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夢幻水滸伝

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第三百七話 クリーブランドの戦いその十四

「ええな」
「はい、それを進めます」
「こっちが先にケンタッキーを掌握してや」
 メルヴィルはそうなった場合のことも話した。
「インジアナに向かうとな」
「それならそれで、ですね」
「ええ、インディアナポリスやリッチモンドを攻めて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「オハイオ州の南部をですね」
「牽制するからな」
「その場合はですね」
「戦略は柔軟にやらんとな」
 メルヴィルはこの言葉を笑って出した。
「やっぱりな」
「あきませんね」
「そや、それでや」
「そこはケースバイケースですね」
「それでいくで」
「それでは」
「そしてな」
 メルヴィルはさらに話した。
「ホーソーンにも言うけどな」
「デトロイトのことですか」
「実は今はまだデトロイトは陥落させんでええ」
 その必要はないというのだ。
「牽制でや」
「ええですか」
「そや、ルイスとあいつの軍を引き付けてな」
「その間にですね」
「こっちの戦略を進めるんや」
「オハイオ州とケンタッキー州を攻めて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「インジアナにな」
「達しますね」
「そうするんや」
 こう言うのだった。
「今はな」
「だからデトロイトそしてミシガン州はですね」
「その後や、インジアナも掌握したら」
 この州をというのだ。
「もうミシガンも連中の本拠地のシカゴがあるイリノイもな」
「攻められますね」
「そうなるさかいな」
 だからだというのだ。
「今はな」
「デトロイトはええですね」
「牽制でな」
「攻めても」
「陥落は狙ってもな」
 ホーソーンがというのだ。
「そやけどな」
「攻め落とせればよしで」
「それが出来んでもな」
「それもよしですね」
「航空機を向かわせても」
 メルヴィル達の切り札の一つと言っていいそれもというのだ、事実彼等は航空戦力の優位性もかなり活用している。
「艦載機含めてな」
「空母に搭載している」
「それでもや」
「積極的にはですね」
「攻めてもな」
「攻め落とすのは可能ならで」
「絶対やない」
 今現在デトロイトについてはというのだ。
「そうしてくで」
「わかりました、ほな」
「そういうことでな」
「攻めていきますね」
「それぞれの役割決めてな」
 こう言ってだった。
 メルヴィルはボームにまずはオハイオ州北部の掌握を言った、そしてホーソーンにもデトロイトに向かわせた。クリーブランドを攻め落としても東の戦はまだ序盤であった。


第三百七話   完


                    2023・5・23 
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