夢幻水滸伝
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第三百二十一話 北太平洋の中心その十二
「そうしよか」
「それでは」
「それで折角来てくれたし」
話が一段落したところで市長に笑って話した。
「ちょっとこの街見て回るか?」
「ロサンゼルスをですか」
「ああ、野球もバスケもやっててな」
それでというのだ。
「他のこともな」
「観られますか」
「美味しいもんもお店もあるしな」
「そちらもまた」
「そや、そうしてみるか」
「ではお言葉に甘えて」
それならとだ、市長も応えた。
「宜しくお願いします」
「一緒に行こうか」
「ロサンゼルスの街をですね」
「これから巡ってな」
そうしてとだ、トウェインはまた言った。
「楽しもうな」
「他の街や村を見てです」
市長はここで鋭い目になってこうも言った。
「様々なものを学び」
「それを自分等の市政に活かすのもやな」
「大事なことです」
「他の場所は鏡にもなるわ」
トウェインは笑って話した。
「自分達と比べてな」
「それで、ですね」
「そうすることもな」
「いいことですね」
「そや、ほなな今からな」
「ロサンゼルスを見させてもらいます」
こう言ってだった。
ホノルルの市長はトウェインと共にロサンゼルスの街を時間が許す限り見てそのいい部分も悪い部分も学んだ。
そのうえでホノルルに戻った、トウェインはその後でロサンゼルスの市長に話した。
「ホノルルとロサンゼルスは何かとちゃうが」
「そうですね、全くと言っていい位です」
ロサンゼルスの市長もそれはと答えた。
「違います」
「同じアメリカの街でもな」
「左様ですね」
「しかしな」
「他の街や村を見ることは」
「自分達の市政を考えるにおいてな」
まさにこのことにおいてとだ、トウェインはロサンゼルスの市長にも話した。それも真剣な顔と声でだ。
「大事や」
「だからですね」
「そや、ほんまな」
「ホノルルの市長さんも見られましたか」
「この街をな」
「そして帰られて」
「見たものをな」
まさにそれをというのだ。
「用いてくで」
「ホノルルの市政にですね」
「そうするで、ほんまお互いにな」
「見ていって」
「学ぶことや、わいもな」
トウェイン自身もというのだ。
「実は色々な」
「街や村をご覧になられていますね」
「州全体もな」
「左様ですね」
「そうしてるさかいな」
だからだというのだ。
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