夢幻水滸伝
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第三百六話 二重三重と敷いたものをその六
「そやからな」
「それで、ですね」
「ここはですか」
「一旦後方まで退き」
「後方の友軍と合流し」
「そしてですね」
「また戦うで、こうしたこともあろうかと防衛ラインを何重にも敷いた」
突破されることも考慮してというのだ。
「そやからな」
「はい、ここはですね」
「退きますね」
「そうしますね」
「そうするで、今度は重厚な地雷原もある」
次の防衛ラインはというのだ。
「それも頼りにしてな」
「そうしてですね」
「守りますね」
「そうしますね」
「そうするで」
こう言ってだった。
ギンズバーグは手遅れになる前に軍を後方の防衛ラインまで撤退させた、ジェーンと彼女が率いる軍勢に後方を攻められ空からも攻撃を受けてもだ。
術や道具も使い撤退させた、車両も使えるものを全て使ってだった。
撤退にかかった、敵軍の攻撃に対しては。
ギンズバーグ自ら迎え撃った、そうしつつ将兵達に言うのだった。
「ええか、負傷者からや」
「撤退させる」
「そうしますね」
「この度は」
「そや、見捨てることはあかん」
それは絶対にというのだ。
「そしてや」
「はい、そのうえでですね」
「撤退し」
「次の防衛ラインまで下がりますね」
「そうする、皆で下がるで」
神具のワイアット=アープの銃まで用いてだった。
フェアリー族特有の羽根も使って飛び周りもして采配を執り戦った、そして軍を後方まで下がらせたのだった。
だが何とか第二の防衛ラインまで退いたところで彼は歯噛みした。
「損害は二割か」
「はい、それ位です」
「捕虜も多く出してしまいました」
「損害は馬鹿に出来ません」
「そやな、これがメルヴィルさんか」
敵の棟梁である彼のことを思うのだった。
「まさにな」
「左様ですね」
「流石は神星の方ということでしょうか」
「六将星であられる」
「そういうことでしょうか」
「そういうことやな、しかし何もせんで負けるつもりはない
ギンズバーグは強い声で述べた。
「そやからな」
「はい、ここはですね」
「この防衛ラインで戦いますね」
「今度は」
「そうしますね」
「そうするで」
こう言って守りを固めた、そしてだった。
再びメルヴィル達を迎え撃つことにした、彼はまだ戦うつもりだった。
その第二の防衛ラインの前まで進軍してだ、メルヴィルは唸った。
「最初のやつより堅固やな」
「そうっすね、地雷原がある分っす」
セリューもその防衛ラインを見て唸って言った。
「そうっすね」
「地雷があるとな」
「非常に厄介っすね」
「地雷原は特徴がある」
メルヴィルはその場所の識別の仕方を述べた。
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