夢幻水滸伝
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第三百四話 二十州掌握その十
「反応せんのや」
「レーダーは電波を送りそれが跳ね返り相手を確認しますが」
「低空にはレーダーを送れないですか」
「そうなのですか」
「それも超低空やとな」
低空も低空でというのだ。
「そうするとな」
「尚更ですか」
「レーダーに反応しない」
「電波が送れないので」
「だからですね」
「そや、それで夜間にな」
この時間帯にというのだ。
「真っ黒く塗った気球や飛行船を使えばどや」
「観られますね」
「あと黒い服の飛兵でもいいですね」
「レーダーに反応せず」
「また視覚も出来ないので」
「これはええ、音もな」
この問題もというのだ、発見には目だけでなく耳も使えることから言うのだった。
「気球やとどうや」
「しないです」
「航空機と違い」
「速度は遅くとも」
「それが可能です」
「それを使ってな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「偵察していきますか」
「五大湖の方を」
「そうするのですね」
「そや、このやり方やと昼は動けんが」
黒く塗ると逆に昼間は目立つ、烏は昼は目立つものだ。
「しかしな」
「夜はですね」
「確かに見られません」
「しかも低空だとレーダーにも反応しない」
「これはいいですね」
「まことに」
「そうもしてくで、もっともエミリーちゃんはプロや」
アサシンである彼女はというのだ。
「こうしたこともな」
「アサシンはシーフ系の職業ですからね」
「暗殺を得意とする職業ですが」
「諜報についても専門です」
「そうです」
「そやからな」
その為にというのだ。
「もうな」
「こうしたことはですね」
「既にお考えになっている」
「そうなのですね」
「ああ、そやから相手の防衛ラインの情報収集もな」
これもというのだ。
「あの娘にやってもらってる」
「左様ですね」
「ではですね」
「そちらも行っていき」
「それが一段落すればですね」
「戦の準備も整えたらな」
この条件もクリアーすればというのだ。
「いよいよや」
「攻めますね」
「では今はですね」
「戦の準備を進め」
「情報収集も行いますね」
「軍はな、焦って攻めても失敗する」
メルヴィルは断言した。
「鷲も準備不足やと獲物を捕まえられん」
「如何に強くとも」
「それでもですね」
「ただ襲うだけでは」
「鷲も獲物を手に入れることは出来ないですね」
「そや、それでわし等もな」
自分達もどだ、メルヴィルはさらに話した。
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