夢幻水滸伝

「ほんまにな」
「突破にかかりますね」
「そや、それでヴォネガットもな」
　彼にも声をかけた。
「後方のこともやってもらってるが」
「この度はですか」
「そや。列車砲があるな」
　ヴォネガットにこの兵器のことを話した。
「あれを前線に出してな」
「用いますね」
「列車砲は線路の上でしか動けんが」　
　これは鉄道であるから当然である、線路上では如何にも移動出来るが逆に言えばその上でしか動けないのだ。
「幸い前線まで線路は敷かれてるからな」
「そやからですね」
「前線までな」
「出てですね」
「攻撃に参加してもらうで」
「わかりました」
　ヴォネガットも頷いて応えた。
「ほな」
「そういうことでな、そしてセリューちゃんはな」　
　彼女にも声をかけた。
「戦車を前に出してな」
「突撃っすか」
「敵の側面に回ったりしてな」
「その動きを見せるっすね」
「そや、そしてや」
　そのうえでというのだ。
「攻めてもらうで」
「わかったっす」
　セリューは笑顔で応えた。
「そうさせてもらうっす」
「そういうことでな、ほなな」
「これからっすね」
「それぞれ頼むで」
　こう言ってだった。
　メルヴィルは全軍で以て動いた、ジェーンは密かに穴を掘って敵の後方に向かいその間他の四人はそれぞれ攻撃を仕掛けた。
　ギンズバーグはその攻撃特に砲撃を見て言った。
「これは危ういな」
「それではですね」
「砲撃に対しますね」
「そうしますね」
「そや、術も使ってな」
　そうしてとだ、将兵達に話した。
「敵の砲撃を防ぐで」
「わかりました」
「ではそちらに集中しましょう」
「砲撃を防ぎましょう」
「それに将兵達は塹壕に入ってな」
　ギンズバーグはその対処も話した。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「敵の攻撃を防ぐ」
「そうしますね」
「この度は」
「こうしてくるとも思ってたしな」
　メルヴィル達が優勢な火力を用いて攻撃することはというのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「この度はですね」
「塹壕に入り」
「攻撃をやり過ごしますね」
「まず損害を出さんことや」
　最も大事なことはというのだ。
「そやからな」
「はい、ここはですね」
「塹壕に入り」
「敵の攻撃をやり過ごし」
「損害を防ぎますね」
「そうするで」
　こう言ってだった。
　ギンズバーグは自分が率いる軍勢に砲撃へへの対処をさせた、術で防ぎ将兵達を深く掘り居住環境も整えた塹壕の中に入れてだった。
　そのうえで防がせた、そしてその塹壕の中からだった。