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夢幻水滸伝

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第三百八話 ケンタッキー州占領その一

                第三百八話  ケンタッキー州占領
 ギンズバーグはケンタッキー州の境に築いた幾重もの防衛ラインを破られてもまだ諦めていなかった。
 彼は軍をケンタッキー川の水運や航空機、術や道具それにトラックも使い軍を速やかにレキシントンまで後退させた、そのうえで。
 レキシントンとその周辺の諸都市を要塞化させた、そして十三万の兵を以て守りを固めたが。
 兵器の集まりを見てだ、彼は将兵達に話した。
「随分やられたからな」
「はい、兵器もです」
「少なくなっています」
「戦車も大砲も」
「特に航空機が」
「一番痛いのは航空機を多く失ったことや」
 このことを言うのだった。
「やっぱりな」
「左様ですね」
「そのことが大きいですね」
「何と言っても」
「今の我々にとっては」
「ああ、しかも州の軍事基地や軍需工場に攻撃を受けてな」
 爆撃によるそれをというのだ。
「損害が出てる」
「はい、我々が撤退してです」
「レキシントン等を要塞化する間にもです」
「敵軍は空から攻撃を行い」
「そうしたものを破壊しました」
「爆撃はほんま厄介やな」
 苦い貌でだ、ギンズバーグは述べた。
「実に」
「左様ですね」
「戦力がどんどん失われます」
「予備のものまで」
「そうなってしまっています」
「厄介や、しかしそれでもな」
 見ればギンズバーグの目は死んでいない、敵軍がいる南の方を見てきっとした顔になって言うのだった。
「戦は続いてるし降参する気もな」
「ないですね」
「ギンズバーグ様も」
「左様ですね」
「まだ僕の指揮下には十三万の将兵がいてくれてる」
 今そこにいる彼等がというのだ。
「そやからな」
「まだですね」
「諦めるおつもりはないですね」
「戦われますね」
「そうされますね」
「兵器は確かに減った」
 このことは認める、しかしという言葉だった。
「そやけど十三万の軍がおってレキシントンとかも要塞化してな」
「後方から補給儲けています」
「失った兵器も補充されます」
「シカゴ等から兵器や弾薬が送られ」
「それも出来ています」
「それやと諦めることはない」 
 こう言うのだった。
「そやからな」
「はい、ここはですね」
「戦いますね」
「諦めることなく」
「そうされますね」
「そうするで」
 自身の神具であるワイアット=アープの銃も出した。そのうえで自ら軍を指揮していた。その彼等の方にだった。
 メルヴィルは七十万の軍を率いて向かっていた、その中で。
 彼は空を飛ぶ爆撃機達を見てだ、仲間達に言った。
「ケンタッキーの敵の軍事基地に工場をな」
「攻撃してですね」
 フォークナーが応えた。
「そのうえで」
「そや、敵の戦力を奪うんや」
「戦略爆撃ですね」
「今はケンタッキーに行ってるけどな」
「これからはですね」
「敵の勢力圏全体にな」
 その中にある敵の基地や軍需工場をというのだ。 
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