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夢幻水滸伝

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第三百七話 クリーブランドの戦いその十三

 ボームは撤退する敵軍を積極的に追撃せずまずはクリーブランドの占領を行わせた、そうしてだった。
 メルヴィルにこのことを話すと彼はこう言った。
「そうしてくれるか、そしてな」
「北部を掌握してですね」
「それが整ったらな」
 その後でとだ、ボームに貝殻から話した。
「州の南部にな」
「兵を進めますね」
「エミリーちゃんと一緒にな、ただデトロイトの方にな」
「ルイス君が来ますね」
「そうしてくるわ、オハイオの北を掌握したらな」
 そうなればというのだ。
「エリー湖の制湖権もな」
「手に入りますね」
「そうなるとな」
「相手もですね」
「ミシガンの守りを意識せざるを得ん様になる」
「オハイオ州そしてエリー湖から兵を送られるので」
「そや、それでや」
「今はシカゴにいて全体の采配を執るルイス君もですね」
「ミシガンのな」
 この州のとだ、メルヴィルは強い声で言った。
「エリー湖とヒューロン湖の間にあるそして重工業も発達したあの州最大都市のな」
「デトロイトにですね」
「大軍と一緒に入るわ」
「そうなりますね」
「今あいつの手元には八万の軍がおるけどな」
「その八万の殆どを連れてデトロイトに入りますね」
「そうなるわ」
 こう言うのだった。
「必ずな」
「そうですね、戦略的に」
「相手は余裕がない」 
 メルヴィルはこのことを看破してボームに語った。
「三十万の兵で星のモンは三人」
「こちらが百万を向けているのに対して」
「水軍もそうしてな」
「それに対してですね」
「そや、その八万の兵をデトロイトに入れて」
「ルイス君も来て」
「そうでもせんとな」
 頭の中にアメリカ五大湖沿岸部の地図を出しつつ語った。
「あの連中は守れん」
「そうした状況ですね」
「そやからな」
「ここはですね」
「デトロイトにはホーソーンを向かわせる」
「そうしますね」
「そして自分とエミリーちゃんはな」
 二人の執るべき戦略のことも話した。
「南下してな」
「コロンバスに向かいますね」
「五万をオハイオの北の守りと予備に置いてな」
 そうしてというのだ。
「そしてや」
「コロンバスに向かいますね」
「そや、その五万は予備戦力からな」
「向かわせますか」
「今からその手配をするからな」
 その五万の軍をオハイオ州北部に向かわせることのそれをというのだ。
「自分等はな」
「三十万の軍勢で南下ですね」
「そうしてもらうで、コロンバスを陥落させたら」
 それからのこともだ、ボームに話した。
「シンナシチとかな」
「オハイオ州南部の掌握ですね」
「それを行ってもらうで」
「そうしますね」
「わし等はケンタッキーを攻めてるが」 
 自分達の今の動きもだ、メルヴィルはボームに話した。
「この州を掌握したらインジアナにや」
「兵を進めますね」
「そうするけどな」
「オハイオ州を掌握していますと」
「そのインジアナを東から牽制出来るからな」
 そうなるからだというのだ。 
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