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夢幻水滸伝

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第三百六話 二重三重と敷いたものをその九

「地雷を全部破壊してや」
「無力化しますか」
「地雷原は基本避けるもんや」 
 そこにそれがあるとわかっているのならというのだ、踏めば爆発し自分達を死傷させるものに自ら突っ込む愚か者はいないということだ。
「しかし避けた先にこそな」
「堅固な守りがありますね」
「逆に言うと地雷原の先は守りが緩い」
「ほなそこを攻める」
「そうするさかいな」
 だからだというのだ。
「ここはや」
「地雷原を攻撃する」
「そして地雷を全部破壊してな」
「そこを進みますね」
「そうするで、幸い術を使えるモンも大砲も多い」
 その破壊するべきものは備えているというのだ。
「そして砲弾もや」
「充分にあります」
 補給を担当しているヴォネガットが言ってきた。
「そちらも」
「そやからな」
「ここはですね」
「術や大砲を使ってな」
「地雷原自体を攻めますね」
「そうする、ええな」 
 仲間達に告げる様にして言った。
「この度は」
「わかりました、ほな」
 ヴォネガットがその言葉に応えた。
「その様にしていきましょう」
「あと今回空軍はまず高高度爆撃をするわ」
 メルヴィルは今度は空軍の話をした。
「敵の高射砲や対空砲があまり届かん高さからな」
「戦略爆撃ですか」
「いや、戦術やけどな」
 こうヴォネガットに返した。
「今回奇襲で対空陣地攻撃せんからな」
「そやからですか」
「まずはな」
「敵の攻撃が届かへん範囲からですか」
「出来るだけな、爆撃機の行ける高さぎりぎりまで上がってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「そこからですか」
「爆撃を行う、正確さはな」
 この問題はというと。
「もうな」
「求めへんですか」
「その範囲を破壊させられたらええ」
 それでというのだ。
「もうな」
「そうですか」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「もうな」
「正確さは求めへんで」
「こっちの爆撃機の限界高度まで上がってな」 
「爆撃を行い」
「敵の対空陣地を破壊してな」
「それからですか」
「本格的にな」
 空軍をというのだ。
「投入するで」
「わかりました、そちらもですね」
「やってくで、そして突撃はな」
 地雷原それに対空陣地を破壊した後のことも話した。
「セリューちゃんが先頭や」
「了解したっす、騎兵も戦車隊も率いるっす」
「攻めるんや、ただな」
 メルヴィルはセリューに注意する様にして告げた。 
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