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X ーthe another storyー

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第二十五話 選択その七

「これから地の龍が全員集まるけれど」
「遂にですね」
 遊人は朝食のトーストを食べつつ応えた。
「そうなりますね」
「ええ、けれどその時にね」
「どうなるかですか」
「そうよ、悲しいことが起こるけれど」
 遊人に顔を僅かだが顰めさせて言った。
「今から言っておくから」
「覚悟してですか」
「その出来事を見てね」
「わかりました、無駄な血は流れて欲しくないですが」 
 全てではないがある程度のこと、誰かが死ぬことと察してだった。遊人は応えた。
「しかしですね」
「それも運命だから」
「避けられないですね」
「だから受け入れてね」
「そうします」
「運命なら仕方ないわね」
 颯姫は無表情で述べた。
「それなら」
「いえ、ですがやっぱりですよ」 
 哪吒がその颯姫に話した、二人共今はハムエッグを食べている。メニューは他には牛乳と林檎やバナナ、オレンジを切ったものがある。
「酷いことが起こると」
「嫌なのね」
「僕にしても」
「そうなのね、私は」
 颯姫は無表情のままさらに言おうとした。
 だがここでだ、一瞬言葉を止めて言った。
「いえ、やっぱりね」
「酷いことはですよね」
「怒らない方がいいわ。死ぬことが悲しいなら」
 庚の言う悲しいことは誰かが死ぬことと察して言った。
「苦しまない辛くない」
「そうした方がいいですね」
「どんなものも何時か壊れてどんな命も何時か死ぬわ」
 こうも言った。
「そうなるわ、けれどね」
「それでもですね」
「苦しまない辛い思いをしないで死ねたら」
「それでいいですね」
「誰もがね」
「そうですよね」
「今そう思ったわ」
 哪吒に述べた。
「ふとね」
「それはいいことよ。そうしたことを理解することも大事よ」
 庚は颯姫のその話を聞いて笑顔で応えた。
「颯姫はこれからそうしたこともね」
「覚えていくことね」
「そうしていったらいいわ」
「これまでこんな風に思ったことはなかったわ」
「そうよね、貴女は」
「ただ合理的に」 
 その様にというのだ。
「的確にね」
「考えるだけだったわね」
「余分なものは全部省いて」
 そうしてというのだ。
「そうなる様にね」
「考えていたわね」
「そうだったけれど」
 今の今までというのだ。
「違ったわ」
「ではその違う考えをこれからもね」
「していくことね」
「ビーストにもね」
「あの子にも」
「そう、ビーストは貴女の何かしら」
 庚は颯姫に問うた。
「一体」
「それは」
「ただ人間とコンピューターの関係かしら」
「使う者と使われるもの」
「果たしてね」
「ビーストは僕が傍目に見ているだけですが」
 哪吒が言ってきた。 
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