外れでのう」
「凄い人ですか」
「バケモノじゃ」 
 こう言うまでに凄いというのだ。
「投打二刀流で一〇〇マイル出してホームランを年に四十本打つ」
「それは凄いですね」
「しかも守備もよく俊足で魔球を幾つも持っておる」 
 サンタはさらに言った。
「そんな日本人がおってな」
「日本の野球にもですね」
「注目しておる」
「だからドラゴンズもご存知ですか」
「うむ、それでドラゴンズは来年希望はあるか」
「ないと思います」 
 トナカイはきっぱりとした口調で答えた。
「あの有様では」
「やはりそうか」
「まあ最下位ですね」
 来年もというのだ。
「三年連続になりますね」
「やはりそうか」
「まあ友美さんもわかってるみたいで」
「今のドラゴンズは駄目ということがか」
「監督さんが」 
 まさにその人が問題だというのだ。
「あれじゃあですよ」
「どうにもならんか」
「はい、ですから」
 その為にというのだ。
「もう一目瞭然かと」
「そういえば頭の悪い娘ではないな」
「はい、まあドラゴンズは来年も駄目ということで」
「優勝をプレゼントしてくれという子もおるな」
「それは監督さんに言えということで」
 先程の二人のやり取りをそのまま言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧