夢幻水滸伝
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第三百五話 東と南からその十二
「そうしてくで」
「わかりました」
「それとケンタッキーはギンズバーグが主に守ってるな」
今度は敵の話をした。
「あいつはフェアリーの牧童やな」
「それで神具はワイアット=アープの銃でしたね」
ヴォネガットはこちらの話をした。
「そうでしたね」
「ああ、ルイスとルイーザちゃんもおるけどな」
「あの州は元々彼の出身で勢力圏で」
「治めてたしな」
「防衛もですね」
「あいつがしてるな」
「ではですね」
メルヴィルに顔を向けて言った。
「ギンズバーグ君のこともですね」
「考えるで、まあ皆知ってるな」
その彼のことはというのだ。
「そやな」
「明るくて気さくっすよ」
セリューが笑って答えた。
「いつもにこにこしていて公平っす」
「剽軽でもあるな」
「アニメのロボットのプラモ集めが趣味っす」
「ああ、機動戦士系のな」
「確か実家がケンタッキー州で大きな会社をしていて」
「お金持ちやな」
「そうだったっす」
このことも話されるのだった。
「だからお洒落でもあるっす」
「ええ奴と言ってええな」
「そうっすよ、いい人っすよ」
「そやな、ただ戦闘については」
メルヴィルは彼のこのことを考えて話した。
「これはルイスもルイーザちゃんもやが」
「格闘戦や指揮は私達に劣るっすか」
「ギンズバーグは牧童でや」
その職業でというのだ。
「あっちの棟梁でもあるルイスは医者、ルイーザちゃんはゾンビマスター」
「どれも格闘は不向きっすね」
「それで軍を率いて戦うにしても」
こちらもというのだ。
「ちょっと専門やない」
「そうっすね」
「ゾンビマスターがかろうじてか」
「ルイーザちゃんはそうっすね」
「屍を操るしな、そう考えたら」
「あの娘はそれも出来るっすね」
「しかしわし等には劣る」
こう言うのだった。
「軍の指揮はな」
「そう考えてええっすね」
「そやな、ただ銃撃と遠距離戦が得意か」
「ギンズバーグ君はそうっすね」
セリューもそれはと応えた。
「牧童と言ってもガンマンに近いっす」
「というかカウボーイやな」
ここで言う牧童はというのだ。
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