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夢幻水滸伝

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第三百九話 頭を潰せその九

「僕は今のうちに残った軍も連れてな」
「まだ十万程おるな」
「その十万の兵とモンスター達を連れてな」
 そのうえでというのだ。
「今のうちにや」
「撤退やな」
「そうすべきや、まだルイスさんもおるし」
 彼が率いている軍のことも頭に入れて話した。
「今のうちにインジアナ州に撤退して」
「そこで戦うな」
「そうすべきやと思うが」
「アンデットは食べることはない」
 既に死んでいる、人としての種族ではなくそうなっている彼等は既に死んでいるのでそうする必要が一切ないのだ。
「しかしドラゴンゾンビとか獣やモンスターのゾンビ以外はな」
「武器を持たんとな」
「確かな戦力にならん」
「獣やモンスターも装備出来るけどな」
 その武器それに防具をだ。
「それでさらに強くなれるが」
「それだけで普通にな」
「戦力になれるな」
「しかしな」
 それでもというのだ。
「そのままでもある程度はや」
「戦力になるな」
「充分な、しかし人のアンデットは」
「人は素手やと力が限られてる」
「そやから武器や防具、兵器がないとな」
 さもないと、というのだ。
「戦えんな」
「充分な」
「今その武器や兵器を備蓄していた街が奪われていってる」 
 ルイーザはあらためて話した。
「こんな状況やとな」
「もうやな」
「ゲリラ戦術も無理や」
「そやな」
「ここはもう然るべき街に軍を集結させる」 
 ゲリラ戦術を中断してというのだ。
「そして集結が完了次第や」
「インジアナ州にまで撤退するな」
「あの州のインディアナポリスやな」 
 この街だというのだ。
「あそこまでや」
「撤退するな」
「まずはまだスプリングフィールドに敵は迫ってへん」
「あの街に軍を集結させるな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「そこから西に退く」
「インディアナポリスまでな」
「そうしよ、ほな今すぐにや」
 ルイーザは無表情だが真剣な声で言った。
「軍の集結に入るで」
「スプリングフィールドに」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「後詰はあたしのアンデットが引き受けるから」
「撤退やな」
「それに入ろうな」
「考えてることが一緒でよかった」
 ギンズバーグはルイーザとここまで話してこのことがわかったと思ってほっした様な微笑みになって話した。
「ほんまな」
「あたしも状況見てや」
「撤退しかないってやな」
「結論を出さざるを得んかった」
「僕と同じくやな」
「ここで無理して戦ってもな」
 ゲリラ戦術を執り続けてもというのだ、実際既にそれははじめていた。
「それでもな」
「続けられんな」
「物資がなくてはゲリラ戦術も出来ん」 
 ルイーザもわかっていた、このことが。 
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