夢幻水滸伝
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第三百六話 二重三重と敷いたものをその七
「何もないしや」
「誰も入らないっすね」
「何も置く必要がないからな」
「地雷があるからっすね」
「そして入ったらな」
「ドカン、っすね」
「そや、それでや」
そうした場所だからだというのだ。
「何もなくてな」
「誰も出入りしないっすね」
「そや、しかしな」
「それでもっすね」
「地雷原も突破の仕方がある」
メルヴィルは確かな声で話した。
「エカテリーナちゃん達は罪人歩かせるがな」
「後ろに督戦隊置いてっすね」
「そうして除去するけどな」
「あの人達らしいっすね」
「ほんまな、まあわしも罪人には容赦せんが」
このことは彼も同じだ、星の者で凶悪犯の人権を考慮する者は欧州の者達位のものである。兎角少ないのだ。
「しかしな」
「それでもっすね」
「そうしたことはせん」
「そうっすね、メルヴィルさんは」
「凶悪犯は処刑のうえ魂消してや」
「終わりっすね」
「それでええ」
尚消された魂はすぐに生まれ変わり次の生に入る、それが天国か地獄か人以外の生きものかは生前の行いによる。
「別にや」
「地雷原歩かせることはないっすね」
「そや、それで地雷原の突破はな」
あらためてその仕方を話した。
「除去作業もあるが」
「それは難しいです」
フォークナーが言ってきた。
「それを行いますと」
「手間がかかってな」
「そこを攻撃されます」
「敵もそれを狙って地雷原の向こうに部隊置いてるしな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「それはです」
「出来んわ」
「そうですね」
「それでや」
メルヴィルは笑って話した。
「自分にやってもらいたいんや」
「私ですか」
「自分のサラマンダーでな」
この神具でというのだ。
「思い切りや」
「焼き払いますか」
「そや、地雷も火薬や」
それが中にあるというのだ。
「踏んだら爆発するな」
「そうした火薬を用いた兵器ですね」
「そやろ」
「はい、要するに」
「それでや」
「火薬なら火に即座に反応しますね」
「その名前通りな」
火の薬、そう書く通りにというのだ。
「そやな、それでや」
「ここはですね」
「自分のサラマンダーで地雷原自体を攻撃してな」
「火炎を放射して」
「爆発させるんや、出来るな」
「はい」
即座にだ、フォークナーは答えた。
「長距離、広範囲に火炎を放つこともです」
「サラマンダーは出来るな」
「キロ単位で」
「ほなな」
「そのサラマンダーで、ですね」
「焼き払ってくれ」
こう言うのだった。
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