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X ーthe another storyー

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第二十五話 選択その八

「心がありますね」
「貴方もそう思うわね」
「どうも。僕みたいな」
 哪吒は庚に応えた。
「何となくですが」
「私も思うわ、ものにも心が宿るのよ」
「そうなんですね」
「付喪神は知っているかしら」
「確か長い間使われてきた道具が心を持つ」
「そうした妖怪だけれどね」
「ビーストもですか」
「ええ、特にコンピューターは計算したり分析したりとね」
 その様にというのだ。
「人間みたいな行動を行うわね」
「人間が頭の中で行うみたいな」
「そうしたことを行うからよ」
「尚更ですか」
「心を持つとね」
「考えられますか」
「だからね」
 それでというのだ。
「ビーストもよ」
「考えを持ちますか」
「そうではないかしら」
「では私は」
「確かにビーストはコンピューターでね」
 庚は颯姫にあらためて話した。
「人間ではないし地の龍でもないわ」
「それでもなのね」
「そうしたものだと認識して」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「ビーストと接するのね」
「私達に接するみたいにしていったらどうかしら」
 こう言うのだった。
「そうね、お友達ね」
「ビーストは私の友達」
「貴女はこれまで友達を持っていなかったわね」
「必要だと思わなかったから」
 それ故にとだ、颯姫は答えた。
「そうだったわ」
「けれどどれをね」
「ビーストに対しては」
「そうしていってね」
 そしてというのだ。
「接していけばどうかしら」
「庚が言うなら」
「そうしてくれるのね」
「庚は私をここに連れて来てくれていつもよくしてくれるから」
 だからだとだ、颯姫は庚に答えた。
「仲間。そう思えるから」
「信頼してくれるのね」
「これが信頼」
「そうなるわ。ではね」
「ええ、ビーストにね」
「そう接していくわ」
「その様にね。そういえばこの前学園に行ったら」
 クランプ学園にとだ、庚は牛乳を飲みつつこんなことを言った。
「凄く可愛い娘がいたわ」
「おや、どんな娘ですか?」
「美幸ちゃんと言ったわね」
 遊人に笑って話した。
「長い金髪も大きな目の可愛いお顔立ちでね」
「庚さんのタイプですか」
「ああした娘と遊ぶことがいいのよ」
「おやおや、相変わらず可愛い女の子がお好きですね」
「大好きよ。今度誘おうかしら」
 こうも言ったのだった。
「デートにね」
「あれっ、庚はまさか」
「ええ、同性愛もね」
 哪吒にも答えた。 
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