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夢幻水滸伝

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第三百七話 クリーブランドの戦いその十二

 それを見てだ、ルイーザに周りが言った。
「敵が城内に入りました」
「軍事施設や基地に向かっています」
「如何されますか」
「今はどうされますか」
「城の中に入られたか」
 苦い貌でだ、ルイーザは周りを見回し状況を確認して周りに応えた。
「こうなったら撤退しかないわ」
「はい、これ以上戦ってもです」
「損害を出すだけと思われます」
「多くの敵兵が城内に入ってきています」
「この勢いは抑えられないです」
「クリーブランドがこの辺りの最大の軍事拠点や」
 ルイーザはこのことも言った。
「ここを攻め落とされるとコロンバスかミシガン州のデトロイトまで確かな軍事拠点は存在せえへん」
「はい、そうなります」
「我が軍から見て」
「そうした状況になります」
「今ケンタッキー州ではギンズバーグが頑張ってる」 
 ルイーザはこのことも言った。
「そやからな」
「はい、ここはですね」
「そうしたことも考えて」
「そのうえで、ですね」
「戦うで、デトロイトに退いたらオハイオ州の南からルイジアナ州まで守りが全くなくなる」
 頭の中にこの世界のアメリカの地理を出しつつ話した。
「そやからな」
「ここはですね」
「コロンバスですね」
「あの街まで下がりますね」
「デトロイトはどっちみちルイスさんに頼むしかない」
 この街はというのだ。
「あそこはエリー湖とヒューロン湖の出入り口にあってな
「あの街を攻め落とされるとヒューロン湖に入られます」
「今我々が掌握しているその湖をです」
「そうなります」
「そやからルイスさんに行ってもらって」
 デトロイトにというのだ。
「頑張ってもらう」
「あの方にですね」
「デトロイトはお任せして」
「そしてですね」
「あたし達はコロンバスに向かうで」
 こう言ってだった。
 敵軍が城内に入られたことを受けて形勢が決したと判断したルイーザは即座に軍をコロンバスに撤退させることにした、その際だった。
 ボームと戦っていたアンデット達を彼との戦闘からかなり引き抜いて後詰とした、そうして彼等を盾として軍を退かせるが。
 それを見てだ、ボームは言った。
「これは容易にはです」
「進めないですね」
 エミリーに命じられ彼の周りを護衛していたメデューサの首が彼の傍を漂いつつ応えてきた。
「敵を攻めようにも」
「はい、何十万ものアンデットが盾ですと」
「七万の軍勢での追撃は難しいですね」
「ワテクシも攻撃に参加しますが」
 撤退する敵軍のだ。
「そやけどです」
「撤退する敵軍への攻撃はですね」
「難しいです、それよりもです」
 ボームは首に話した。
「このクリーブランドにです」
「その周辺の掌握をですね」
「進めましょう、オハイオ州の北東部をです」
 この地域をというのだ。
「掌握しましょう」
「今はですね」
「この街を掌握して」
「そのうえで、ですね」
「そうしましょう、無理な追撃はです」
 これはというのだ。
「慎みそのうえで」
「クリーブランドの掌握とですね」
「オハイオ州北部の掌握ですね」
「それにかかりますね」
「そうしますね」
「それが戦略的に正しいです」
 こう言ってだった。 
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