夢幻水滸伝
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第三百六話 二重三重と敷いたものをその十
「大事なことが一つある」
「最初に進ませるのは戦車隊っすね」
「そして装甲車でな」
「その後騎馬隊っすね」
「これは速度と防御力だけやない」
戦車達のそうしたことも頭に入れて言うのだった。
「キャタピラでな」
「砲撃で荒れた場所を平らにするっすね」
「そうするんや、馬が最初に進むとな」
「砲撃の後のクレーターとかに足を取られるっすね」
「軍馬でも足を取られるとな」
「こけたりするっす」
「そうなるさかいな」
このことを考慮してというのだ。
「まずはな」
「戦車っすね」
「そや、戦車を最初に出して」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「突っ込むっすね」
「そしてキャタピラをローラー替わりにして」
「平らにするっすね」
「ああ、ええな」
「わかったっす」
セリューは確かな声で答えた。
「そうさせてもらうっす」
「そういうことでな、地雷原があればあるでや」
「やり方があるっすね」
「そや」
まさにというのだ。
「それをやるで」
「わかったっす、ほな」
「皆動いてもらうで」
こう話してそしてだった。
全軍で動きだした、まずは地雷原に対して砲撃が行われフォークナーがサラマンダーを用いた。そうすると。
地雷達は吹き飛ばされ燃やされ誘爆もしていった、派手な爆発が続いて地雷原で起きてそうしてだった。
そこはクレーターだらけの場所になった、メルヴィルはそこにセリューが率いる戦車達機械化部隊や騎馬隊を突っ込ませた。
戦車隊はキャタピラで荒れ地を進んでいき敵の防衛ラインを突破した、鉄条網があろうともそこも砲撃で破壊されていた。
その鉄条網も突破した頃。
メルヴィルは爆撃機隊に彼等の限界高度から敵の対空陣地に爆撃を行わせた、当然敵軍も爆撃を行うが。
「届きませんね」
「ああ、相手の高射砲や対空砲の技術やとな」
メルヴィルは彼等を率いる中で自身が乗るグリフォンに応えた。
「この高さまではな」
「攻撃が届かず」
「こっちの爆撃をな」
「受けるだけですね」
「流石に八千メートルもの高さやと」
それだけならとだ、メルヴィルは言った。
「そうそうな」
「今の技術ではですね」
「届かん、もっともこっちもな」
「限界です」
「これ以上の高度まで上がるとな」
「機体がもちません」
グリフォンも言った。
「またパイロットの方々も」
「これだけ高いとかなりの寒さや」
「浮島なら気温は高いが」
「あちらは自然があり草木が気温を調整してくれるので」
「そやけどな」
「空中ですと」
「気温があまりに低くてな」
それでというのだ。
「中々や」
「厄介ですね」
「爆撃機は密閉型でもなければ煖房もない」
そのどちらもというのだ。
「そやからな」
「服を着るしかないですが」
「あまりにも寒いからな」
それ故にというのだ。
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