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夢幻水滸伝

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第三百六話 二重三重と敷いたものをその五

「それでも今は逃げる敵はです」
「追わないですか」
「では対空砲や高射砲を破壊する」
「それに専念しますね」
「そうして下さい、対空陣地さえ破壊したら」
 そうしたならというのだ。
「敵の空への守りはなくなりますさかい」
「こちらの空軍が思う存分戦える」
「そうなりますね」
「まさに」
「そうなります、そやからその様にお願いします」
 こう言って将兵達を率いつつだった。
 ジェーンは自ら先頭に立って戦いそのうえで五大湖側の対空陣地を破壊していった、そうして瞬く間に五大湖側の対空防御を無力化した。
 するとだ、メルヴィルはその状況を見てすぐに指示を出した。
「敵軍を空から攻撃するで」
「そうしますか」
「これより」
「そしてそのうえで、ですか」
「敵に強烈な一撃を与えますか」
「そうするで、砲撃は行われてる」 
 フォークナーそれにヴォネガットが盛んにさせていた。
「そうしてるからな」
「ここはですね」
「我々も攻める」
「そうしますね」
「そや」
 自らグリフォンの背に立ちそのうえで言うのだった。
「ここはな」
「わかりました、ではです」
「これより敵地上部隊に攻撃を仕掛けます」
「爆撃と機銃攻撃を」
「それを行います」
「頼むで、ロケット弾もな」
 この兵器もというのだ。
「使ってもらうしな」
「はい、それでは」
「これより攻撃に移ります」
 パイロットそして飛兵達はメルヴィルに答えてだった。
 それぞれ空から攻撃を開始した、爆撃に機銃掃射とロケット弾発射が豪雨の様に降り注ぎそれによってだった。
 トーチカに鉄条網、塹壕に大砲や戦車が吹き飛ばされていった、頑丈なコンクリートが粉々になり鋼鉄の兵器が赤くなり飛び散る。
 敵の進軍を阻む鉄条網も壊された、ギンズバーグはその状況を見て言った。
「これはあかん、後方からや」
「はい、敵が出て来ました」
「どうやら地上から」
「そしてそれによってです」
「まず対空陣地が破壊され」
「そして空からの攻撃で防衛ライン全体が破壊されています」
 将兵達が次々に言ってきた。
「これは大変です」
「どうされますか」
「ここは」
「敵の砲撃も激しい」
 ギンズバーグはそれも見て言った。
「しかも敵の戦車隊や騎兵隊もや」
「攻めようとしていきていますね」
「鉄情報や大砲が破壊されたのを見て」
「そのうえで」
「塹壕があってもな」
 実際にギンズバーグも今はその中にいる、そこから敵の状況を見て自分が率いている将兵達に応えているおだ。
「それでもな」
「限度がありますね」
「これではです」
「守り切れません」
「撤退するしかない」
 苦い顔でこの決断を下した。
「こうなったらな」
「そうですか、では」
「これよりですね」
「撤退しますね」
「後方まで」
「まだ後ろに防衛ラインがある」
 それがというのだ。 
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