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夢幻水滸伝

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第三百三話 プエルトリコでの会談その十

「幸せにはなれるわ」
「ええ奥さんと結婚出来たら幸せになる、やな」
「ソクラテスさんが言った通りにね」 
 ギリシアのこの哲学者がというのだ。
「そうなるわ」
「そやな」
「まあ悪い奥さんやったらね」
「それはそれでええか?」
「哲学者になれるわよ」
「そのソクラテスさんの言葉やな」
「そうよ、ただそれは普通の悪い奥さんで」
 アレンカールはさらに話した。
「所謂キチママやとね」
「不幸になるな」
「哲学者になるんじゃなくて」
「そうなるな」
「世の中ほんまにおるからね」
「キチママがな」
「何処にもね、それでキチママが歳を取ったらね」
 そうなるとどうなるかもだ、アレンカールはオムライスを食べつつ話した。メルヴィルも同じものを食べつつ聞いている。
「キチババになるのよ」
「キチママがそうなるな」
「よく人相の悪いお婆さんがいるけれど」
「昔はキチママでやな」
「今はキチババである場合が多いのよ」
「スーパーとかで割り込んできたりする婆さんとかな」
「そうしたお婆さんのお顔を見るとね」
 アレンカールはブラジルでも日本でも見て来たことを話した。
「異様に険しかったり卑しかったりするのよ」
「生き方がそのまま顔に出るな」
「そう、人生は人相に出るのよ」
 まさにというのだ。
「そやからね」
「キチママは人相が悪うなってな」
「キチババになるとね」
「完全にやな」
「悪相になるのよ」
「そやな」
「それでそんな人と結婚したら」
 その場合はというと。
「不幸になるのよ」
「そやからそんな人とは結婚するなやな」
「ええ、ただ碌でもない人と結婚する人は」
「碌でもない人の場合があるな」
「そんなケース多いでしょ」
「ああ、しかし碧ちゃんはな」
「ええ奥さんになるわよ」
 彼女の場合はというのだ。
「それでね」
「結婚したらやな」
「幸せになれるわ、ただ本当にしょびっちで」 
 また彼女の困った一面を話すのだった。
「肉食系だから毎晩ね」
「そういうことさせられるな」
「お婿さんを襲ってでもね」
「求めて来るな」
「絶対そうしてくるわよ」
「そやろな、あの娘は」
「お婿さんも好きやったらええけど」 
 その場合はというのだ。
「そうでないとね」
「毎晩搾り取られるか」
「それは嫌かもね」
「まあそういうの弱いとな」
「最初からああした娘と結婚しないわよ」
「そやな」
「ええ、まああの娘はそうした娘で」 
 碧はというのだ。
「声優さんの好みもね」
「悠木碧さんやな」
「何か小柄なところに名前までね」
「同じやからな」
「悠木碧さんは芸名らしいけれどね」
 アレンカールはこの辺りは詳しくない、芸能界ではよくあることだ。芸名と本名が全く違うということは。 
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