夢幻水滸伝
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第三百五話 東と南からその八
「航空機には弱点が多い」
「天候に弱いですね」
「そや、特にな」
吹雪の中で吹き飛ばされ乱れ飛ぶ敵機達を見てグリフォンに応えた。
「ああしたな」
「コクピットが出ているものはですね」
「雨とか雪それに風にや」
「弱いですね」
「コクピットがガラスで覆われてたら」
それならというのだ。
「もうな」
「それで雨や雪を防げますね」
「そうやけどな」
それでもというのだ。
「ああして空いてるとな」
「それで、ですね」
「天候に特に弱い」
「だからですね」
「ここは狙う、パイロットに何かあれば」
雨や雪を受ければというのだ。
「操縦に影響が出る」
「操縦に影響が出ればですね」
「それでや」
「航空機は満足に動けなくなります」
「そうした弱点があるからな」
「今の様にですね」
「天候を使う攻撃を行えばな」
それでというのだ。
「ええんや」
「そうですね」
「そや、それでや」
「まずは吹雪を起こしましたね」
「そうした、これでや」
「敵機はかなり減りますね」
「そうなる、それでや」
これからはというのだ。
「その数が減った敵の航空戦力をや」
「攻めますね」
「飛兵もよおさんおるが」
両軍共彼等も多い、五大湖側の飛兵達もメルヴィルの吹雪によって実に多くの者達がダメージを受けている。
「一緒や」
「メルヴィル様が召喚された雪女の吹雪でダメージを受けていて」
「それでや」
「数を減らしですね」
「残った連中もダメージを受けてるところでな」
吹雪はまだ荒れ狂っている、その吹雪を見つつ言うのだった。
「さらにや」
「攻めますね」
「そうする、ええな」
「わかりました」
「優勢な状況でもな」
「強烈な一撃を与えて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「敵の航空戦力を壊滅させる」
「そしてですね」
「そのうえでや」
さらにというのだ。
「次はや」
「空港ですね」
「既に爆撃機隊を向かわせてる」
「その彼等をですね」
「そや、ケンタッキーの空港を破壊してな」
「敵の航空戦力を完全に無力化し」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「陸軍をな」
「攻めませますね」
「そうするで」
こう言ってだった。
メルヴィルは吹雪が終わったところで残った敵の航空戦力に今自分が率いている戦力で総攻撃を仕掛させた。
只でさえ数そして質で劣勢なところに吹雪の強烈な一撃を受けてかなりの戦力を失っていたところに総攻撃を受け五大湖側の航空戦力は壊滅した、残った僅かな者達は戦場を離脱したがメルヴィルは言った。
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