夢幻水滸伝
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第三百六話 二重三重と敷いたものをその八
「ええな」
「わかりました」
「あと今回はジェーンちゃんは正攻法や」
彼女にはこう言った。
「地中を潜って敵の後方に出ることはな」
「せえへんですか」
「ああ、一度使った手はな」
これはというのだ。
「二度はや」
「用いへんですね」
「少なくとも連続ではな」
「しませんね」
「そや、それでや」
「今度は地中は攻めへんですね」
「相手も対策位講じてる」
地中から進み後方に出てそこから攻撃を仕掛ける戦術に対してというのだ。
「これをやると確かに奇襲出来るけどな」
「歩兵しか進まれへんです」
「そや、騎兵や戦車隊はな」
「そうしたものが通れるまで大きい道はそうは容易出来へんです」
ジェーンもこのことを把握していて話した。
「すぐに。それに見付からへん様にするには」
「大きなトンネルを掘るにはそれだけの手間がかかるからな」
「僕ちんの土竜爪でも」
「それでや」
「騎兵や戦車隊は難しいです」
「送れる部隊も限られてるしな」
「そうですね」
「地中を進めるモンスターを使ってもな」
戦力として使役しているモンスター達の中にはそうした種類も存在しているのだ、ここには獣も入っている。
「やっぱりな」
「時間がかかりますね」
「そやからな」
「どうしてもですね」
「進ませられる部隊は限られてる」
そうだというのだ。
「そやからな」
「それ故に」
「歩兵それも軽装や」
「それやと備えられますね」
「出て来ると思われる場所に兵を置くか」
「大抵こうした時は攻める場所は限られますね」
「こっちから見て真っ先に潰したいとこやからな」
ジェーンに真剣な顔で答えた。
「前は対空陣地とかトーチカとか砲塔やったな」
「こっちの立場で考えると一目瞭然ですね」
「それがわからんギンズバーグやない」
敵軍を率いる星の者である彼のことも話した。
「それやとな」
「その出てくる場所に兵を置くことも容易です」
「地下を進んでも音がするしな」
メルヴィルはこのことも話した。
「対策はや」
「立てられますね」
「そやからな」
「今回は地中からは攻めへん」
「別のやり方でいくで」
「そうしますか」
「ああ、自分も攻撃に参加してもらう」
正面からのそれにというのだ。
「ええな」
「わかりました」
ジェーンもそれならと応えた。
「やらせてもらいます」
「そういうことでな、それで地雷原をどうするか」
メルシルはあらためて今回の攻勢の主題のことを話した。
「除去部隊は送らん」
「それで私がですね」
またフォークナーが言ってきた。
「サラマンダーで燃やして誘爆させ」
「破壊する、そして自分以外にもな」
フォークナーが行うだけでなくとだ、メルヴィルは言うのだった。
「部隊の術や砲撃でや」
「地雷原を破壊しますか」
「その範囲全体を攻撃してな」
地雷原自体をというのだ。
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