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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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夏だ!海だ!水着だ!思い出いっぱい作っちゃおう!ガツガツカレー編
  第121話 豪華客船の旅!バカンスを堪能しちゃいます!

 
前書き
 原作でココ達は最長で2か月グルメ馬車に滞在していましたがここでは数日で降りたという風になっていますのでお願いします。じゃないと暫く二人を出せなくなってしまうので…… 

 
side;イリナ


久しぶりに私の視点だよ!砂漠から帰ってきた私達はスイーツハウスでのんびりしているの。シュークリームのソファを齧りながらまったりしているとチョコを食べていたリアスさんがあることを話し始めたわ。


「今年は海に行ってないわね」


 それを聞いた他のメンバーがリアスさんの方に視線を向けた。


 因みに祐斗君、ティナさん、リンさんはデートに行っていてここにはいないよ。アザゼルさんも駒王学園に行ってるわ、色々準備をしないといけないみたいなの。


「どうしたの、リアス?急にそんな事を言ったりして」
「朱乃や小猫達は知ってると思うけど私達は毎年この時期に海に行ってたじゃない、今年は修行ばかりで海に行っていないなって思ったの」
「山に入ったりしたけど過酷な場所でしたしね」


 テリーを撫でていた朱乃さんがキョトンとした顔でそう聞くとリアスさんはいつもはこの時期に海に行っていると話す。


 それを聞いていた小猫ちゃんはメルクマウンテンに行った事を思い出して苦笑していた。ヘビーホールは本当にキツイ場所だったもんね。


「ふむ、海か。訓練で泳ぎをしたことはあるが遊んだことはなかったな」
「そういえば教会の戦士になってからそういう事はしてなかったわ。昔はイッセー君とよく海に行って遊んだわよね」
「ああ、お互い真っ黒になるまで遊んでいたな。イリナが中々海から出たがらないからおじさんが怒るのが定例だったな」
「そ、それは言わないでよ~……」


 ギャスパー君、ルフェイさんとトランプをしていたゼノヴィアが教会で訓練で水泳をしたなと話す。このピチピチスーツを着ての特訓はいろいろしたわねー。


 私はそれを聞いて昔まだイッセー君のご両親が存命だった時に家族ぐるみで毎年海に遊びに行っていたことを思い出した。


 あの頃の私は普通に上を脱いでパンツだけで海に入っていたわね、だって上に何か着るのが不快だったのよ。ママが呆れていたって前に聞いたわ。


 まあ流石に今はそんなことできないけどね、イッセー君と二人きりなら全然OKだけど♡


 するとイッセー君も話に入って昔のことを話し始めた。私が夕方になってもぐずって海から出なかったことを話されて恥ずかしくなっちゃったわ。


 でもイッセー君と思い出を共有できるのは嬉しいわね。


「イリナはイッセーと思い出が合って羨ましいにゃん。ねえイッセー、私とも夏の思い出を作ろうよ」
「夏の思い出か……何がいいかな」


 イッセー君の膝の腕に座っていた黒歌さんが体勢を変えてイッセー君に甘えるように抱き着いた。イッセー君は黒歌さんの背中に手を回して軽く抱きしめて彼女の頭を撫でると黒歌さんは幸せそうに笑みを浮かべた。


 どうも黒歌さんもイッセー君の恋人になったみたいで今は率先して彼に甘えている、羨ましいわ。


「いいですね、折角の高校生活の夏なんですから先輩と思い出を作りたいです」
「わ、私もイッセーさんと夏の思い出を作りたいです!」
「あらあら、それならわたくしもイッセー君と海に行きたいですわ。とっておきの水着を見せて差し上げますわね♡」
「私もイッセーや皆と夏の思い出を作ってみたいな」


 小猫ちゃんが仙術で体を大きくしてイッセー君に抱き着いた。左手にアーシアさんが、右手に朱乃さんが胸を押し付けるようにしがみ付いてゼノヴィアがイッセー君の背中から抱き着いて甘えている。


(で、出遅れた!?)


 出遅れた私はイッセー君の側によって頭を向ける、するとイッセー君は頭を撫でてくれた。私は嬉しくなってイッセー君に抱き着いた。


「それなら師匠、良い場所があるじゃないですか。ほら、毎年夏に行く予定の……」
「そうか、ガツガツカレーの店が開く季節だったな。色々あって忘れていた」


 ルフェイさんの指摘にイッセー君は何かを思い出したかのように手を叩いた。ガツガツカレーってなんだろう?


「ガツガツカレーって言うのはこの時期にしか店が開かない滅茶苦茶美味いカレーの事だ。俺は毎年これを楽しみにしていたんだよ」
「へえ、この時期にしか食べられないカレーなんて珍しいわね、私達も食べてみたいわ」


 イッセー君の説明にリアスさんが食べたいと返す、皆が好奇心に満たされた顔で食べたいと頷いた。


「なら折角だしいっちょ贅沢して馬車の旅でもしてそこに向かうか」
「馬車の旅?」
「ええ、G×Gで最も豪華な旅になると思いますよ」


 こうして私達は夏の旅行に行く事になったの。今から楽しみだわ!



―――――――――

――――――

―――


「キャー!すっごい!こんな素敵な馬車に乗れるなんてー!」


 リアスさんは目を輝かせながら嬉しそうに叫んだ。でもその気持ち分かるよ、だって私も皆もテンションMAXだもん!


「イッセー君、これに乗って旅をするの?」
「そうさ、豪華客馬『グルメ馬車』だ。コイツでG×Gの人間界を世界一周するんだ」
「まあ私達は途中下車しますけどね」


 祐斗君の質問にイッセー君はグルメ馬車の説明をして返す、これで世界一周なんてすっごく楽しそう!まあルフェイさんの言う通り私達は途中で降りるんだけどね。


「わあっ!大きなお馬さんですぅ!」
「あの子達が引っ張ってくれるんですか?」
「あれは『ギガホース』、捕獲レベル64の超巨大馬だ。水陸両用だから人間界のどこにでも行けるぞ」


 ギャスパー君とアーシアちゃんは超でっかい二頭の馬を見て驚いていた。


「この線路は『ワールドコネクト』といってな、世界中を繋ぐ巨大線路なんだ。俺達は3日間の旅になるな」
「それにしてもイッセー、よくこの人数の予約を取れたわね。確か5年待ちじゃなかったっけ?」
「ああ、今回は親父に頼んだんだ」


 ティナさんがイッセー君にグルメ馬車の予約は5年待ちだと聞く、するとイッセー君は一龍さんにお願いしたと話した。


「皆で旅行に行きたいって言ったらポンとチケットをくれたんだよ。今回はマジで感謝だな」
「流石この世界の有力者を義父に持つだけの事はあるな、お蔭でタダで良い思いが出来そうだぜ」
「あっアザゼル先生は建て替えておくから後で払ってくれって言っていましたよ」
「ええっ!?俺だけ!?」
「あはは、冗談ですよ」


 アザゼルさんをからかうイッセー君は楽しそうに笑っていた。はぁぁ、可愛い……♡


「そういえばテリー達はお留守番なのね」
「流石に大型の猛獣の連れ込みは出来ないからな、あいつらは海に行ってから魔法で呼ぶことになってる」
「まあ仕方ないわよね」


 リアスさんがテリー達について尋ねるとイッセー君は馬車には載せられないと答えた。


 テリーやオブは馬車には乗れないみたいだから海に行ってから呼ぶみたいね。可愛そうだけどそういう決まりじゃ仕方ないよね。


 因みにユンも一緒に残るって言って馬車には来なかったみたいなの。テリー達に気を使ったのね、いい子だわ。


 その分海では楽しんでもらいたいわね。


「さあ皆、この3日間で最高の思い出を作ろうぜ!」
『おお―――っ!!』


 そして私達はグルメ馬車に乗り込むのだった。


「うっわー!広いわねー!」


 部屋に案内された私達はあまりの広さに驚いてしまう、全員が寝そべっても余裕でスペースあるし二階もあって滅茶苦茶広いわ!


「寝室は部屋ごとに複数あるから好きな場所を使ってくれ、キッチンや風呂場は向こうだな」
「うわぁ!一流レストラン並みの良いキッチンですね!もしかして食材が売ってあるんですか?」
「ああ、人によっては2年間この馬車で過ごす事もあるからな。この馬車はレストランも多くあるが自炊も出来るように高級な食材が売られているぞ」


 小猫ちゃんはキッチンを見て目を輝かせていた。二年間も過ごしたら一体いくらになるのかしら?


「こんな良い部屋一体いくらしたの?」
「ここは一人当たり一泊100万ですね」
「えぇっ!?じゃあ私達が三日も泊まったら1000万を超えるじゃない!?大丈夫なの?」
「いや俺ブラックカード持ってるし……」
「そういえばこのメンバーの中で一番お金持ちだったわね……」


 シレっと答えるイッセー君にリアスさんは遠い目をした。元貴族だけど金銭感覚は庶民的なんだね、リアスさんって。


「イッセー!風呂から泡が出たぞ!」
「そういう機能だ。他にも大浴場もあるからそっちを使ってもいいぞ」
「想像していたよりもすっごい豪華だし。美味しいアイスのお店とかないかな~」
「パンフレットを見てもかなりの施設があるみたいですね、三日間じゃ回り切れないほどに」


 ゼノヴィアはお風呂を見て驚いているしリンさんとルフェイさんはパンフレットを見て盛り上がっているわ。


「まあとりあえずざっと見て回ってその後にメシに行くか」
『おお―――っ!!』


 私達は荷物を置いて馬車の中を見て回ることにしたわ。でもそこは想像以上に施設が充実していたの。


「わあぁぁぁっ!お店がいっぱいね!」
「ここはショッピングが楽しめるようだな、向こうにはレストランが沢山あるぞ」
「流石最高で2年は過ごす人もいるだけあって充実した店そろえですね」


 リアスさんは沢山あるお店を見て目を輝かせていた。イッセー君はレストランに興味を示してるし小猫ちゃんはこの店のそろい具合に感心している。


「あっ水着も売ってるわね、可愛い奴もあるかもしれないし見てみない?」
「わたくしも後で付き合いますわね、イッセー君に見せる特別な水着以外にも良いモノがあるかもしれませんし」


 リアスさんと朱乃さんは水着売り場に興味を持ったみたいね。そういえば私とゼノヴィアは水着を持っていなかったわね、ここで買えるってイッセー君から聞いてたから無理して買わなかったけど折角だし後でイッセー君に選んでもらおうっと。


「へぇ、ここではスポーツが楽しめるんだね」
「テニスやボウリング、ちょっとしたアスレチックも出来るみたいですね」


 今度は運動が出来るスペースに来たわ、ずっと馬車の中じゃ運動不足になりそうだし良い施設ね。


 祐斗君や小猫ちゃんも身体を動かしたそうにしているわ、私もお腹いっぱい食べたいから沢山運動したい気分ね。


「ここは大浴場だな、20種類もの温泉を堪能できるらしい」
「エステやサウナも充実してるわね、今から楽しみだわ」


 イッセー君はパンフレットを見ながら大浴場の説明をする、サウナやエステもあると聞いてリアスさんは目を輝かせていた。


 他にも朱乃さんやティナさんも興味がありそうだった、私が食事の方が気になるかなー。


「こっちは遊技場みたいですぅ、ゲームセンターや漫画喫茶が沢山ありますぅ」
「映画館もありますね、あの『メリスマン』さんの描いた傑作品『ひとつまみの調味料~しっとりと~』が原作のモノがあります」
「メリスマン先生の作品は本当に面白いですわ」


 ギャスパー君は賑やかな遊技場を見て充実した施設に驚いていた。映画館もあるようでアーシアさんがメリスマンっていう人の作品を元にした映画があると朱乃さんと盛り上がっていた。


 メリスマンという人は節乃さんと同じ美食人間国宝の一人らしく様々な書物を世に出して大ヒットさせてきた文豪らしい。私は難しい本とか読むと頭痛くなっちゃうんだよねぇ。


「おおっ!カジノもあるじゃねえか!」


 するとアザゼルさんが何かを見つけて騒ぎ始めた、そこは煌びやかな光が照らすカジノだったわ。


「カジノもあるんだね」
「ああ、当然未成年は入れないがな」


 祐斗君は意外そうに呟きイッセー君は私達では入れないと答える。


「なあイッセー、行って来てもいいか?」
「引率してる立場の人が優先して団体行動を乱さないでください、後ですよ」
「ちえっ」
「後そういうのにお金を使うなら自己の負担でお願いしますね、前にグルメピラミッドでお宝見つけてるからお金はあるでしょう?」
「分かってるよ、それくらいは自分で払うさ」


 アザゼルさんはちゃっかりグルメピラミッドでお宝を見つけたようで儲けたみたいなの、抜け目がないわよね。


「イッセー君、あの……」
「イリナとゼノヴィア、ギャスパーはG×Gに後から来てるからお金がそう無いだろう?お小遣いを渡すから安心しな」
「えへへ、ごめんね」


 オカルト研究部のメンバーは個人で食材を捕獲してお金に変えているからそれなりに稼いでいるみたいだけど、私とゼノヴィア、後ギャスパー君は最近この世界に来たから手持ちが少ないの。


「取り合えず100万はあればいいか?足りなかったら言ってくれ」
「いやいやあげ過ぎよ!」


 100万円の束を出したイッセー君にリアスさんがツッコミを入れる。あ、あれが100万円、凄い分厚さね……!


「そうですか?イリナとゼノヴィアは将来的に結婚するから婚約者みたいなものだしギャスパーは弟みたいなものだし妥当だと思ったんですが……」
「貴方身内に甘すぎよ……」


 そう言うイッセー君にリアスさんは呆れたように溜息を吐いた。こ、婚約者かぁ……えへへ♡早くイッセー君と結婚したいな♡


「イッセーと結婚か……ふふっ柄にもなく胸が熱くなってしまうな」


 ゼノヴィアも嬉しそうにほほ笑んでいた、気持ちは分かるわ。


「なら私が先輩の財布を管理しますよ、正妻ですので」
「わたくしも婚約者の一人として手伝いますわね」
「うぅ……私の出る幕はなさそうですね」
「にゃはは、皆でイッセーを管理しちゃえばいいにゃん」
「祐斗君は私達が管理するわね」
「うんうん、共通財産だし」
「あはは……」
「いつまでいちゃついてるんだよ、コイツら……」


 ワイワイを騒ぎ始めたイッセー君のハーレムの子達、それを見ていた祐斗君達もいちゃつき始めてアザゼルさんがげんなりしてそう呟いた。


 その後も色んな施設を見て回った私達はお腹も空いてきたのでレストランに向かったの。


「やあイッセー、来ると思っていたよ」
「ココ兄!?サニー兄にセラフォルーさんまで!?」


 なんとココさんとサニーさん、セラフォルーさんがいたの!こんな偶然ってあるの!?


「どうしてここにココ兄達が?」
「イッセー、流石につまらないよ」
「ギャグで言った訳じゃねえよ!?」


 そんなやり取りをしながら私達も近くの席に座ったわ。


「丁度いい所で会ったな、イッセー。頼む!コイツを引き取ってくれ!」
「えー!なんでそんな酷い事を言うの!?」
「たりまえだろがっ!許可してねーのに付きまとわれる俺の身にもなれ!」
「ははは、サニー兄が翻弄されているのは面白いな」
「ざっけんな!」


 サニーさんは困った様子でセラフォルーさんを押し付けようとするが、ケタケタと笑うイッセー君にキレたわ。


「ははっ……まあ僕もすこしリラックスしたかったからこの馬車に乗ったんだ、そうしたら偶然サニー達とも出会ったという訳さ」
「セラが旅行に行きたいってうるさかったからな。髪を休めたかったし仕方なくだ」
「えへへ、サニー君との新婚旅行だよ!」
「付き合ってもいねぇだろうが!」


 嬉しそうにそう言うセラフォルーさんにサニーさんがツッコミを入れる、仲いいわね。


「数日に降りてキッスを呼んで目的の場所に向かうつもりさ。サニーもそうだろう?」
「ああ、俺も新しい相棒を見つけたからな。今度紹介してやるよ」
「そうなんだ、それは楽しみだな」


 どうやらサニーさんにもアニマルの相棒が出来たみたいね、一体どんな子なのかしら。


「所で二人は何処に向かうんだ?」
「俺はワック大陸の三途の道に続く森だ」
「三途の森?もしかして愚衛門さんに会いに行くのか?」
「ああ、そうだ」


 私は以前三大勢力をこの世界に連れてきたときに出会った愚衛門さんの事を思い出した。


「俺に足りないものはそいつが教えてくれると与作に言われてな、めんどーだけど行くことにしたんだ」
「ははっいつになくやる気じゃないか。そういえば前にグルメ界に入って死にかけて与作さんに助けられたって話を聞いたんだけどそれが原因か?」
「は?なにソレ?知らねーし。あんときはエステの予約思い出して帰っただけだし!」
「はいはい」


 負けず嫌いのサニーさんは必至にそう言うけどイッセー君は微笑ましい物を見る目でそう返した。サニーさんでも死にかけるってやっぱりグルメ界は恐ろしい所ね。


「そういえばイッセーたちはその愚衛門に会ってんだよな、どんな奴だった?」
「とにかくボーッとしてる人だったな、会話中にも意識が飛んでるくらいだった」
「はぁなんだそりゃ?大丈夫なのかよ?」
「実力は間違いなく超一流だ、絶対に会って損はないぞ」
「それならいいが……」


 そういえば前回愚衛門さんに会いに行ったときはサニーさんはセラフォルーさんに会いたくないって欠席してたんだったわ。結局セラフォルーさんは来なかったけど。


「ココ兄は何処に行くんだ?」
「僕はジダル王国付近だね」
「ジダル!?IGO非加盟地域じゃないか!犯罪者が我が物顔で横行する危険地帯だろ?」


 イッセー君はココさんの向かう場所に驚いていた。


「そういえば前にマッチさん達の住んでいる場所に近いのがジダルって話を聞いたわね、かなり危険な場所だって聞いたわ」
「法が適応しないからな、盗みに殺人、薬物や違法食材の流通など犯罪のオンパレードだ。俺達もいずれ行く事になるけどな」
「えぇッ!?そうなの!?イヤだわぁ……」


 アイスヘルで出会ったマッチさん達の住む場所がジダルに近い場所にあるって話を聞いたとリアスさんが話す。あの人たちは元気にしているかしら?


「でも二人も中々な修行をしているみたいだな」
「お前らの方がハードだろうが、あのゼブラと一緒に旅したなんて……俺はぜってぇパスしたいくらいだ」
「はは……そういえばゼブラ兄はいないのか?」
「ゼブラならグルメ刑務所から出された課題をこなしているんじゃないかな?まあすぐに終わらせそうだけどね、なにせフルコースを作ることに躍起になっていたからね」
「そうか、俺も負けていられないな」


 イッセー君はゼブラさんの話を聞いてやる気を出していた、負けたら小猫ちゃんを取られちゃうもんね。


「イッセー達は普通に旅行なのか?」
「ああ、夏の思い出作りだ」
「ふふっ、いいじゃないか。イッセーも学生生活を楽しんでいくといい。僕達は青春なんてなかったからね」
「……応っ!」


 ココさんの言葉にイッセー君は一瞬何かを考えこむようにしたけど直に笑みを浮かべて頷いた。


 ココさん達も色々あったみたいだし弟分であるイッセー君には楽しい思い出を沢山作ってほしいのかもしれないわね、良いお兄ちゃんたちだわ。


 その後私達は白毛シンデレラ牛のステーキ、『熊タイ』のアクアパッツァ、高級野菜のテリーヌを注文して食べたわ。


 ステーキはコラーゲンがたっぷりでジューシィだったしアクアパッツァは魚の身がほろほろで美味しかった、テリーヌも素材の味がしっかりしていたしどれも最高だったわ♡


 それから食事を終えた私達はココさん達も交えてグルメ馬車での生活を満喫していったわ。


「はっはっは!イッセーは弱ぇな!」
「おい!触手で打つのは反則だろう!」


 サニーさんが触手でテニスをしてイッセー君に勝ったり……


「わあぁっ!ココさんクレーンゲーム上手ですね!」
「こういうのは慣れてるのさ」
「店員がそわそわしながらこっちを見てるぞ」
「景品の山が出来たからな、仕方ない」


 ココさんのクレーンゲームの腕前にアーシアさんが感心していた。その横でゼノヴィアとイッセー君が景品をたくさん取られて顔を青くしてる店員の気持ちを代弁していたわ。


「~~~♪」
「ぷぷっ!よっ!アザゼル先生!日本一だし!」
「独特の歌い方だな」
「アザゼルちゃんは歌はイマイチだからね~」


 カラオケで歌うアザゼル先生をリンさんが笑いをこらえながら褒めていた。ココさんの言う通りなんか独特な歌い方だったわ。セラフォルーさんの話だとアザゼルさんは意外と音痴らしい。


「サウナに入った後に水風呂に入って外気を浴びる……たまらないわねぇ」
「うん、すっごく癒されるねぇ~」


 リアスさんと私はサウナに入り水ぶりで火照った体を冷やし外気浴をするコンボで整っていた。気持ちいい~。


「はぁ~、極楽ねぇ~」
「わたくし、身も心も溶けちゃいそうですわぁ~」
「あっ、イッセー先輩が女の人にマッサージしてもらってデレデレしています。後でお仕置きですね」


 エステで体をマッサージしてもらっているティナさんと朱乃さんが惚けた顔で夢心地の気分を味わっている。


 小猫ちゃんはイッセー君が女性のスタッフにマッサージしてもらってるのを見つけて嫉妬していた。重い女は嫌われちゃうぞ~、胸は軽いけど。


「ぶっ飛ばします!」
「わわっ!心を読まないでよぉ!」


 怒った小猫ちゃんに追いかけ回されるなどのハプニングはあったけど目いっぱい遊んだわ。


 楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていって夕方になってしまった。私達は屋外にある飲食店が並ぶスペースに来ていた。


「おっイッセーじゃねえか」
「あれ、ゾンゲじゃないか」


 そこで久しぶりにゾンゲっていう人と再会した、最後に会ったのってライフだったわね。


「お前らも来ていたのか、予約していたのか?」
「予約?なんだそりゃ?俺様の顔が効くからタダで乗れたんだぞ」
「実は福引で一週間の旅行券が当たりまして……」
「ああ、そういうことか」


 ゾンゲの部下の一人が事情を説明してくれた、ゾンゲって運だけは凄くありそうなのよね。


「まあいいや、お前らも一緒に食おうぜ」
「おうっ!たらふく食ってやるとするぜ!」


 そして私達は夕食を頂くことにしたわ。お店がいっぱいあって何処から行こうか迷っちゃうわねぇ……そうだ!全部いっちゃえばいいのよ!


「美味い!流石ジューシィな牛『ジューウシ』のローストビーフ!噛めば噛むほど甘い脂と噛み応えのある肉質が舌の上で踊るようだぜ!付け備えの血や骨、果物で作ったソースがまた肉に合うんだよな!」


 ジューウシのローストビーフを食べながらイッセー君は水晶コーラを飲む。


「……ぷはぁ!流石20年物の水晶コーラ!まるでシャンパンのような芳醇な香りに奥深い味わい!前に飲んだメロウコーラも美味かったがやっぱり俺は水晶コーラ派だな!肉との相性も抜群だぜ!」


 水晶コーラを飲み干したイッセー君が満面の笑みで美味いと言う、流石にお高いけどそんなこと考えていたら味なんて分かんなくなっちゃうわよね!美味しければ良し!


「んっ♡ストライプサーモンの中でも特に脂がのった『オオトロストライプサーモン』、舌の上でとろける脂にシャキシャキした『クリーム玉ねぎ』の触感が溜まらないですね」
「うんうん、猫又には溜まらない味だね、あむっ♡」


 小猫ちゃんと黒歌さんはストライプサーモンの玉ねぎ和えを美味しそうに食べていた。やっぱり猫の妖怪だから魚類が好物なんだね。


「ゲロルドのケバブ、相変わらず美味いな。ここのは特に脂がのっていて身もジューシィだ」
「確か100年生きたゲロルドらしいから肉が熟成されているみたいですね。ん~♡このグラタン最高級の『エンジェル牛乳』で作ってますね、まろやかでとってもクリーミーです♡」


 ゼノヴィアはゲロルドのケバブにがっついていた、ルフェイさんの話では100年生きたゲロルドの肉を使ってるから肉が熟成されていて美味しいみたいよ。


 そしてルフェイさんは熱々の具がたくさん入ったグラタンを頬張っていた。『マシュマロカボチャ』や『にんにく鳥』などの沢山の具が入っていて美味しそうね。


「この『レッドデビルハバネロ』のペペロンチーノ、凄い刺激的な味だね。でも嫌な辛さじゃなくてどんどん食べたくなってしまうような病み付きになる辛さだ、美味しい♡」


 祐斗君は辛そうなペペロンチーノを美味しそうに食べていた。見た目は唾液が出そうなくらいからそうだけど祐斗君は手を止めずに食べ続けていた。


「蟹ブタのウインナー、美味しいですぅ。これって蟹ブタの中でも更にランクの高い『上海蟹ブタ』ですよね?一匹150万はする高級な蟹ブタの身をギッシリ詰めていて満足感も凄いです♡」
「イッセーさんと小猫ちゃんが初めて一緒に冒険して食べたというガララワニのステーキ、脂もたっぷりのっていて舌の上で溶けちゃうくらいに柔らかくて……はうぅ、こんな美味しい物を食べたら罰が当たりそうです……でも止められませぇん♡」


 ギャスパー君は濃厚な蟹みそのような匂いが溜まらない蟹ブタのウインナーを美味しそうに齧っていた。アーシアさんは200年生きたガララワニのステーキを幸せそうに食べている。


 前に聞いたけどガララワニってイッセー君と小猫ちゃんが初めて一緒に冒険して捕獲した食材らしいわ、そういうのって羨ましいわね。


「ん~!このお好み焼き最高♡アーモンドキャベツや『カラスミ山芋』の生地にイカマグロや蟹ブタ、バターで包まれたタコ『バターコ』などの素材が完璧にマッチしていて様々な触感が楽しめるわ♡」
「あむっ……『薔薇牡蛎』に『ローズレモン』をかけたモノを生で頂く……贅沢な味ですわ♡」


 リアスさんはお好み焼きを、朱乃さんは薔薇牡蠣を生で味わっていた。


「あま~い♡この虹の実パフェ最高ね!
「ん~♡『バニラブの実』のアイス最高だし!」


 ティナさんとリンさんの女子コンビは甘いスイーツを堪能していた。


「くは~!『百粒ブドウ』のワインうめェ!ケバブやステーキと合わせると手が止まらねぇぜ!」


 アザゼルさんはワインと肉料理を交互に食べている。ワインってお肉に合うのかしら?早く飲んでみたいわ。


「んっ……流石『霜降りマグロ』の寿司、上質な脂ととろけるような身が極楽米と『王酢』の酢飯とよくマッチしているね」
「『美白豆腐』の麻婆豆腐、コラーゲンもたっぷりだし味もいい……んまっ!」
「はふはふ……このマルゲリータ、『ミネラルチーズ』と『ネオトマト』、そして『リフレッシュハーブ』の素材の味がしっかりしていて美味しい~♡」


 ココさんは直に鮮度が落ちてしまうため店に並ぶことが少ないと言われている『霜降りマグロ』の寿司を堪能していた。何と言ってもすぐそこで釣り上げた鮮度抜群のモノだから美味しいに決まってるわ!


 サニーさんは相変わらず美容効果のある食材をメインに食べてるしセラフォルーさんはマルゲリータピザを美味しそうに食べていた。


「お前らじゃんじゃん食え食え!俺様の顔がきいてるからタダみたいだぞ!」
「流石ゾンゲ様!この『味噌大陸』から取れた味噌を使った味噌ラーメン最高です!」
「ガハハ!俺様は豚骨ラーメンだ!おかわりぃ!」
(宿泊費がタダなだけで食事代は絶対かかるだろうな……)


 ゾンゲ達はラーメンを食べているわ。それぞれ『牛豚鳥』の豚骨ラーメン、『味噌大陸』から取れた味噌ラーメン、醤油バッタの醤油ラーメンを食べていた。


 でも部下の一人が顔を青くしてるのよね、大丈夫かしら?


「それにしても流石グルメ馬車ね、使われている食材が厳選された特注品ばかりだわ」
「普段よく食べている蟹ブタやアーモンドキャベツなども手間暇かけて作られた拘りぬいたモノばかりですわね」


 リアスさんはこの食事に使われている食材は普段私達が食べている者と見た目は同じだけど味が違うと驚いていた。朱乃さんの言う通り拘りぬいた一級品の食材なんだね。作ってくれた人たちには感謝しかないよ。


 その後私達は大浴場でゆっくりした後ドレスアップして広い会場に来ていた。どうやらパーティをしているみたいね。


「美しい音楽に歴史を感じさせる彫刻や絵画、そこに年代物の美味いワインを添えれば……美しい、すべてが調和している。イッセー、これが調和だ。分かるか?」
「ん?ああ、そうだな」
「聞いてねーし」


 サニーさんの話は難しくてよくわかんないわ。私とゼノヴィア、イッセー君はパーティに出されたオードブルを食べながらそう思った。


 後ゾンゲがドレスアップしてないからスタッフに呼び止められていたわ。あの人いつもあの格好ね。


「ねえねえサニー君、これからダンスが始まるんだって!私と踊ろう!」
「踊るなら俺は猫の方が……って引っ張んな!」


 ドレスを着たセラフォルーさんがサニーさんを引っ張っていった。どうやらダンスが始まったみたいね。


「イッセー君、私と……」
「先輩、踊りましょう」
「ああ、いいぜ」
「あっ……」


 イッセー君を誘おうとしたけど小猫ちゃんに先を越されてしまった。


「良かったら私と踊らないかしら?」
「リアスさん……」


 落ち込む私にリアスさんが声をかけてきた、私は彼女の優しさに感謝してリアスさんとダンスをすることにした。


「私こういう事したことないんだけど……」
「大丈夫、私の動きに合わせて」


 私は言われたとおりリアスさんの動きに合わせて体を動かしていった。最初はぎこちなかったけどリアスさんにリードしてもらったお陰でマシにはなったかな?


「これでイッセーとも踊れるわね」
「もしかしてリアスさん、その為に?」
「フフッ、頑張ってね」


 リアスさんはそう言うと朱乃さんに声をかけた。


「イリナ」
「あっ、イッセー君」


 するとイッセー君が側に来て声をかけてくれた。


「良かったら次一緒に踊ってくれないか?」
「えっ……」


 イッセー君はそう言って手を差し伸べてきた。私は一瞬驚いてしまい動きが止まってしまったけど直に思考を切り替えてその手を取った。


「うん、喜んで」


 そして私はイッセー君とダンスを始める、リアスさんのお蔭で何とか形にはなってる。


「イリナ、そのドレス凄く似合ってる。綺麗だ」
「イッセー君……」


 イッセー君に綺麗だと言われてドキドキしちゃう私、やっぱりイッセー君はカッコいいよ……


「ねえイッセー君、今夜時間ある?」
「今夜?」
「うん、今日はもっとイッセー君と一緒にいたいなって思って……」
「……ああ、いいよ。俺もイリナと一緒にいたい」


 勇気を出して誘ってみたけどOKを貰えた、嬉しい……


 その後ダンスを終えた私達は各自自由に過ごす事になった。アザゼル先生はカジノに行き他のメンバーもお風呂に行ったり売店に行ったりしている。


 そんな中私は寝室の一つにイッセー君とアーシアさん、ゼノヴィアと一緒に入って甘い時間を過ごしていた。


 イッセー君以外にもアーシアさんとゼノヴィアの二人を誘ったのは大切な親友だから。3人でイッセー君のモノになりたかったの。


「ん……♡」


 イッセー君に抱きしめられながら甘いキスを交わす私、すっごくドキドキしちゃって心臓が爆発しちゃいそう。


「イッセー、私も……」
「ああ」


 イッセー君は私から離れるとゼノヴィアを抱き寄せて唇を重ねた。ゼノヴィアのあんな表情初めて見たわ……


「アーシア、おいで」
「あっ……♡」


 ちょっと離れて見ていたアーシアさんを引き寄せてキスをするイッセー君、ちょっと奥手なアーシアさんもこれには嬉しそうにキスをしていた。


「イリナ、アーシア、ゼノヴィア……3人共愛してる。これからもずっと俺の側にいてほしい」
「うん、私はずっとイッセー君と一緒にいるよ。幼いころからイッセー君に首ったけなんだから♡」
「私も貴方を愛しています、イッセーさん。お婆ちゃんになってもずっとあなたの側にいさせてください♡」
「最初は戸惑ったけど今はお前と出会えた事を主に感謝している。私も愛してる、イッセー。本当の家族にしてくれ♡」


 そして私達は3人でイッセー君に愛してもらった。漸くイッセー君と身も心も結ばれることが出来たわ、パパとママに報告するのが楽しみね。

 
 

 
後書き
 ゼノヴィアだ。イリナには感謝しないといけないな、これで私もイッセーの家族になれたんだから。ふふっ、子供を作るのが楽しみだよ。


 さて次回だがグルメ馬車の旅を満喫した私はかつて出会ったボーノ氏から借りた列車で海に向かっている。


 イッセーに水着を選んでもらったから見せるのが楽しみだよ、それにガツガツカレーもね。


 次回第122話『真夏のプライベートビーチ!イッセー、美女たちの水着姿にタジタジ!?』で会おう。


 次回も美味しくいただきますだぞ。 
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